紙の動物園 の商品レビュー
中国系アメリカ人の作家が描く15のSF短編集 表題作と日本人の精神性に触れた物語が一番心に残った 「紙の動物園」 親の心子知らず 孝行したい時に親はなし 日本の諺が頭に浮かんだ 親子の関係性 今の自分に直球で返ってきた 「もののあはれ」 地球から脱出した人類 移住先に向かう途...
中国系アメリカ人の作家が描く15のSF短編集 表題作と日本人の精神性に触れた物語が一番心に残った 「紙の動物園」 親の心子知らず 孝行したい時に親はなし 日本の諺が頭に浮かんだ 親子の関係性 今の自分に直球で返ってきた 「もののあはれ」 地球から脱出した人類 移住先に向かう途中 アクシデントに見舞われる 日本人ヒロトは父から教えられた もののあはれを思い出し勇気ある決断をする 万物は流転し命あるものは全て儚い 古代から受け継ぐ自然や死への眼差し 私の心の中にもあるのか どこかにいってしまったのかわからない 他に 不老不死が幸せに繋がるのか問われる 「円弧」 「波」 子を亡くした喪失感を埋めるためアンドロイドを生み出すことに没頭する 「愛のアルゴリズム」 中国と台湾の複雑でシビアな関係 理解し信頼し合うことができない人間同士の悲劇をアメリカの諜報員の娘の視点で描いた 「文字占い師」 など 中国の文化の香りを感じながら 大切な人への想いが込められた物語全てに 深い余韻が残った
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表題作「紙の動物園」は全くSF色がなく、完全なファンタジーで驚いた。幻想小説という言葉がぴったりの作品ばかりで、日本人を主役にした作品以外ではSF感を感じなかったが一作目を読んですぐに名作の予感が感じられ久しぶりにワクワクしながら読めた。作品もそうだがこれは翻訳の巧さもあると思う。勝手に「三体」のような世界観を期待して読み始めたが、これはこれで非常に面白かった。というかこの作者は三体の翻訳にも携わっていたそうで、改めて著者の多才さに感じ入った。
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ケン・リュウは、中国生まれではあるが、11歳の時にアメリカに移住した中国系アメリカ人の作家。ジャンルとしてはSFとされている短編を多く発表しており、本書が、日本での第一短編集である。 私はケン・リュウという作家は知らなかったが、ある書評でこの短編を知り読んでみた。私がこれまでに読...
ケン・リュウは、中国生まれではあるが、11歳の時にアメリカに移住した中国系アメリカ人の作家。ジャンルとしてはSFとされている短編を多く発表しており、本書が、日本での第一短編集である。 私はケン・リュウという作家は知らなかったが、ある書評でこの短編を知り読んでみた。私がこれまでに読んだ短編集の中でもベストのいくつかに入るほど、自分にとっては面白いものだった。 15編の短編が収められている。印象に残った作品は多いが、やはり表題作であり、順番として最初に掲載されている「紙の動物園」が最も印象に残った。短編なので、筋を書くわけにはいかないが、このような物語があるんだ、という驚きと感動があった。その他にも、気に入ったものが多かった。 多作の作家のようで、日本で短編集も何冊か発表されており、長編も出版されているようである。順番に読んでいこうと思うが、とても楽しみ。
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表題作の「紙の動物園」が良かったです。包装紙を折り紙のようにして、動物を作ってそれに命を吹き込むところ、母がいろいろな苦労を重ねて今日に至っているところは感動しました。
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表題作がやばすぎるSF短編集 魔法のような母さんの折り紙だけがずっとぼくの友達だった なんて美しい物語だろう 子供の頃に読めば反抗期は終わり 大人になって読めば親に会いたくなり、子供が愛おしくなる SFとファンタジーにしかできない物語がこの本にはある
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あぁ、これは好きだな。「紙の動物園」感動系SFとでも言おうか。母の孤独。母の息子への想い。じいんと来た。魂を揺さぶる。「もののあはれ」も情緒的。俳句や漢詩を織り込みながら、西洋とは違ったヒーローを描いている。不思議で魅力的な世界観。読了したい。
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SFのレーベルから出てるし、SFっぽい話が多いから、一応ジャンルはSFなんかな?1話が程よい長さで、訳もきれいで読みやすいんだが、全体的に社会風刺がビシビシなので、読んでで楽しくはない。が、おもしろかった。1話ずつ、間を開けて読んだ方がよいと思う。あと、デット・チャンみたいやな〜...
SFのレーベルから出てるし、SFっぽい話が多いから、一応ジャンルはSFなんかな?1話が程よい長さで、訳もきれいで読みやすいんだが、全体的に社会風刺がビシビシなので、読んでで楽しくはない。が、おもしろかった。1話ずつ、間を開けて読んだ方がよいと思う。あと、デット・チャンみたいやな〜と思いながら読んでたら、作者注でデット・チャンについて語ってたし、あと訳者さんも同じでしたわ。
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ケン・リュウの作品はテーマがストレートに描かれていてわかりやすい。ディズニー映画級にわかりやすい。日本人が主人公の表題作など顔が赤らんでしまうほどだ。 わかりやすく説明的に描かれている分想像の余地は当然薄れてしまい、自分的には物足りなさを感じてしまう要因となるのだけれど。 SF味...
ケン・リュウの作品はテーマがストレートに描かれていてわかりやすい。ディズニー映画級にわかりやすい。日本人が主人公の表題作など顔が赤らんでしまうほどだ。 わかりやすく説明的に描かれている分想像の余地は当然薄れてしまい、自分的には物足りなさを感じてしまう要因となるのだけれど。 SF味の薄い「文字占い師」のような作品の方が印象に残っています。空虚なただの言葉であるはずのものが強カな力をもち人々を動かしはじめる。ル・グインを思わせる読後感。言葉は大事に使わないとね。 ラストのオカルト・スチーム・パンクといった趣の「良い狩を」が哀愁もあり一番おもしろいかな。
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第68回ビブリオバトルinいこまテーマ「みのり」で紹介された本です。チャンプ本。 2019.9.29
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ケン・リュウは初見だったが思ったより情緒的で、ハードSFを期待して読み始めた自分にはちょっと合わなかったなと思いつつ読み進めたが、テッド・チャン(大好き)にインスパイアされたという2作品はとてもよかった。とくに「1ビットのエラー」は扱っているテーマも描き方もすごく好みだった。大変...
ケン・リュウは初見だったが思ったより情緒的で、ハードSFを期待して読み始めた自分にはちょっと合わなかったなと思いつつ読み進めたが、テッド・チャン(大好き)にインスパイアされたという2作品はとてもよかった。とくに「1ビットのエラー」は扱っているテーマも描き方もすごく好みだった。大変SF的な現象が「普通の」事実とつながることで、現実とフィクションがつながる感覚が好き。 あとがきによると作者にとって重要な位置づけの作品らしく、それもまたうれしい。
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