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歩道橋の魔術師 の商品レビュー

4.1

36件のお客様レビュー

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2021/02/20

1961-92年に台北にあった中華商場を舞台にした短編集 私にはファンタジックに感じたが、それでいて妙に生々しい生活感もある 不思議なおとぎ話

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2019/08/29

4/25は歩道橋の日 1979年、台北。歩道橋には、マジックを披露する魔術師がいた―早世が惜しまれる天野健太郎さん訳。

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2019/08/22

「歩道橋の魔術師」呉明益著 読了。マジックリアリズムと評されるが、頭に浮かんだキーワードは「記憶」と「喪失」。近過去に関連して想起される感情は国内外で変わることはないと気づく。

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2019/03/11

1979年台北、まだ聳え立つような高層ビルも珍しかった頃。今はなき「中華商場」の各棟を繋いだ歩道橋の上で、焼餅、金魚に作業靴、色とりどりの商品を並べた物売り達の中で一際異彩を放っていたのが、そう、魔術師の彼だった。商場を駆け抜ける我々の足も彼の前ではピタリと止まり、次々と繰り出さ...

1979年台北、まだ聳え立つような高層ビルも珍しかった頃。今はなき「中華商場」の各棟を繋いだ歩道橋の上で、焼餅、金魚に作業靴、色とりどりの商品を並べた物売り達の中で一際異彩を放っていたのが、そう、魔術師の彼だった。商場を駆け抜ける我々の足も彼の前ではピタリと止まり、次々と繰り出される奇術に魅了されー。魔術師に惹かれた少年時代を懐古する登場人物達。まるで生きているかのようだった黒い小人、3ヶ月もの間忽然を姿を消した少年、不幸を予測した石獅子、着ている間だけ懐かしい人々が会いに来てくれた着ぐるみ、透明な金魚、蘇りかけた文鳥…。 短編を読み進む程、現実と幻想の境界が曖昧だった頃の自分を思い出せずにはいられない。そういえば、自分も「不思議な力がある」と言って転校生の白鳥さんから渡された、青いビー玉を後生大事に持っていたなぁ。そんな自分が堪らなく懐かしく、そして愛しくなる一冊だった。文体は淡白なのに強烈な感情を想起させられる点で非常に力強さを感じさせる作者、他の作品も是非読んでみたい。

Posted byブクログ

2019/02/15

初めて読む台湾を舞台にした小説。なのにどこか懐かしい。商場の風景が目に浮かび、漂う食べ物の匂いや人熱が感じられるよう。リアルとファンタジーが交錯する物語。いつの間にか商場の、台北の風景に馴染み、商店の家の事情や子ども達がどう成長したかを知る。そしてそれぞれの物語で存在を残す「魔術...

初めて読む台湾を舞台にした小説。なのにどこか懐かしい。商場の風景が目に浮かび、漂う食べ物の匂いや人熱が感じられるよう。リアルとファンタジーが交錯する物語。いつの間にか商場の、台北の風景に馴染み、商店の家の事情や子ども達がどう成長したかを知る。そしてそれぞれの物語で存在を残す「魔術師」。どこか村上春樹のようだと思ったら作品中に氏の名前が出てきたのでおそらく作者は影響を受けているのだろう。通り過ぎた時代、幸せに満ちているわけではないけど夢に見ているような素敵な物語が続く。魅力の一端は翻訳の素晴らしさもあると思う。文章が巧く、日本語が美しい。この作家とこのコンビで出される本を追いかけたい、そう思わせる、久々に素敵な作家に出会った幸せを感じた一冊。 追記:そんなことを考えて次の「自転車泥棒」を今読んでいるところだが、今日(2/13)翻訳者の訃報を知る。これから呉明益氏だけでなく多くの台湾・中国ほかの華文系の作品を彼の翻訳で紹介して欲しかった。合掌。

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2018/12/05

台湾好きの友人に紹介されました。芥川賞系の小説です。日本の昭和の匂いがします。ガサツな私には繊細すぎる気がしました。

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2017/10/22

すべてが謎のまま終わる。だから魔術師なのかなあ。色んな人の小さいころの記憶をつなぎあわせて、不思議な世界を描いている。一つのようで一つじゃない。個人の歴史はそれぞれなのかも

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2017/02/10

同じ時期に中華商場で幼少期を送った子どもたちが、当時のことを振り返る連作短篇集。ただし、登場人物が密接に絡み合うということは少なく、圧倒的な存在感で絡んでくるのは中華商場という場です。そこでマジックを見せていた謎の男。彼は種も仕掛けもある手品を見せていたのか、それとも本当に魔法を...

同じ時期に中華商場で幼少期を送った子どもたちが、当時のことを振り返る連作短篇集。ただし、登場人物が密接に絡み合うということは少なく、圧倒的な存在感で絡んでくるのは中華商場という場です。そこでマジックを見せていた謎の男。彼は種も仕掛けもある手品を見せていたのか、それとも本当に魔法を使えたのか?

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2016/09/29

なかなか良い本でした。 読んでから何年もたつので忘れたが、ありえないような話もあって マジックリアリズムとも言えました。 また当時の空気をよく描けていると思いました。

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2016/07/30

今はもう取り壊された.台湾の一大繁華街商場に暮らす人々の子供の頃の思い出を描いた連作.商場のつをつなぐ歩道橋には物売りで溢れていて不思議なマジックを見せる魔術師もいる.全体的我々の子供の頃の昭和の懐かしい雰囲気と重なるところはあるが,日本とも欧米とも違う少し不思議で独特な台湾ノス...

今はもう取り壊された.台湾の一大繁華街商場に暮らす人々の子供の頃の思い出を描いた連作.商場のつをつなぐ歩道橋には物売りで溢れていて不思議なマジックを見せる魔術師もいる.全体的我々の子供の頃の昭和の懐かしい雰囲気と重なるところはあるが,日本とも欧米とも違う少し不思議で独特な台湾ノスタルジーに彩られている.

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