リボン の商品レビュー
小川糸らしい、上品で優しくて切ない世界観。 髪の毛の中で卵を温めた「すみれちゃん」や、絵本作家の「美歩子先生」のような、上品で丁寧に暮らしているおばあさんがステキ。 黄色いオカメインコがつなぐ、優しいお話。 少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコだった。二人...
小川糸らしい、上品で優しくて切ない世界観。 髪の毛の中で卵を温めた「すみれちゃん」や、絵本作家の「美歩子先生」のような、上品で丁寧に暮らしているおばあさんがステキ。 黄色いオカメインコがつなぐ、優しいお話。 少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコだった。二人はリボンと名づけ、かわいがって育てるが、ある日リボンは飛び立っていってしまう。その後リボンと出会った人々は、この小鳥に心を寄せることで、生きる力を取り戻していく。人々の絆を描く感動作。
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頭で卵を孵すっていう平和なおとぎ話かと思ったら切ない現実と入り混じる不思議な話。リボンがヒラヒラと彼らに寄り添っては旅立つ感じが優しい。リボンの意味は掛かってるんだね。
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少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコはリボンと名付けられ大切に育ていた。しかしある日リボンは飛び立って行ってしまった。その後リボンと出会った人々は生きる力を取り戻していく。 はじまりはリボンが生まれる前の風変わりな祖母と純粋な少女の日常。その後はリボンと思...
少女と祖母が大切に温めた卵から孵ったのは一羽のオカメインコはリボンと名付けられ大切に育ていた。しかしある日リボンは飛び立って行ってしまった。その後リボンと出会った人々は生きる力を取り戻していく。 はじまりはリボンが生まれる前の風変わりな祖母と純粋な少女の日常。その後はリボンと思われる黄色い鳥が色々な人の前に現れる短編小説で章ごとに色々な人の視点から物語が進んでいくのはとても新鮮で面白いと思いました。 どの章も好きだけど小鳥がスエヒロと呼ばれている章とラストの再会の章はやっぱり印象的だった。スエヒロと呼ばれていた時の出会いと空気感はとても落ち着いていて人がなくなるのだけど澄んでいる印象があり何度か読み返したくなるお話でした。 再会の章では前に進めなくなった人やどうしょうもなく苦しいと思っている人におすすめ、リボンは青い鳥のように幸せを運ぶというわけではないが元気や勇気をくれ、そっと背中を押したりさすってくれる寄り添ってくれる鳥なんだと感じました。 全体を通して透き通っていてせつなくて、だけど前向きなれる、そんな小説です。最初はゆったりとした空気から話の展開があまり動かないからと読みにくいと感じる人も多いとおもいますが動物が好きな人なら読んでみてはいかがでしょうか?
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人生は時として、残酷で悲しい出来事が起きるけれど、その中でどうにか光を探すため、もがきながら前に進む人たちが描かれています。いろいろ人にさまざまな形でリボンが関わっています。 小川糸さんは、あたたかくも優しい、メルヘンだけどその様子が感じられるような表現をされるので、とても好きで...
人生は時として、残酷で悲しい出来事が起きるけれど、その中でどうにか光を探すため、もがきながら前に進む人たちが描かれています。いろいろ人にさまざまな形でリボンが関わっています。 小川糸さんは、あたたかくも優しい、メルヘンだけどその様子が感じられるような表現をされるので、とても好きです。
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ページが進むにつれて切なくなってきて、心がキュッと締め付けられていく。 でも、リボンにはリボンの鳥である人生があったんだ。 すみれちゃんとひばりさんの絆がまた泣けてくる。
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すみれちゃんと、ひばりさん。あたたかくて優しいふたりの愛情で包まれた誕生から、様々な人の人生を巡って寄り添う鳥のリボン。 個人的にはたった10ページのはるとくんのお話が、まるで本当に自分にあったことのようにリアルに描写が流れ込んできて胸が詰まる思いでした。その後からは別の鳥のお...
すみれちゃんと、ひばりさん。あたたかくて優しいふたりの愛情で包まれた誕生から、様々な人の人生を巡って寄り添う鳥のリボン。 個人的にはたった10ページのはるとくんのお話が、まるで本当に自分にあったことのようにリアルに描写が流れ込んできて胸が詰まる思いでした。その後からは別の鳥のお話かな…?と思いながら読み進めていたので、最後の章で、これが実は長いスパンの物語で、リボンも20年もの時を経ていたことを知ってびっくり。えっ、じゃあどうしてあの時はあんなところにいたの?ってなる。笑 ベルリンの話はすみれちゃんという人を知る上で大切なエピソードだったのだろうけれど、章が離れすぎていたからか唐突な気がしてしまい、なんだかうまく内容が入って来ず残念。。 ただ、ひばりさんの旅路の間、どうしてかは分からない、感情に名前のつけられない様な、不思議な涙がぽつぽつと溢れて自分でも驚きました。 鳥のリボンでもなく、誰が主人公とも言えないけれど、うまく言えない『繋がり』を感じる。そんな不思議な気持ちになるお話でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ひばりさん、すみれちゃんの年齢と家族を超えた友情が素敵。リボン誕生までの2人の時間の描写がとても繊細で美しくて何度でも遡りたくなる。 リボンがいろんな人へ勇気を与えて回り回った末、ひばりとの再会がたまらなく心打たれました。 話の流れやストーリーの展開が新しく感じ、いい意味で予想を裏切ってくる糸さんの文筆もすばらしい!
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素敵婦人の描写で、先生の右に出るものはいない。 今回のすみれちゃんもまた、バーバラ婦人、マドンナに匹敵する大地の母のよう。 小川糸ワールドは誰もが羨むような世界観がいつもある。読者にどう想像させるべきか、表現の引き出しの多さが半端ないからだと思う。 太陽を煮詰めたり、「小学生の切...
素敵婦人の描写で、先生の右に出るものはいない。 今回のすみれちゃんもまた、バーバラ婦人、マドンナに匹敵する大地の母のよう。 小川糸ワールドは誰もが羨むような世界観がいつもある。読者にどう想像させるべきか、表現の引き出しの多さが半端ないからだと思う。 太陽を煮詰めたり、「小学生の切なくてあたたかいきもち」は「海でおしっこをしたような」という言い方をする。 死生観もかなり色濃く、物語の行方が急に怪しくなるのも面白い。 オカメインコがあちこち行ってた下りにベルリンの話があり、締まった気持ちで読めた。 今回もまた素晴らしい作品でした。先生ありがとう…
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すみれちゃんとひばりさんがかえしたリボンが色んな人のもとに渡っては飛び立っていく短編集。おまんじゅうのようなほっぺ、滑り台カーブなど柔らかくてありありと情景が伝わってくる表現に心が和んだ。最後のベルリンの話のところは歴史の教科書に載っているだけだったことが急に身近に感じられた。も...
すみれちゃんとひばりさんがかえしたリボンが色んな人のもとに渡っては飛び立っていく短編集。おまんじゅうのようなほっぺ、滑り台カーブなど柔らかくてありありと情景が伝わってくる表現に心が和んだ。最後のベルリンの話のところは歴史の教科書に載っているだけだったことが急に身近に感じられた。もし自分が大切な人と離ればなれになったらきっとつらくて悲しくて悔しくて仕方なかったと思う。今自分が会いたい人に自由に会える幸せを噛み締めることができた。
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「すみれとひばりは永遠の仲間です。必ずや生涯、よき友でいられるでしょう。」この言葉がそうであったという確信が最後にできたことが、よかった。 リボンが次々に出会う人の中で、大切な存在になっていく様子や、リボンのいる場所で人とのつながりができたり、年月の流れとともにさまざまな物語が...
「すみれとひばりは永遠の仲間です。必ずや生涯、よき友でいられるでしょう。」この言葉がそうであったという確信が最後にできたことが、よかった。 リボンが次々に出会う人の中で、大切な存在になっていく様子や、リボンのいる場所で人とのつながりができたり、年月の流れとともにさまざまな物語が味わえた。
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