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誰のためのデザイン? 増補・改訂版 の商品レビュー

4.2

47件のお客様レビュー

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2019/02/03

借りたもの。 認知科学の視点から、人間中心のデザイン――使う人にとって使いやすいか、わかりやすいか――を提唱した一冊。 つかう人間のため、使い勝手の良い――間違いを減せる――とはどうゆうものか? そのための具体例を沢山挙げ、可能な物には写真も掲載されている。 この本は改訂版。以...

借りたもの。 認知科学の視点から、人間中心のデザイン――使う人にとって使いやすいか、わかりやすいか――を提唱した一冊。 つかう人間のため、使い勝手の良い――間違いを減せる――とはどうゆうものか? そのための具体例を沢山挙げ、可能な物には写真も掲載されている。 この本は改訂版。以前出した本から20年以上経ち、ツールや技術的も変化した時代に合わせ、具体例を変更したとのこと。(1970~80年代ごろのシャープのそろばん付き電卓の写真に、思わず失笑) また、当初提唱したアフォーダンス(「環境や物は元から様々な使い方をアフォード(提供)しており、人や動物はその使い方をピックアップ(受取る)する」ことを指す。本来ジェームス・J・ギブソンが提唱したものとは違うため批判もあった模様)が誤った認識で広まり、より正しく理解してもらうために別の用語・シグニファイア(「人が簡単に使えたり誤った使い方をしないようにデザイン」)を提唱している。 電池の+-の違いがあることも、不便なデザインであると言う。「入れる向きをいちいち確認しなければならないから」という行に目から鱗だった!考えてみれば、それは視覚障害者にも手間になる(凸凹を触って確認し、入れる場所でも向きを触って確認しなければならない)。 ヒューマン・エラーが個人の問題ではなく、複雑なデザインによって引き起こされることを指摘。 例として、」スリーマイル島原子力発電所事故の事故調査に招聘され、事故原因が複雑なコントロールパネルや警報装置・警告灯の多さになるということに気づいたとの事。 より複雑化する中で、人がその複雑さに煩わされてはダメで、洗練されすぎても一見して使い方が分からなければ元も子もない。(ドアを例に挙げ、それが引き戸(左右)なのか開き戸(押すか引くか)かが分からない話など) では何故、ミスは起きるのか? それも分類され、エラーには「スリップ」と「ミステーク」の二種類があり、 「スリップ」には行動ベースと記憶ラプス(物忘れ)、「ミステーク」にはルールベース、知識ベース、記憶ラプスがある。 それらが認知行動の処理のどこで影響を与え、もたらされるかを図説していて興味深い。 科学者の視点らしく。 また、新しい製品やシステムの普及には、失敗も多く、時に数十年~数世紀くらいの時間を要することも言及。 それらを踏まえた上で「良いデザイン」を提唱できるか…… イノベーションについて叫ばれる昨今、学びが多い一冊。 著者のD.A.ノーマン氏はAppleフェロー(特別研究員)だった! iPhoneが発売された当初、その洗練され機能を極限まで減らしたデザインが素晴らしいともてはやされた。 日本ではその原点にジョブズが禅の思想に影響されていた事がよく強調されていたが、この本から、別の視点からも模索され到達していたことがうかがえる。 製品だけでなくシステムなど「デザイン」はどこにでも存在する。製品開発が主な話だが、非常に応用がきく話だと思った。

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2018/11/01

●モノのデザインに関して、示唆に富んだ説明がなされている。良いデザインとは何か、悪いデザインは何が悪いのか、様々な事例を紹介しており、理解の助けとなった。

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2018/10/13

こちらもようやく通読。本書は情報デザインを学ぶ者にとって古典中の古典と言えるでしょう。何度も繰り返し読みたい。

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2018/09/15

4Pのうち、プロモーションに関わることが多いが今度プロダクトに移る時のことを考えて、その道の名著を手に取った。 ほとんどのエラーが人間の過失によるものならば、もはやそれを人間のせいだとするのはおかしい(ヒューマンエラーは起こる前提でデザインされていないといけない)、という考え方...

4Pのうち、プロモーションに関わることが多いが今度プロダクトに移る時のことを考えて、その道の名著を手に取った。 ほとんどのエラーが人間の過失によるものならば、もはやそれを人間のせいだとするのはおかしい(ヒューマンエラーは起こる前提でデザインされていないといけない)、という考え方が印象的。 一方で、買われなければ意味がない、納期を守る必要がある、デザイナーとマーケ、営業では言うことが違う、など現実問題としての制約がある中で突破できるデザインこそが良いデザインだとされている点も名著たりうる所以なのかなと思った。 良いデザインは我々のニーズに合っているから気づきにくい 技術者は人々がこうあるではなくこうあってほしいという論理的な組み立てで考えてしまう ほとんどの事故の原因がヒューマンエラーなのだとしたら、それはデザインの問題である 我々がヒューマンエラーと呼ぶものは単にテクノロジーのニーズに人の行為が適していない場合であることが多い テクノロジーを操作するための知識は外に置いておく 人は本物の問題にたどり着くように掘り下げることをせずに、あまりにも安易に表面上の問題のみを見てしまうのだ 間違った問題への見事な解決は、全く解決がないよりもたちが悪いものになりかねない 機能症は進行性の病気であり、根絶させるのは難しく、ワクチンもない。 どれだけニーズにマッチしていても買われ、使われなければ成功とは言えない 世界は変わるが人間の社会的な原則は変わらない

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2018/08/26

「良いデザインとは何か」というシンプルな問いへの、バイブル的な一冊。 良いデザインというのが、必ずしも論理的に定まるわけではなく社会的・物理的制約を受けるという点には目から鱗。 なるほど我が家のキーボードもQWERTYである。 デザイン思考の章で語られる「工程が変わっていく中...

「良いデザインとは何か」というシンプルな問いへの、バイブル的な一冊。 良いデザインというのが、必ずしも論理的に定まるわけではなく社会的・物理的制約を受けるという点には目から鱗。 なるほど我が家のキーボードもQWERTYである。 デザイン思考の章で語られる「工程が変わっていく中でデザイン思想が欠落してしまう。なので極力、全工程関わるべきだ」というのは興味深い側面だった。 いわゆるアジャイル開発の利点が、デザイナー目線ではそういった点にあるのか。 非デザイナーであるからこそ本書を手にとってよかった。

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2018/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

身近に存在する「あるあるネタ」を例に出し、さくさく読ませてくれる良書。 一般的には"デザイン"と聞くと"おしゃれやファッション"を想像してしまうだろうが「ドアを開ける方向」「車は左と右どちらを通るのか」扱うものの機能性のデザインから、社会のルールといった生活に密着した"デザイン"についてわかりやすく解説してくれている。 容器の蓋を開ける時に、「回して開ける」OR「引っ張って開ける」事を迷ったり、間違った開け方にトライしたこと誰しも一度はあると思う。 じゃあ、なぜそういったことが起こるの? そして。どうしたらそういった間違いを解消できるの? それを教えてくれるのがこの本である。 なので、「読者に分かり易く伝えるためのデザイン」も考えてくれてるのだろう。実に分かり易く、読んでいてすいすい頭に入ってくる。 いい本に巡り合った。是非たくさんの人に読んでもらいたい。

Posted byブクログ

2018/03/02

デザインというよりも、社会生活で非常に役に立つ話がぎっしり詰まった本。例えば、デザインするものに、どのように操作できるか示す目印をつけよう。という「シグニファイア」のくだりは、日常的に何かを指示したり、自分が使う仕事環境を改善したりするときに応用すれば、ミスを防げる。他にも、「な...

デザインというよりも、社会生活で非常に役に立つ話がぎっしり詰まった本。例えば、デザインするものに、どのように操作できるか示す目印をつけよう。という「シグニファイア」のくだりは、日常的に何かを指示したり、自分が使う仕事環境を改善したりするときに応用すれば、ミスを防げる。他にも、「なぜヒューマンエラーが起こるか?」「人が短期的に覚えていられるのはおおむね5個。」などなど、おもに工業デザインの分野で仕事をする人向けの内容だが、応用範囲は広い。 中学生くらいの教科書にしてもらいたいくらいの良書だと思う。いや、教える側が読んでおくべき内容か・・。

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2018/02/28

『行動経済学の逆襲』p450で紹介。 以前、放送大学の何かの授業で紹介されたことがあるけど、増補・改訂版が出ているようです。

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2018/01/29

設計者は典型的なユーザーではない。 自分が設計したものを使っているうちに、その専門家になってしまい、 誰もが使用時に困難を覚えるということは想像もできなくなる、

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2017/12/06

著者が広めた「アフォーダンス」という言葉に聞き覚えがある人は多いだろうが、一般に利用されている「アフォーダンス」は、増補改訂版では「シグニファイア」という概念で置き換えられている。少し冗長な面も多いが、それでも「機能症」「スキューモフィックデザイン」、ヒューマンエラーの「スリップ...

著者が広めた「アフォーダンス」という言葉に聞き覚えがある人は多いだろうが、一般に利用されている「アフォーダンス」は、増補改訂版では「シグニファイア」という概念で置き換えられている。少し冗長な面も多いが、それでも「機能症」「スキューモフィックデザイン」、ヒューマンエラーの「スリップ」と「ミステイク」の分類分けなどは参考になった。 あとは僕らが「当たり前」に思っているデザインも、きちんと理論を下地にそうなってるんだなと感心したね。

Posted byブクログ