ジブリの教科書(9) の商品レビュー
大好きな「耳をすませば」のこの本を読まなきゃ知らなかった話がてんこ盛りでホクホクしてる。自分は気づくことのできなかった視点からの感想や、原作者の柊さんのお話を読んでさらにこの作品が大好きになった!ジブリの教科書ありがたい…。早くジブリパークの地球屋に行きたいな〜。
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これまで出会うことのできた色々な作品のなかで、わたしの1番大好きな作品、『耳をすませば』。 『耳をすませば』が好きな人にとって、製作に関わった人の声、まつわる話、そういう特別なものが詰め込まれた最高の1冊だと思う。 そして何より『耳をすませば』を知れば知るほど、監督が、近藤喜文さ...
これまで出会うことのできた色々な作品のなかで、わたしの1番大好きな作品、『耳をすませば』。 『耳をすませば』が好きな人にとって、製作に関わった人の声、まつわる話、そういう特別なものが詰め込まれた最高の1冊だと思う。 そして何より『耳をすませば』を知れば知るほど、監督が、近藤喜文さんだったことに、言葉では表せないほどの幸福、感謝を感じざるを得ない。
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この映画を観た小学生の当時、本が好きって普通のことなんだな、と思った。周りに取り立てて本好きの友人がいなかったため、そう思ったのだろうが、この時確かに雫に憧れ自分も小説を書いてみようとしたことを思い出した。もう少し大きくなると、ラストシーンへの憧れや甘酸っぱさに目が行きがちだった...
この映画を観た小学生の当時、本が好きって普通のことなんだな、と思った。周りに取り立てて本好きの友人がいなかったため、そう思ったのだろうが、この時確かに雫に憧れ自分も小説を書いてみようとしたことを思い出した。もう少し大きくなると、ラストシーンへの憧れや甘酸っぱさに目が行きがちだったが、夢に向かって真っ直ぐに頑張る雫と聖司の姿がとてもカッコ良かった。 そんなピュアな気持ちを抱いたことを忘れてしまっていたことに、本書で気づかされた。 制作秘話が毎回楽しみ。
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ナビゲーター・朝吹真理子 窓は開かれている Part1 映画『耳をすませば』誕生 スタジオジブリ物語 近藤喜文初監督作品 『耳をすませば』と『On Your Mark』★ 鈴木敏夫 「四十五歳の新人監督」近藤喜文が泣いた夜★ 宮崎駿 なぜ、いま少女マンガか ~この映画の狙い~★ Part2 『耳をすませば』の制作現場 [監督] 近藤喜文 ぼくらが「耳」で伝えたかったこと★ 近藤喜文 フィルモグラフィー 対談 近藤喜文(監督)&柊あおい(原作) 好きな人に会えました★ [作画監督] 高坂希太郎 新規インタビュー タイプの違う監督のもとで [美術監督] 黒田 聡 新規インタビュー 安堵と後悔。忘れられない作品 [撮影監督] 奥井 敦 新規インタビュー 新たな撮影台の活用とデジタルへの挑戦 [音楽] 野見祐二 ジブリの音楽はズレから生じる 主題歌 カントリー・ロード [プロデューサー・脚本・絵コンテ] 宮崎 駿 ありきたりであることの大切さを伝えたかったんです★ 月島雫が思い描いた「バロンのくれた物語」 「バロンのくれた物語」美術 井上直久 インタビュー 画面に広がる「イバラード」は現実の世界を描いたもの■ 出演者コメント 月島 雫/本名陽子 天沢聖司/高橋一生 雫の父・月島靖也/立花 隆 雫の母・月島朝子/室井 滋 地球屋主人・西 司朗/小林桂樹 雫の姉・月島 汐/山下容莉枝 Part3 作品の背景を読み解く ・viewpoint・川本三郎 多摩で育った新しい子供たち from overseas マテウシュ・ウルバノヴィチ ぼくが『耳をすませば』に魅かれる理由 乙一 『耳をすませば』ごっこ 藤本由香里 世界と時間をつなぐ音 井上ひさし 月島雫はなぜ「開発」と書いたか――現実を受け止める力強さ―― 成井 豊 出演者の一人として、いくつか思い出を 大塚英志『耳をすませば』解題 出典一覧 近藤喜文プロフィール 映画クレジット ■鈴木敏夫インタビュー。監督中心主義から企画中心主義へ。佳品商品路線。絵コンテのサイズ変更。駿は身体が先に動く、近藤のほうは動揺を受け止めた上で、考える子になっている。駿は「バロンのくれた物語」で演出すると言い出した。カントリーロード、ジョン・デンバーの詩では、故郷に帰ろう。鈴木娘の訳詞では、家出した故郷へは帰りたくても帰れない。訳をめぐって駿と近藤は対立したが、近藤が故郷を捨てて来たという事情もあって。 ■駿、この映画の狙い。なぜ、いま少女マンガか? ■近藤インタビュー。この、人の好さが現れているインタビュー、よき。いい顔をしている。原画の人にのびのびと描いてもらったほうがいいかな。現実よりほんの少しだけきれいな街並みに。雨上がりとか。夕子と杉村はEDで。結婚してくれ、について。自分の青春に悔いを残している部分と、親である部分と、半分。 ■柊と近藤の対談。原作はあこがれ、映画は現実。見つめ合うのではなく、二人で並んで遠くと見つめる。思春期を主人公に、トトロのいないトトロ。 ■美術監督の黒田聡。影の多用。キャラクターにも影。 ■駿インタビュー。故郷とは。生きている瞬間を楽しむべし、それを共有しよう。 ■井上直久「イバラード」の美術。 ■大塚英志。世代差で熱中しきれない。宮崎と24年組はむしろ近い。宮崎は「紅の豚」のリハビリとして、大公することなく回復する過程として、少女まんがを語り直した。往路として紅の豚、帰還のみの物語として耳をすませば。退行なき回復。駿は、安全圏庇護で何も始まらない、と原作を厳しく批判するが、とりもなおさず紅の豚のポルコを批判している。販促。だからこそ外で成長する枠組みを強引に導入。もしも、その少年が職人を志していたら……。駿には珍しく「働く」ではなく「学ぶ」ことが求められるヒロイン。そして退行がない=死の表象がない、ということ。帰路だけの物語。さらに、ライナスの毛布は不在。駿は、ことばにならないことばを言語化することに腐心した少女まんがの歴史を顧みない。また身体性、性の問題を、魔女の宅急便では扱ったのに、今回は。成長の不安に駆られる身体ではない、キャラクターにとどまっている。原石について言うが、原作と映画化について言っているかのようだ。
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今回の「解題」はこれまで以上に辛口だったのでびっくり。 作品がどうのというより、宮崎駿監督の少女漫画観批判という印象。 『耳をすませば』に出てくる図書館が好き。 雫が一心不乱に勉強し始めるシーンは何度見てもワクワクする。 旅行鞄を持って旅に出るよりも、書物の中に潜る旅の方が興奮...
今回の「解題」はこれまで以上に辛口だったのでびっくり。 作品がどうのというより、宮崎駿監督の少女漫画観批判という印象。 『耳をすませば』に出てくる図書館が好き。 雫が一心不乱に勉強し始めるシーンは何度見てもワクワクする。 旅行鞄を持って旅に出るよりも、書物の中に潜る旅の方が興奮してしまう。 『耳をすませば』は心ときめく少女漫画でありながら、家や家族の描写はとてもリアルだと思う。 雫の住む団地の暗さや、ものが収納しきれていない感じはとても懐かしい。 この空気を私は知っている。むしろ染み込んでいる。 お父さんと雫が話すシーンは、雫の態度とお父さんの抑えた口調がリアルだなぁと思う。 静まり返った空気の中でポツリポツリと交わされる言葉のもつ重みが私の知っているそれととても近い。 これも知っているなぁと思う。 そんなよく知っている日常が、よく知らないキラキラした非日常(突然の演奏会やら、プロポーズやら)に入り込む足掛かりになっている。 最初は見るのが恥ずかしかったラストシーンがだんだん微笑ましくなってきたのは、加齢による変化なのか単なる慣れなのか…。 それにしても、「カントリー・ロード」の訳詞が鈴木さんのお嬢さんの作だったとは! 大好きな詞なので、巡り合わせの奇跡に感謝! 宮崎駿監督の手直し部分も含めて大好きです。 近藤監督ごめんなさい。
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昨年末『エヴァンゲリオン』の評論などを読んで興味深く、作品の裏側を知る楽しみを知った。 「耳をすませば」が好きなので、購入してみた。 ジブリ映画「耳をすませば」製作秘話や解題など。 おもしろかった~。 印象に残ったのは、 ・近藤喜文監督が「カントリー・ロード」の訳詞の不採用になった部分に自分を重ねていたこと(鈴木敏夫「四十五歳の新人監督」近藤喜文が泣いた夜) ・宮崎駿監督がかなり我が強いこと(随所) ・「ジブリの音楽はズレから生まれる」(野見祐二) ・かげがベタ塗りでリアル、丘の上と下が象徴的(マテウシュ・ウルバノヴィチ「ぼくが『耳をすませば』に魅かれる理由」) ・大塚英志「『耳をすませば』解題」 など。 解題を読んでいて、そんなこと!と思ったけれど、そういう受け取られ方をするのは、作品にもその理由があるのだ。 理由のないものは、作品には登場しないのだから。 次に映画やコミックをみるときには、視点が増えそう。
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