北斗 の商品レビュー
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この作者は、どうしてこんなにも、心の奥底をえぐってくるのでしょう。 誰にも知られたくない、秘密にしている事柄を 容赦なくあからさまにしていく。 読んでいる方の心が痛くなるほどに。 虐待被害者であった主人公が、殺人犯になってしまう。 前半は、主人公が虐待されていた過去と、愛してくれる人に出会い、幸せを手に入れた生活、 後半は、その幸せが壊れてしまってい。殺人を犯し、その判決が出るまで。 主人公の目線で、淡々と、進んでいく。 それが、どれほど目を覆いたくなるような事であっても。 そのせいなのでしょうか。 読みすすめるのに結構時間がかかった。 ひとつひとつが重く、辛く、人間の残虐さ、自分の中にもあるものを、いちいち見つめなおさせられながら読んでいたからなのかもしれない。 あとがきにあるように、作者は、実際に虐待被害者と言われる人々と、真摯に話を聞き、全てを受け止めてきた経験を持つ。 だからこそ、リアルで、読んでいてきつい。 でも、そのきつい体験を実際にしてきた人がいるのも事実なんだ。 人間という生き物は、複雑だ。 時に残酷で、時に慈悲深い。 社会的ネグレクト。 日本という国の問題。 頭で考えるとわからなくなる。 頭で考えるのではなく、心が感じたように行動できれば、悩みも後悔もないのかもしれない。 日本人は「愛してる」という言葉を伝えるのが苦手ですよね。 私自身、記憶の中で家族から言葉でそう言われた事はありません。 「恥ずかしくて言えんわ!」 というのが、たぶんワタシん家の家族の心情でございましょう。 ええ、ワタシも言えません。面と向かっては。 そして、日本人は、ハグも苦手ですよね。 実際、自分の親兄弟をハグしたこと、ないと思います。されたこともないかも・・・ あぁ、でも、おとんの膝に乗りまくってたので、あれはセルフでハグされにいってたようなもんで、それをおとんも拒否しなかったということは、自然にハグされてたようなもんなんかもしれませんね。 あぁ・・・自分は愛されていたんだなぁ と 今ちょっと目から汗が・・・ 甥っ子がまだまだちびっこだった頃には、ハグしまくってました。 最近はさせてくれません。下のちびっこはまださせてくれるかなぁ・・・ こないだ、おかんの誕生日に「おばーちゃん誕生日おめでとう」って、ワタシのおかん=甥っ子のばーちゃんをハグしたらしいので・・・・ おかんが自慢げに電話したら話してたw てーことは、おかんはハグされたら喜ぶんか?今度実家に帰ったらやってみる・・・? 上のちびはもう嫌がる・・・・恥ずかしがる が 正解? 実際の所、大人になってから、友だちとか、ハグしまくってる気がします。 セクハラじゃないヨ。 案外みんな嫌がりません。ハグしかえしてくれます。 落ち込んでる時とかハグされると、涙がでそうになります。 ハグされるって、体の奥底がとろけるような感じで、癒されます。 この本の主人公の北斗は、里親の綾子さんに出会ってから、暖かい、とろけるような愛を感じる事ができるようになった。 後半で、実母にあったとき、歪んでいるけれども、愛されていたんだ と気づいた。 愛というのは、色んな形がありますね。 でも、できることならば、歪んだ愛よりも、分かりやすい愛でお願いします。 せっかくの物語なのに、脱線して終了。 スマヌ・・・・・・
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約2週間、端爪北斗と生活して沢山のことを学ばさせていただいた。 私の考えも交えて書いているので、お気に召さない方は、、うーーん、、頑張ってください、、、 ----------------------------- 初っ端「端爪北斗は誰かに抱き締められた記憶がなかった。」一体全体、こんな衝撃的な始まりは無い。炊飯ジャーのご飯、自動販売機の温もり、帰宅までの遠い夕日、どれも人じゃない幸せ。人からの幸せ(愛)を代替出来るものを探していたのだろうと胸が痛くなった。 虐待の描写は、ページをめくる度に加速し、手が動かなくなって涙がこぼれた。小さな北斗に起こる有無を言わさない罰。 自分自身を愛せなかったら、自分の血が流れてる言わば分身、子も愛せない。毒親は連鎖すると言うが、綾子が死ぬ間際のお花見で、「あなたは最後にはお父さんに負けなかった。それを証明するには、しっかりと自分の子どもを愛して育て上げなくちゃいけない。北斗くんには絶対できるからね。」がとても印象的で、連鎖を断ち切ることは叶うが、あばらの道だと考えが改まった。 四日目の法廷、北斗が水の中で泣いている北斗自身の涙に気づけて本当によかった。 自分自身が本当の気持ちを感じないまま過ごすのは、死んでいるのと同じ。明日美ちゃんの「生きて」に込められた力でやっと、死に続けてた北斗が生き返った。しかし、2人の犠牲者を生み出さなければ、北斗を生き返らせるピースが揃わなかったこと、救いがないように思える。 北斗と同い年の私が人を殺さずに生きているのは、周りの人の沢山の軌道修正のおかげなんだと痛感した。殺人者は悪魔の様に見えるが、ほんの少し前までは何の変哲もない一般人だったのだ。私も1年後被告人になっているかもしれない。 人を殺さないのも偶然、人を殺すのも偶然。全て瞬間の積み重ねで起きてしまう。ならこの世からいじめが無くならないように、虐待も無くならないのだろうか。きっと、表裏一体なんだと思う。だからこそ、関わる全ての人に少しでも優しくありたい。 世の犯罪の裏側、司法の意義、秘密裏に蔓延る虐待、北斗と共に学べたこと感謝します。多くの経験から生み出されたこの本に敬意を込めて。素敵な時間をありがとうございました。 【この本に出会ったきっかけ】 SNSで約1年前ほど出会った人のオススメ。 誰かの好きな本、映画、音楽。それらを知ると、その人の目を通して世界を見れるようで。彼は、大人になることが不安に感じる私の数少ない、大人に希望を見い出せる存在だ。 オススメされた本は読んだ後に、考えを共有することができて、一層思考が深まる。私の誇れる趣味の一つだ。 【追記】 ・ifもしも私が登場人物だったら 私はわがままに生きてきたから、美沙子なら至高と離婚して(殺すと脅されても私が先にしてるはず)、温かなご飯を息子にお腹いっぱい食べさせたい。そして北斗なら自殺していたと思う。 私は母親の偉大さを知った。私が生まれてすぐ、父親の借金が発覚したらしい。愛した男と家庭を築く決意を放棄してまで、私を守り育ててくれた母は誇りだ。父親の顔は3歳頃のクリスマスの思い出で最後だ。顔も声も温もりも、最後まで記憶に残る匂いも、覚えてない。というより、そんなものあったか?まるで、精子提供を母が望んで生まれたくらい興味が無い。父親ではなくて、ただの遺伝子。きっとそう思えるのは、母の愛あってこそだと感謝してもしきれない。 母に、もしも美沙子だったらどんな行動をとったのか聞いてみた。その答えでもっと好きになった。
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産まれてからずっと壮絶な虐待を受けてきた主人公。奇跡的に大人になれた。 彼は初めて愛してくれる人に出会えたが、詐欺によりその人の金を奪われ病気で亡くしてしまう。 詐欺の相手に復讐しようと試みる彼は殺人者になる。 ここから逮捕、裁判という流れで彼も知らなかった過去を知ったり、もはや求めていない人の優しさに触れる。 終始辛いお話でした。 子どもを虐待する話は文字でもしんどいですが、裁判中の証言で乳児の頃からと知りおかしくなりそうでした。 サイコパスと言えばそうなのでしょうが、精神病院に行ったほどなので至高はずっと病んでいたのかもしれません。彼に付き合い続けた母親は最低ですね。 子と一緒に逃げる選択をしなかった理由が描かれていなかったのでこいつがクズだと思います。 美談のようでしたが北斗の弁護士は役者でした。第三者が世の中のニュースで信じられない判決を見たときに活躍するのは彼のような弁護士なのでしょう。 人を2人以上を殺して死刑以外の判決が出たニュースにはそのようなメッセージを煽っているように思っています。 北斗も同じ考えかと思います。 違うストーリーできちんと生田を殺してほしい。
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圧倒的な表現と一切無駄のない描写で、端爪北斗の約20年の壮絶な人生を見届けた思いがした。文庫本578ページの重みと、開いた時の行間の狭さに一瞬たじろいたけど、読み始めてすぐ引き込まれ目を離すことができなくなった。 虐待児童の報告件数は、最新の調査で約22万件だそう。こんな現実があ...
圧倒的な表現と一切無駄のない描写で、端爪北斗の約20年の壮絶な人生を見届けた思いがした。文庫本578ページの重みと、開いた時の行間の狭さに一瞬たじろいたけど、読み始めてすぐ引き込まれ目を離すことができなくなった。 虐待児童の報告件数は、最新の調査で約22万件だそう。こんな現実があることは聞いていたけど、普通の家庭で育った自分にとっては、その想像すら絶する環境だった。自動販売機が温かいなんてことに、一体どのくらいの人が気づくことができるんだろう。 でも北斗のストーリーは、その虐待から脱した時点では半分も終わってなかった。終始ぶれない視点で、彼の20年間を見つめることができた。 週末の2日間で読了。こんなに引き込まれたストーリーはほかにないかもしれない。
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途中から、なんの話なんだろう、と思いながら読んでいた。虐待をサバイブした主人公が殺人を犯してしまった話? そんなポルノみたいな小説を石田衣良が書くはずない。事件が起きてもまだ200頁以上残っている。これはなんの話なんだろう。衣良さんはなんのためにこの話を書いたのか。 裁判の、...
途中から、なんの話なんだろう、と思いながら読んでいた。虐待をサバイブした主人公が殺人を犯してしまった話? そんなポルノみたいな小説を石田衣良が書くはずない。事件が起きてもまだ200頁以上残っている。これはなんの話なんだろう。衣良さんはなんのためにこの話を書いたのか。 裁判の、司法の可能性の話なんだと気づいたとき、本当に震えました。弁護人は北斗の境遇を理由に彼をとことん弁護する。検察は被害者二人のあげられない声の代わりに無念や怒りを淡々と訴えつづける。揺さぶられる北斗。虐待を生き延びるため心を殺すことに長けた北斗の、岩のように頑な心を、揺さぶる力が裁判にはあった。あるんだ、と、これまで考えたこともなかった、司法にかよう人の血の熱のようなものを感じました。裁判制度を築き、守り、迷いながらもつないできた人々の想いがわかった。裁判の意義がわかりました。ひとを裁くことはひとを生かすことなのだとわかった。実際の生き死にとはべつに、加害者を自分の心のほんとうの核と向き合わせること、逸らそうとする目の瞼を切り取るみたいな、被害者遺族の想いを汲んだ上での強烈なパワーを唯一実行できるのが裁判。そうなんだ。うまく言葉にできなくて悔しい。 衣良さんはいつも光を書くな。
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今年はまだあまり読めてないですが、今年1番じゃないかなと。読み始めると話に入り込み…北斗の幸せを願い、最後まで裁判を見届けました。 以前死刑制度について書かれた本を読んだ事を思い出しました。きっと北斗は毎日被害者を思い出し、反省し、裁判長に言われた通り、日々罪を償い生きていく。きっとこれが本当の償いなのではないかなと私は思います。 虐待、復讐、死刑制度、様々な事を考えさせられるとても重い一冊でしたが、本当に読んで良かったと思います。
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上司の勧めで読んでみた。今年に入って既に百冊近い本を読んだが、その中でも五本、否、三本の指に入る傑作中の傑作であった。 この世全ての不幸を煮詰めて凝縮した果てで、取り返しのつかない罪を犯し無辜の人々から怨まれ死を願われる。主人公・北斗は自身生きる意味を見失い、態と己の不利に...
上司の勧めで読んでみた。今年に入って既に百冊近い本を読んだが、その中でも五本、否、三本の指に入る傑作中の傑作であった。 この世全ての不幸を煮詰めて凝縮した果てで、取り返しのつかない罪を犯し無辜の人々から怨まれ死を願われる。主人公・北斗は自身生きる意味を見失い、態と己の不利になるように振る舞うが、それでも北斗を生かす為に死力を尽くす人達が居た。 これ以上無い不幸のどん底で、それでも生を勝ち取る意味とは。生半可な覚悟では迚も読めない。本作の読者は北斗と共に主題に真剣に立ち向かう意志を要する。
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一生続く地獄の中に時折見せる人の温かみが心に沁みました。自分が思ってるよりも、周りには自分の力になりたい、そう考えてくれてる人がいる。北斗のこの先の人生に幸せだと思えることだけが起こるといいのに。 読むのにすごくエネルギーが必要で今すごく疲れてます。でも読んでよかった
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やっと読み終えて、ホットしたのが実感です。北斗君の心がようやく見えてきた最終章、彼の将来が見えて良かった。 トラウマと言うことばがありますが、この物語を通じて、そのことばは甘く感じます。 内面に閉じこめられた親からの虐待は、決して消えることがないことは、1人の親として悲しい現実と...
やっと読み終えて、ホットしたのが実感です。北斗君の心がようやく見えてきた最終章、彼の将来が見えて良かった。 トラウマと言うことばがありますが、この物語を通じて、そのことばは甘く感じます。 内面に閉じこめられた親からの虐待は、決して消えることがないことは、1人の親として悲しい現実と思います。
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