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仏教思想のゼロポイント の商品レビュー

4.4

38件のお客様レビュー

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2025/12/19

良い読書体験だった。「理路整然」とか「筋道が立っている」とはこういうことを言うのだろう。術語には意味が分からなかったり馴染みが薄いものも多いが、説明は頭に入ってくる。 本書の主張は、ゴータマ・ブッダがたどり着いた解脱ないし涅槃が(無為無相という意味で)仏教思想のゼロポイントであ...

良い読書体験だった。「理路整然」とか「筋道が立っている」とはこういうことを言うのだろう。術語には意味が分からなかったり馴染みが薄いものも多いが、説明は頭に入ってくる。 本書の主張は、ゴータマ・ブッダがたどり着いた解脱ないし涅槃が(無為無相という意味で)仏教思想のゼロポイントであり、その後の仏教に多様性が生じたのは、それぞれの覚者がそことの距離や態度をどのようにとるかという選択の結果である、というもの。 では涅槃とは何か。それが理解できない。 というか、説明されて理解できるものではない。本を一読しただけの浅い理解の中に回収してしまえるものではない。 日常の延長にあるものではなく、何か決定的な経験を経てたどり着く境地のようなもので、愛欲を滅尽させた人だけが理解できる。だから修行する必要がある。 涅槃に至ると世界が灰色になって石のような人生を送るのかというと、そうでもない。ただ執著が消えて、対象をありのままに楽しむことができる。でも美醜の価値基準や好悪の感情は消えるらしい。うーん、分からん。そもそも私が本書を読み間違えているのかも。 全体的に、テキストをそのまま読んで、変な解釈を入れずに整合させようとする努力を感じる。例えばゴータマ・ブッダが「分かる人にしか分からん」と言ったなら、その思想はそのような高難度のものなのだとか。とはいえ、こうなると仏典全体の見取り図みたいなのも欲しくなる。 目次を読んでて、後半の章タイトルに書名と同じ「仏教思想のゼロポイント」ってあるのがかっこよかった。

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2025/08/15

素晴らしい。明らかに経典から読み取れる内容をかみ砕いて伝えてくれている。 加えて、魚川さんのスタンスが、あらゆる流派を、それは探求ゆえに違いとして包含しようとしていて、その上で、ここだけは原始仏教の言っていることと違う!としている。

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2025/07/08

面白い。一般の読者目線で、非常に平易かつ分かりやすく書かれている。よく陥りがちな疑問にもしっかりと回答されている。一気に読み切った

Posted byブクログ

2025/02/23

「おわりに」に書いてあるが、  ゴータマ・ブッダの「非人間的」でシンプルな教えは、それにしたがった実践を行うことによって、無為の涅槃の覚知という、「物語の世界」の中では決して見出すことのできない価値のある経験へと、修業者を導いてくれる。  「仏教思想のゼロポイント」とは、その経験...

「おわりに」に書いてあるが、  ゴータマ・ブッダの「非人間的」でシンプルな教えは、それにしたがった実践を行うことによって、無為の涅槃の覚知という、「物語の世界」の中では決して見出すことのできない価値のある経験へと、修業者を導いてくれる。  「仏教思想のゼロポイント」とは、その経験のことを言うのであり、そして、そこから有為の現象を反照した時の風光が、2500年のあいだ、仏教徒たちに飽きること無く口を開かせ続ける原動力になった。  本書に記したのは、まとめればそれだけのことである。  ということでした。で、実際の記述は、以下のとおりです。 はじめに  1 ゴータマ・ブッダの言う解脱・涅槃とは何か  2 ゴータマ・ブッダは「悟った」後、なぜ死ななかったのか 第2章 絶対にごまかしてはいけないこと――仏教の「方向」 第2章 仏教の基本構造――縁起と四諦 第3章 「脱善悪」の倫理――仏教における善と悪 第4章 「ある」とも「ない」とも言わないままに――「無我」と輪廻 第5章 「世界」の終わり――現法涅槃とそこへの道 第6章 仏教思想のゼロポイント――解脱・涅槃とは何か 第7章 智惠と慈悲――なぜ死ななかったのか 第8章 「本来性」と「現実性」の狭間で――その後の話 おわりに あとがき という構成でした。 あとがき から  では、「仏教徒」でもない私が、それでも長いあいだ仏教に関わり続けるための、動機づけとなってくれたものは何か。  それは、最後だから敢えてナィーブな言い方を許していただくとすれば、仏教を学実践することがそれ自体として与えてくれる「楽しさ」であり、「面白さ」だ。  それも、仏教の私たちにとって都合よく聞こえる部分を表層的につまみ食いすることによって得られるようなものではなくて、真剣にテクストを読み、本気で実践することによって得られる種類の「楽しさ」であり「面白さ」である。  仏教は「伝統宗教」としての「文化的価値」で潤色し、趣味人のために博物館や図書館にうやうやしく飾っておかなくても、ゴータマ・ブッダの言ったことをそのままシンプルに提示すれば、十分に私たちにとって学ぶことが面白く、実践することが楽しいものである。  まずは理論的な側面から、仏教について正面から筋道立てて考えることの楽しさや面白さを、日本の読者の方々に伝えるために書かれたのが本書である。     ということで、凡人である現代人が日々耳にする各種「大乗仏教」、あるいは密教など、ゴータマ・ブッダの言説とはまったく別物であることがとりあえず理解できた(笑)。  日々の「般若心経」の写経の中にもゴータマ・ブッダの言った内容が書かれているようだ。  これを機に、とりあえず、般若心経の中身を深掘りしてみることとする(笑)。

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2024/11/26

2024.10.5〜 再読中。少しずつ追記していきます。 【はじめに】 「それだよ私の知りたかったことは!よくぞ書いてくれました!」と興奮させてくれる。もうここからぐっと引き込まれる。曖昧に濁そうとしない文章は気持ちが良いほど明瞭でわかりやすく、「愛してる…」となる。本書は仏教...

2024.10.5〜 再読中。少しずつ追記していきます。 【はじめに】 「それだよ私の知りたかったことは!よくぞ書いてくれました!」と興奮させてくれる。もうここからぐっと引き込まれる。曖昧に濁そうとしない文章は気持ちが良いほど明瞭でわかりやすく、「愛してる…」となる。本書は仏教を「わかる」ための本であり、そのために①ゴータマ・ブッダの言う解脱・涅槃(仏教の目的・本質)とは何か、②彼は「悟った」後、なぜ死ななかったのかが明らかにされていく。 【第一章】 本書は、仏教を「人間として正しく生きる道」なんて陳腐なワードで説明することをまずはっきりと否定している点において信頼できる。むしろ労働や生殖という、多くの人がフツーだと思っていることを禁止しているヤバい教えを解いているのが(ゴータマ・ブッダの)仏教なのだなという感想。 【第ニ章】 さて、ここから一気に仏教用語が多々登場。仏教の基本である「縁起」と「四諦」についての説明。 仏教は「転迷開悟」(迷いを転じて悟りを開く)を目指すもの。私たちが「迷い」(癖になって煩悩を垂れ流し続ける)の状態にあるのは、「縁起」の法則によるものだという。 「縁起」とは「原因(条件)があって生起すること」を指すが、「縁起」の性質を詳しく言うと「三相」=「無常」「苦」「無我」になる。 つまり、すべての物事は「縁起」によって形成されているわけだが、それってあくまでその原因や条件が消えればなくなってしまうものだから、恒常的なものではない。(「無常」) そんな一時的なものに欲望を抱いたところで不満足(=苦)に終わるしかないし、不満足には終わりがない。(「苦」) また、物事は思い通りにならない。それは自分の体でさえ(望んでないのに病気になるし)も、心(心に浮かんできた思いや欲望は、自分で浮かばせているわけではない)でさえもそう。コントロールできない。(「無我」) というわけで、「縁起」とは、ただ「原因(条件)があって生起すること」を指すだけではなく、私たちの陥っている「迷い」や「苦」(不満足)の状態を形成している法則だということになる。(だから仏教で重要視される。) ちなみに↑の「原因(条件)」とは、「業」=「後に結果をもたらすはたらき」のこと。私たちは過去に積み重ねてきた無量の「業」の結果として存在し、欲望を追い求める癖もついてしまっている。それは終わりのない不満足(輪廻的に繰り返す)。そんな状態(「惑業苦」)から抜け出す真理「四諦」があるよ!と方法論を打ち出した点が当時は新しく、仏教の魅力とも言える。 「四諦」(四つの真理) ・「苦諦」:私たちの生は総じて苦であることを「八苦」(生・老・病・死・怨憎会苦・求不得苦・五取蘊苦)として説明。 ・「集諦」:苦の原因(集起)は「渇愛」=欲望、有愛、無有愛。 ・「滅諦」:渇愛を限りなく徹底的に滅尽させることで苦からの解脱が可能(苦の原因は渇愛だから)。 ・「道諦」:苦(=渇愛)の滅尽のための方法は「八正道」(「正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定」)。 つまり「四諦」とは、「自らの苦なる現状を(中途半端にではなく)徹底的に知った上で、八正道を修習して、苦の原因である渇愛を捨断し、解脱・涅槃を実現する」ということ。 【第三章】 善悪について。仏教における悪とは、「十悪」(殺生・偸盗・邪淫・妄語・両舌・悪口・綺語・貪欲・瞋恚・邪見)であり、善とは十悪を行わない「十善」のこと。 ただそれは個別の事例を指すのみなので、後代の教理学では善悪の基準を「善」=行為者に幸福をもたらすもの、「悪」=行為者に不幸をもたらすものと定めた。 仏教の目的は涅槃であり、それは善や悪を含む価値判断から解放された境地=「脱善悪」だが、善を行い悪を行わないことは、↑の意味からでも勧めた。 また、社会で問題なく生きていく意味でも。そのためにサンガの規則=律がある。

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2024/09/11

著者は、諸行無常・寂滅為楽とする原始仏教から逸脱して衆生救済を掲げる大乗経が「なぜ仏教と名のれるのか」という疑問から出発するが、滅後百年頃の小乗経と数百年後の大乗経を区別しない。歴史的釈迦に現代でもっとも近いのはおそらく禅宗とする/ミャンマーから世界に広がっているテーラワーダ仏教...

著者は、諸行無常・寂滅為楽とする原始仏教から逸脱して衆生救済を掲げる大乗経が「なぜ仏教と名のれるのか」という疑問から出発するが、滅後百年頃の小乗経と数百年後の大乗経を区別しない。歴史的釈迦に現代でもっとも近いのはおそらく禅宗とする/ミャンマーから世界に広がっているテーラワーダ仏教では悟りは実在し、人格が良くなることではない。ブッダは自らの證得した法が「世の流れに逆らう」から語らないつもりであった。解脱者は「凡夫が生の内容だと思っているもの」をいったん否定し、執着を捨て善因楽果悪因苦果で個人人格輪廻を否定

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2023/12/31

仏教の目的である「解脱・涅槃」とはどういうことか? その他、縁起や無我など基本的な仏教で重要な要素について解説されているが、しかたないとはいえ、専門用語は多い。 ただ、あくまでも著書はテーラワーダの視点から述べており、大乗仏教に対しては、読み手からはやや否定的と感じる立場である...

仏教の目的である「解脱・涅槃」とはどういうことか? その他、縁起や無我など基本的な仏教で重要な要素について解説されているが、しかたないとはいえ、専門用語は多い。 ただ、あくまでも著書はテーラワーダの視点から述べており、大乗仏教に対しては、読み手からはやや否定的と感じる立場である。 その立場も、日本の行学のない仏教への失望から来ているのかな、とも感じた。 ブッダのしなかった葬式法事を最大事とし、観光や地域振興、慈善事業などの世間的な善だけ、自己と向き合い煩悩と格闘することさえ稀な日本の仏教。 失望するのも仕方ないかなと思う。 ただ、著者が平生業成の教えを知らないであろうことは残念である。

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2023/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自然と湧いてくるものを止めるためには、流れに逆らう行為を敢えて行う必要がある。「悟り」とは何なのか?簡単ではないが、読む前よりははるかにわかるようになった。

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2023/08/28

本書を入門書や注釈書といって良いものか? ゼロポイントの題通りに、ど真ん中を、引用、知性を持って理論的に説き明かしていく。そしてそれは筆者の裏付けのある実践でもって支えられている。 仏教用語に関する予備知識や仏教に触れる経験があった方がより興味深く読めるとは思います。 歴史を振り...

本書を入門書や注釈書といって良いものか? ゼロポイントの題通りに、ど真ん中を、引用、知性を持って理論的に説き明かしていく。そしてそれは筆者の裏付けのある実践でもって支えられている。 仏教用語に関する予備知識や仏教に触れる経験があった方がより興味深く読めるとは思います。 歴史を振り返ったりスッタニパータ等についての解説もあるが、畢竟、至極当たり前の事が書かれています。 しかしこの視点で書かれた仏教書は多くはない気がします。 ここ20年で読んだ仏教書では最良の一冊であると思います。 本当にお勧めします。

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2020/08/10

ブッダの教えについて、「これが本当の教えだ、あれは違う」と様々な宗派の色々な意見があります。 そんな事より、この教えで心の平静を得られたと言ってくれた方が、よっぽど信用できます。 けれども、誰もそんな事は言いません。現代社会では、悟りは「円満な人格完成者」と思われているからだ...

ブッダの教えについて、「これが本当の教えだ、あれは違う」と様々な宗派の色々な意見があります。 そんな事より、この教えで心の平静を得られたと言ってくれた方が、よっぽど信用できます。 けれども、誰もそんな事は言いません。現代社会では、悟りは「円満な人格完成者」と思われているからだそうです。 本書を読んで、ブッダの考えがぼんやりと理解できました。次の本も期待しています。 教義上の争いのエネルギーを、「心の平静を得てみんなが平和に暮らす」ブッダの智慧を蘇らせるのに使った方が、よっぽど有益だと思います。

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