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仏教思想のゼロポイント の商品レビュー

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34件のお客様レビュー

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2024/09/11

著者は、諸行無常・寂滅為楽とする原始仏教から逸脱して衆生救済を掲げる大乗経が「なぜ仏教と名のれるのか」という疑問から出発するが、滅後百年頃の小乗経と数百年後の大乗経を区別しない。歴史的釈迦に現代でもっとも近いのはおそらく禅宗とする/ミャンマーから世界に広がっているテーラワーダ仏教...

著者は、諸行無常・寂滅為楽とする原始仏教から逸脱して衆生救済を掲げる大乗経が「なぜ仏教と名のれるのか」という疑問から出発するが、滅後百年頃の小乗経と数百年後の大乗経を区別しない。歴史的釈迦に現代でもっとも近いのはおそらく禅宗とする/ミャンマーから世界に広がっているテーラワーダ仏教では悟りは実在し、人格が良くなることではない。ブッダは自らの證得した法が「世の流れに逆らう」から語らないつもりであった。解脱者は「凡夫が生の内容だと思っているもの」をいったん否定し、執着を捨て善因楽果悪因苦果で個人人格輪廻を否定

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2023/12/31

仏教の目的である「解脱・涅槃」とはどういうことか? その他、縁起や無我など基本的な仏教で重要な要素について解説されているが、しかたないとはいえ、専門用語は多い。 ただ、あくまでも著書はテーラワーダの視点から述べており、大乗仏教に対しては、読み手からはやや否定的と感じる立場である...

仏教の目的である「解脱・涅槃」とはどういうことか? その他、縁起や無我など基本的な仏教で重要な要素について解説されているが、しかたないとはいえ、専門用語は多い。 ただ、あくまでも著書はテーラワーダの視点から述べており、大乗仏教に対しては、読み手からはやや否定的と感じる立場である。 その立場も、日本の行学のない仏教への失望から来ているのかな、とも感じた。 ブッダのしなかった葬式法事を最大事とし、観光や地域振興、慈善事業などの世間的な善だけ、自己と向き合い煩悩と格闘することさえ稀な日本の仏教。 失望するのも仕方ないかなと思う。 ただ、著者が平生業成の教えを知らないであろうことは残念である。

Posted byブクログ

2023/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自然と湧いてくるものを止めるためには、流れに逆らう行為を敢えて行う必要がある。「悟り」とは何なのか?簡単ではないが、読む前よりははるかにわかるようになった。

Posted byブクログ

2023/08/28

本書を入門書や注釈書といって良いものか? ゼロポイントの題通りに、ど真ん中を、引用、知性を持って理論的に説き明かしていく。そしてそれは筆者の裏付けのある実践でもって支えられている。 仏教用語に関する予備知識や仏教に触れる経験があった方がより興味深く読めるとは思います。 歴史を振り...

本書を入門書や注釈書といって良いものか? ゼロポイントの題通りに、ど真ん中を、引用、知性を持って理論的に説き明かしていく。そしてそれは筆者の裏付けのある実践でもって支えられている。 仏教用語に関する予備知識や仏教に触れる経験があった方がより興味深く読めるとは思います。 歴史を振り返ったりスッタニパータ等についての解説もあるが、畢竟、至極当たり前の事が書かれています。 しかしこの視点で書かれた仏教書は多くはない気がします。 ここ20年で読んだ仏教書では最良の一冊であると思います。 本当にお勧めします。

Posted byブクログ

2022/08/27

資本主義経済とあまりにも相容れないような気がする。 他者が不必要?自己がいかに無為であるかを追求すること? 仏教の大原則は輪廻転生の前提。縁起からおこる全ては無常であり、それは不満足である。 我儘は、自分のコントロールのできない、外からやってきた無我であり、結局は隷属である。 宗...

資本主義経済とあまりにも相容れないような気がする。 他者が不必要?自己がいかに無為であるかを追求すること? 仏教の大原則は輪廻転生の前提。縁起からおこる全ては無常であり、それは不満足である。 我儘は、自分のコントロールのできない、外からやってきた無我であり、結局は隷属である。 宗教に効能効果はない。瞑想してもなんの得にもならない。コスパもない。 仏教における倫理規範のの二重構造 仏教における最上の価値は涅槃、それを目指すことが善 一方で涅槃の境地は善悪をともに捨て去った先にある。 そのため、世間の中の日常的振る舞いには、素朴な功利主義と、無生産者なれども尊敬に値する"律"が必要。これによる社会的な生き残り 仏教は政治的庇護を受けていたから2,500年も存続してきた。 輪廻とは、「何かが輪廻」しているのではなく、現象の継起、プロセスそのものが輪廻である つまり、なにかから彼方にバトンが渡るようなものではなく、今この現在に置いても続いているこの状況が輪廻。

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2020/08/10

ブッダの教えについて、「これが本当の教えだ、あれは違う」と様々な宗派の色々な意見があります。 そんな事より、この教えで心の平静を得られたと言ってくれた方が、よっぽど信用できます。 けれども、誰もそんな事は言いません。現代社会では、悟りは「円満な人格完成者」と思われているからだ...

ブッダの教えについて、「これが本当の教えだ、あれは違う」と様々な宗派の色々な意見があります。 そんな事より、この教えで心の平静を得られたと言ってくれた方が、よっぽど信用できます。 けれども、誰もそんな事は言いません。現代社会では、悟りは「円満な人格完成者」と思われているからだそうです。 本書を読んで、ブッダの考えがぼんやりと理解できました。次の本も期待しています。 教義上の争いのエネルギーを、「心の平静を得てみんなが平和に暮らす」ブッダの智慧を蘇らせるのに使った方が、よっぽど有益だと思います。

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2021/04/30

真宗系の本ばかり読んでいるが、いったい上座部仏教ではどのように仏教を解釈しているのかを客観的に知りたくて読んだ。著者が宣言している通り、信仰者ではなく、仏教哲学に基づく悟りの実践者としての立場から、典拠を明示してブッダが求めた悟りについて簡潔に分かりやすく記述されている。 テーラ...

真宗系の本ばかり読んでいるが、いったい上座部仏教ではどのように仏教を解釈しているのかを客観的に知りたくて読んだ。著者が宣言している通り、信仰者ではなく、仏教哲学に基づく悟りの実践者としての立場から、典拠を明示してブッダが求めた悟りについて簡潔に分かりやすく記述されている。 テーラワーダはこういう風に考えているんだという事が理解できた。 自分自身は、まったくこの分野に詳しくないので、これが正しいかどうかに関しては判断しかねるところがあるが、日本の大乗仏教と今いる上座部仏教との大まかな違いが分かったのは収穫である。 なお、テーラワーダのパーリ語経典に関しては、ブッダの言葉を翻訳している点と、一部存在が不明になっていた時期もあることから、漢訳の阿含経より新しいのではないかという疑惑もあるので、何が原点なのかという事はよくわからない。 少なくとも、上座部仏教も、大乗仏教も、人間の苦の開放を目指していることには間違いがない。それが時代や民族の文化と共に変遷したとしても自然なことだろうと思う。 非常に刺激的な内容であるので、仏教哲学一考として読むのはいいと思うが、これを読んで実践に走る前にもうちょっと勉強した方がいいのではないかと思う。

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2020/02/02

難解だが、バッサリと言い切っているところもあり、読みやすい。研究者としての視点があるから、論理的に感じたのかも知れない。

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2019/09/06

 ゴータマ・ブッダの仏教が「何」を目指すものであり、そしてそれを達成すると「どうなる」のかを解明する。なんとも直截な目的で、テーラワーダ仏教のインパクトのすごさに驚きます。大乗の中にいた日本人の多くは、仏教の本質の転換を強く促されています。

Posted byブクログ

2019/04/13

仏教がアナーキーかつラディカルで、しかもプラグマティックであることを隠すところなく伝える本。 生き生きとした筆致にもかかわらず、内容は慎重を期していて、信頼が置ける。 釈迦が輪廻を否定したって私も思っていた!どこで習ったのだろう。。

Posted byブクログ