デビュー作を書くための超「小説」教室 の商品レビュー
小説における賞なるものがどのように選ばれているのかを、審査員の視点から語ってくれているのが面白い。決して多数決ではなく、ときにはその作品の完成度よりもいわゆる伸びしろが どれだけあるのかを見定めているのだという。 小説の評価は小説を書いた者でなければ分からないとか、よく書けて...
小説における賞なるものがどのように選ばれているのかを、審査員の視点から語ってくれているのが面白い。決して多数決ではなく、ときにはその作品の完成度よりもいわゆる伸びしろが どれだけあるのかを見定めているのだという。 小説の評価は小説を書いた者でなければ分からないとか、よく書けていて面白いが芯となる何かがないとか、そういう容易に言語化できないものが選考時に働いていることが分かった。 選考の際の客観性とか、必然性などを求めるのは文学賞には向かない。そもそも、受賞の有無で作品の価値を決めること自体間違っているのかもしれない。
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本書を読んで良かったと思うと同時に、私は一生作家にはなれないとわかってしまいました。 小説は、常に「新しい人」、「新しい作品」を探しています。ですが、私の作品はどこかで聞いたことがあったり、読んだことのある話ばかりです。そういった作品は、どれだけ文章が上手くても、オリジナリティ、...
本書を読んで良かったと思うと同時に、私は一生作家にはなれないとわかってしまいました。 小説は、常に「新しい人」、「新しい作品」を探しています。ですが、私の作品はどこかで聞いたことがあったり、読んだことのある話ばかりです。そういった作品は、どれだけ文章が上手くても、オリジナリティ、ぶっ飛んでいる部分がないと、ただの真似事になってしまう。 最近、ちょうど自分の才能の無さを痛感していたので、作家になる夢を諦めるいい機会になったと思います。ただ、どれだけ平凡でも、物語を作る楽しさはわかったので、ぼちぼち趣味でネットにUPしてゆるく楽しもうと思います
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琉球大学附属図書館OPAC http://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB18471992
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著者の新人賞を楽しみにしている姿勢が伝わって大変よかった。 小説を通史的に知っている人なので批評は一々的確。 楽しく読んだし、小説を書こうと思ったらまずは著者のその手の本は全部読むべきだと思う。
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あまり書き手の自由を奪うこと無く書くことをそそのかしつつそう言いつつも実際の選考ではどうなのかをも併録してあり、この人が選考している文学賞の雰囲気を知るのにはいいかもしれない。戸惑うかもしれないけれど、本来、書くことはそういうところからだと思う。
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なぜこの本を手に取ったのか。小説になりたいのか。確かに、表現する側になれればいいなあと思う。でも、強くなりたいと思っているわけじゃない。あるいは、そんなふうに思い込もうとしているのかもしれない。 「書く他者」と「読む他者」を育てる。書くことにつきまとう、恥じらいを意識する。「ただしい暴走」をする。 まだ、これらの言葉に「なるほど」と頷けるほどの人間ではない。でもいつか役に立つ日が来たらいいなあ。 最近、読めば読むほど、「わからない」ものが増えてきて、もどかしさがあった。 数々の新人文学賞の審査委員を務めていらっしゃる、著者である高橋源一郎氏は、片手には「地図」を持っているという。 地図。そうか。私は地図がほしかったのか。 歴史と地理がマッピングされた、文学史の地図。だから文学を学び、日々私の頭の中の地図に書き込んでる。 わからないことに悩むなんて、なんて傲慢やったんや。わからないのは当たり前。わからなくても考えることが大事。
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文学賞からのアプローチで,新人賞に応募する際の小説の書き方(書くことに対するイメージ)と高橋源一郎の文学賞選評をまとめている.各文学賞についてや,小説を書くことについて完全に無知な僕には非常に興味深かったし,小説を読む上で違う目線で読む面白さに気づくことができた.「小説になりうる...
文学賞からのアプローチで,新人賞に応募する際の小説の書き方(書くことに対するイメージ)と高橋源一郎の文学賞選評をまとめている.各文学賞についてや,小説を書くことについて完全に無知な僕には非常に興味深かったし,小説を読む上で違う目線で読む面白さに気づくことができた.「小説になりうるには何かが足りない」といった曖昧な選評が多く(これはしょうがないことだし,作者が考えるべきことだと思う),シビアな世界だと改めて感じた..
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・選考委員や編集者はこれまでの小説とは違う新しい小説を読みたい。だから応募する新人賞は、究極的にはどれでもいい。現実的には、あなたの触手が動いたものでいい。ただし次の2点に気をつける。1つは、流行を追わず、自分のテーマを追う。流行を追うのは、流行から自由ではない。2つは、賞の傾向が見えたら、真逆に突っ走るくらい反抗する。賞の傾向に寄せるのは、傾向から自由でない。 ・現代の小説は、小説の歴史、小説の地図から自由になった。小説には守るべきものがない。 ・新人文学賞で選考委員が読んでいるのは、作者が書いたものではなく、作者が書きたかったもの。あるいは、書かれるはずであったもの、これから書かれるものを読んでいる。 ・わからなくていい。わからなくても、面白いのがいい。わかるものばかり摂取している人が書く小説は、わかりやすくて楽な小説になる。小説は詠めなくていい、わからなくていい。選考委員は、わからないものについて延々議論するから。 ・ブレイクスルーのは、暴走できた時。正しい暴走ができると、ブレイクスルーする。
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具体的な方法論と言うより、「最終選考まで残った作品のどこを選考委員はみているのか」という話。 この中では、特に自分の作品を読者としてみる目の大切さは「確かに…」と思いました。自作小説の他にPBWのゲームマスターもしているおかげで、その種の客観性は身についてきたように感じています。...
具体的な方法論と言うより、「最終選考まで残った作品のどこを選考委員はみているのか」という話。 この中では、特に自分の作品を読者としてみる目の大切さは「確かに…」と思いました。自作小説の他にPBWのゲームマスターもしているおかげで、その種の客観性は身についてきたように感じています。 しかし、一番悩ましいのは、「暗い情熱」どころか怨念のこもった小説を今必死で書いているのですが、オリジナルではなく二次創作なので、文学賞に応募できないということなのですよね…。それでもどうしても書き上げたいという衝動の強さに引きずられて頑張っているのですが(とほほ…)。 とにかく、書き上げてしまわないと安心して死ねません。既に10万字オーバーで、これが文学賞に応募できたらなぁ…と涙ながらに書いています。 デビューできたところで後が続くとは限らないのがこの世界の厳しいところですが。
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日本の作家の新人賞の制度は欧米にはないようです。欧米では直接出版社に作品を送って読んでもらうか、作家が所属するエージェントをとおして出版社と交渉するとか。出版社からの不採用通知ばかりを集めた本があるようなので読んでみたいです。書かれたものと書かれるはずだったもの。選考委員は書かれ...
日本の作家の新人賞の制度は欧米にはないようです。欧米では直接出版社に作品を送って読んでもらうか、作家が所属するエージェントをとおして出版社と交渉するとか。出版社からの不採用通知ばかりを集めた本があるようなので読んでみたいです。書かれたものと書かれるはずだったもの。選考委員は書かれるはずだったものの痕跡を探す仕事をしている。小説という世界を拡張しようともがいていた跡を探している。それは同業者の小説家には見付けられるもののようです。
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