1,800円以上の注文で送料無料

仕事と家族 の商品レビュー

3.9

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/10/05

少子化の要因を丁寧に分析はしてある。モデルとなる国が特定できないこと、利害があることもわかる。100点の答えがないことなどわかる。著者の提言、アイデアを出してほしい。まあ、学者だから。こんなところだろう。

Posted byブクログ

2024/01/27

少し読みづらさはあるが、現在の働き方そのものが、働いていない人に仕事以外のこと(家事、育児)を任せることを前提にしている、ということは大発見だった。もっと注目されていい。

Posted byブクログ

2023/08/23

仕事と家族の関係性を各国の行政サービス、統計データから考察した書籍。 日本で子育てする事が無理ゲーと言われて久しいが、その理由である①子育て費用の補助 ②共働きと子育ての両立 について他国の状況も知りたいと思い読書。 ①子育て費用の補助は北欧・欧州が手厚く、手厚いほど出生率が...

仕事と家族の関係性を各国の行政サービス、統計データから考察した書籍。 日本で子育てする事が無理ゲーと言われて久しいが、その理由である①子育て費用の補助 ②共働きと子育ての両立 について他国の状況も知りたいと思い読書。 ①子育て費用の補助は北欧・欧州が手厚く、手厚いほど出生率が高くなる傾向という想像通りの結果 ②共働きと子育ての両立 は意外性あり、そもそも就業している職業が国により大きく異なっているそう。 ②を示すデータとされる産後の就業率はアメリカ、北欧が高い。アメリカは育休期間が短く仕事に早期復帰+家政婦やベビーシッターの利用によりキャリアを途切れさせず仕事を続けている。 一方、北欧は女性が就いている職業の多くは公務員であり、長期で休暇取得後仕事に復帰している。高福祉国家なので介護や医療などの公務員自体が多く必要とされ、そのサービスの担い手に女性が多いという事だそう。 日本はアメリカに近いが家政婦やベビーシッターを使う事に抵抗感が強く、社会として両立が難しい状態が継続しているという事だった。 また、男性の家事育児時間が長いほど産後就業率は長い傾向。 以上踏まえた感想 子育てをする為にはお金、時間、人手といったリソースが不可欠で、出生率がある程度高い国は行政・民間いずれかがこれらを提供しているとわかった。その国の中でもパートナーの協力有無により仕事と家族を両立できるかは分かれており、現在は当たり前の核家族で子育てをするという事自体が非常に難しい事と感じた。

Posted byブクログ

2023/08/06

膨大なデータをそれに基づいた論考が展開される、骨太な新書だ。 「企業経営にしろ政治にしろ、正解が見えない場合には、何らかの合意を作り上げ、そこにコミットするしかない。国として何を重視して、何をある程度壊していくのかについて、最低限の共通理解を構築することなしに、その場しのぎで応急...

膨大なデータをそれに基づいた論考が展開される、骨太な新書だ。 「企業経営にしろ政治にしろ、正解が見えない場合には、何らかの合意を作り上げ、そこにコミットするしかない。国として何を重視して、何をある程度壊していくのかについて、最低限の共通理解を構築することなしに、その場しのぎで応急処置を続けていく余裕は日本にはない。」

Posted byブクログ

2023/01/06

基礎知識がないだけに、理解するのに時間がかかった。たくさんのデータを使用していて、見方まで説明されていたので丁寧な論述であると感じた。日本の少子化や女性雇用問題について、国際比較や時代の流れによって考えられていたので構造的にはわかりやすかったと思う。時間をかけてもう一度じっくり読...

基礎知識がないだけに、理解するのに時間がかかった。たくさんのデータを使用していて、見方まで説明されていたので丁寧な論述であると感じた。日本の少子化や女性雇用問題について、国際比較や時代の流れによって考えられていたので構造的にはわかりやすかったと思う。時間をかけてもう一度じっくり読み直したい。

Posted byブクログ

2022/08/25

仕事と家庭の両立について、国際比較と歴史的背景の両面から詳細に調査し、日本がこれから選択するべき道筋をまとめた良書。ここで示された方向性が正解とは思わないが、平易な言葉で議論に必要な情報がまとめられているので、これをもとに今後を考えるのは有効だと感じた。

Posted byブクログ

2021/08/13

日本がなぜ働きづらく、産みにくい社会なのかについて書かれた本。当方のこの本からの学びは以下4点 ①日本の労働環境は未だ男性、正社員が優位であること ②総合職制度、職能給が日本独自の働き方であること ③未婚化、晩婚化は経済的要因ではなく、女性の高学歴化による目指すキャリア像と家庭...

日本がなぜ働きづらく、産みにくい社会なのかについて書かれた本。当方のこの本からの学びは以下4点 ①日本の労働環境は未だ男性、正社員が優位であること ②総合職制度、職能給が日本独自の働き方であること ③未婚化、晩婚化は経済的要因ではなく、女性の高学歴化による目指すキャリア像と家庭との両立に困難があること ④低福祉の代表国であるアメリカ、高福祉の代表国スウェーデンは共に日本より出生率が高い(1.9程度)

Posted byブクログ

2020/09/28

日本で専業主婦が多かったのは1970年代。それ以前は、農業など家業のため働く主婦が多かった。 スウェーデンでは、4人に一人が公務員。女性は二人に一人以上。その7割以上は介護、2割が保育。9割がケアワーカー。 アメリカのような小さな政府と北欧の大きな政府の国が、女性労働参加が多い。...

日本で専業主婦が多かったのは1970年代。それ以前は、農業など家業のため働く主婦が多かった。 スウェーデンでは、4人に一人が公務員。女性は二人に一人以上。その7割以上は介護、2割が保育。9割がケアワーカー。 アメリカのような小さな政府と北欧の大きな政府の国が、女性労働参加が多い。ドイツ、日本はどちらも入っていない。その結果少子化が進んでいる。 アメリカ、カナダは、育児休業制度が発達していないので、女性が高い地位につきやすい。 アメリカ、北欧の出生率が高い。両極端の国。日本、ドイツ、イタリアなど性別分譲が強い国は出生率は低い。 世界で変化し始めたのは、70年代のスタグフレーションのころから。北欧3国は、働き手を増やす政策=政府の女性雇用を増やした。 アメリカは、雇用の自由化。育児休業制度が発達していないため、女性の長期離脱が少ない。その結果、管理職も多くなる。 アメリカ、スウェーデンは、男性の所得が高くなくても、共働きで生活することを選んだ。 ドイツは、早期退職で若者の雇用を確保しようとした。雇用を縮小する方向でバランスさせた。 日本は労働時間や賃金を減らすことで対応。フレキシブルな日本的雇用の特徴を生かして失業を抑制。女性は非労働力化し、田舎に帰る、という手段で労働力を吸収。その結果、外部労働市場は、非正規が主流となった。 日本では、以前の子沢山から、1950年代に子供は二人または3人、が定着。 少子化の原因は、結婚しないか、結婚しても子供を作らないか。未婚化の要素のほうが大きい。しかしその理由は諸説ある。 未婚化の要因を、経済要因とするか、価値観の変化とするか。 女性の高学歴化、男性の所得低下。 女性は晩婚化、男性は非婚化が進んでいる。 身に着けたスキルを活かして仕事に打ち込みたい、は少数。そこまで積極的に仕事を選ぶわけではないが、女性が経済力を身に着けた結果、結婚に魅力を感じなくなった。 専業主婦になりたいと思っている人は相変わらず多い。 高学歴により収入があるため、結婚のハードルが上がり、男性所得の減少で理想と現実のギャップが拡大した結果、未婚または晩婚が増えた。 女性が活躍している国のほうが出生率が高い、という説と、少子化を食い止めるためには女性が家庭に戻るべき、という説が対立。 雇用労働に従事する女性が増えると出生率は下がったが、ある程度までいくとその効果が中和される。制度の充実で両立しやすくなった。しかし、労働市場に復帰しにくいことが、出生率の伸び悩みにつながっている。男性雇用の不安定化によって、少子化が加速。 両立支援と子育て支援。 その前に、未婚化を防ぐ必要がある。労働力不足を考えると、女性が家庭に回帰することは不可能。 アメリカとスウェーデンでは、女性が仕事と家庭を両立できる環境があり、男性雇用の不安定化があったことが、カップリングを促し、結果的に少子化を抑えられた。二歩では、結婚と仕事の両立が難しいので、それが見えるまで結婚をしない、つまり晩婚化、未婚化が進んだ。 U字型仮説=経済の発展段階で、女性の労働参加がU字型になる。工業社会では専業主婦化する。 日本で増えた女性労働者はパートアルバイト=130万円の壁。 1985年は、労働者派遣法と第三号被保険者制度が始まった。女性の労働抑制につながった。 雇用機会均等法は、女性を男性の立場に組み入れるもの。女性が総合職で採用されてもやめてしまう。均等法のパラドックス。 経済がうまくまわらないときに失業者を保証するのはコストがかかる。日本は、企業と家庭がその役割を担ってきた。職能給制度により配置転換が可能だった。 職務単位の働き方では、失業が増える傾向がある。 クォーター制(割当制)一定数の女性取締役を義務付けること。ノルウェーは40%を下回らないように義務付けた。北欧でもその必要性があるのは、女性は公務員、という区分けになっているから=性別職域分離。 ケアワーカーは、その場所で消費されるから、その場所に住んでいないとできない=賃金は下がらない。 夫婦の家事参加が均等にならない理由=仕事の時間が違う、収入が違う、最初は分け合っていても、女性の職場が同じようはならないため、だんだん性別分業に移行する。家事の希望水準の不一致=女性が自らやったほうが早い。 男性が長時間労働だと家事を行う時間がない。外で長時間働く男性の面倒を見ることは必然となっている。 台湾は儒教国だが、家事分担は日本よりも分業的。 性別分業の克服、真の共働き社会への移行が必要。

Posted byブクログ

2020/01/28

◯合計特殊出生率は上がることなく、むしろ下がりつつあり、一番重要な出生数は90万人を切るかもといった報道がされている現代日本においては、まさしく他国の真似ではない、実態に即した少子化対策が必要であると感じた。 ◯また、今までの施策は、やはり海外の模倣であり、日本という社会に合って...

◯合計特殊出生率は上がることなく、むしろ下がりつつあり、一番重要な出生数は90万人を切るかもといった報道がされている現代日本においては、まさしく他国の真似ではない、実態に即した少子化対策が必要であると感じた。 ◯また、今までの施策は、やはり海外の模倣であり、日本という社会に合っていない上に、場当たり的な施策が続いており、グランドデザインを描いた上で、速やかに対応する必要性を感じる。 ◯本書では結婚に関する個々人の理由を詳細に分析し、働き方改革が声高に叫ばれる前から働き方に関する視点が盛り込まれ、家族内での家事分担に至るなど、着眼点が新しく、面白い。 ◯最終章が、本書の要約として大変分かりやすい。議論の大筋を理解するために先に読んでもいいかもしれない。

Posted byブクログ

2019/08/02

少子化や女性の労働問題などを扱っているひとたちには絶対読んでもらいたい本。 少子化問題を論じる本で提案される対策はどれもピントがずれているというか、表面上の解決方法しか提示されないことが多いけれど、この本で主張されていることはとてもすんなり受け入れることができた。 すなわち、少...

少子化や女性の労働問題などを扱っているひとたちには絶対読んでもらいたい本。 少子化問題を論じる本で提案される対策はどれもピントがずれているというか、表面上の解決方法しか提示されないことが多いけれど、この本で主張されていることはとてもすんなり受け入れることができた。 すなわち、少子化や女性の活躍を阻む根底にあるのは、日本特有の「長時間労働」や「無限定性」という主張である。 これらを見直していかない限り、いくら育児休業制度や保育所の充実を図ったとしても、根本的な解決にはならないのではないかと思った。

Posted byブクログ