幽霊塔 の商品レビュー

江戸川乱歩(著者),宮崎駿

2023/10/17

原作は海外小説であり、黒岩涙香の翻訳小説を江戸川乱歩が登場人物を日本人に変えてリライトした作品。今年公開された宮﨑駿の『君たちはどう生きるか』でもモチーフのひとつとして使われており、影響力の強さがうかがえる。ドラマチックかつ子どもから大人まで楽しめるストーリーと、乱歩による読みやすく格式のある文体ですいすい楽しい気分で読めちゃいます。ジャンルは探偵小説ですが探偵はあまり出番が無く、かといって主人公が何か解決するわけでもないので、読者も流されるまま筋を追うのが正解かと。場面場面のビジュアルが結構印象的で、幽霊塔での冒険だったり、美女が虎に襲われたり、池の中から首なしの死体が発見されたりディテールに原作と乱歩の良さが乗り、相乗効果を生んでいる。面白かった～。

2023/08/06

小学生ぶりかも知れない乱歩。

今読むとギョッとするようなルッキズム描写がけっこうあるけど、今も小学校に置いてあるのだろうか。

思い切った振り幅で出来事が起こって
アクション映画か少年漫画かのよう。
主人公がなかなか間抜けでお人好し。

おどろおどろしいような場面もあるが
記憶よりもだいぶ軽い読み口だった。
乱歩ってこんな感じだったっけ！？

どこか牧歌的で、安心して読めたなぁ

2023/07/24

面白くて一気！
口絵の宮崎駿さんの解説マンガだけでも読む価値十分。作家の頭をのぞいたみたいで楽しい。
乱歩の冒険小説も申し分なし。
ワクワクしながら読み切った。

2023/05/10

乃木坂太郎さんの漫画「幽麗塔」をきっかけに読みました。似ている部分、そうでない部分があり2度面白かったです！
もし漫画を読まれた方がいたら、また違った幽霊塔を楽しめると思います。

2023/02/02

今この時代に読むと衝撃は少ないが、刊行当時ならば新しい描写ばかりではないだろうか。

だが、
美しくも恐ろしい、
いや気味の悪いホラーを感じさせる。
そこがまた魅力的。
宮崎駿が絵にしてくれてるので幽霊塔が頭の中にあって、
ストーリーが進みやすかった。

幽霊よりもやはり生きてる人が怖いよね

2023/11/30

江戸川乱歩の作品。
表紙、口絵はなんと、宮崎駿氏。
宮崎氏は、少年時代にこの幽麗塔を読んで、後々、『ルパン三世　カリオストロの城』を作ったのだそうです。

表紙絵に魅かれ、また、乱歩の作品は小学生のころに明智小五郎、怪人20面相ものしか読んだことがなく、読んでみました。

語り口が明智小五郎系に似ていて、読んでいて懐かしい感じがしました。
でも幽麗塔はもう少し年齢層は高いかも知れません。

もともとはアメリカ人が書いたイギリスを舞台にした作品を日本作家が翻訳小説として日本を舞台にして、加筆修正し、それをさらに江戸川乱歩がさらに修正し書き上げたもののようです。

読んでいて日本の物語として違和感がないです。少しオドロオドロしい感じがワクワクさせてくれ、謎が謎を呼び、疑心暗鬼、と、次々に事件が起こるので、最後まで飽きずに一気読みできました。

2022/02/09

小学生の時に、図書館で見つけて読みました。宮崎駿先生の表紙に惹かれて手に取ったのを覚えています。

中を開くと宮崎駿先生が描いた幽霊塔の図解や解釈が漫画形式で、アニメにしてみたときの絵コンテなどが載っています。小説以外のコンテンツが盛りだくさんです。そのため小説の内容をイメージしやすく、私の江戸川乱歩デビューを後押ししてくれました。

小説はそこまで周回しませんでしたが、宮崎駿先生の絵は舐め回すように何千回と眺めた記憶があります。

2022/02/08

読みやすいし、サスペンスなストーリーの展開も面白い。
サブキャラクターが乱歩的な変態キャラで主人公やヒロインを食ってるのが面白い。
難点を言うと、幽霊塔というタイトルのわりにあまり塔の中でのアクションがないことと、トリックが現代から見るとガバガバであること。
あくまでホラーな雰囲気を楽しむことに集中すれば楽しく読めると思う。

2021/03/17

はじめに宮崎駿さんによる幽霊塔の構造の解説（想像）とアニメーションにした場合の絵コンテが載っている。
キャラ設定も少し描かれているので、場面を想像しやすいし、入り込んで読むことができた。

ジブリで想像しながら読んでいたので、パーティーの時のご飯はきっと美味しそうに描かれるんだろうな、時計塔の内部も細かく描かれるんだろうなと考えるのがとても楽しかった。

2021/02/13

はじめに宮崎駿さんが挿絵で解説してくれているので頭の中で場面を想像しやすくて読みやすかった。怖いけどこうゆう経験したいなーと純粋に思う。