サザエさんの東京物語 の商品レビュー
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長谷川町子の妹である著者の自伝 姉たちと暮らした前半生は長谷川町子の自伝『サザエさんうちあけ話』『サザエさん旅あるき』を併せて読むとさらに興味深い。 還暦近くなり遅い独り立ちを果たした著者は、小さな出版社を立ち上げ児童心理学の専門家や千葉敦子と関わることとなる。世間は長谷川町子関連のエピソードに興味を向けそうだが、こちらの後半生のエピソードも面白いものがあった。 母の認知症・入院や町子の手術・最期に関するエピソードは医療や福祉における問題提起ともなると思った。
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サザエさんの生みの親である長谷川町子さんの妹、長谷川洋子さんが長谷川家について語った本です。出来事を並べ立てていて、時系列もあちこちいくのでスッと入ってこないところがあります。 サザエさん=長谷川町子さんととらえてしまうのですが、あの一家の笑いに満ちた家庭とは少し違っていたのかなと思います。もちろん作者と作品は別物で考えるべきなのですが、賑やかな磯野家のイメージを保っていたい方には読むのはオススメできません。 この後「サザエさんと長谷川町子」という新書も読んだのですが、語り手が変われば当然その事実の認識も変わります。結局は当事者にしか分からないことだと思いました。
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長谷川町子はとてつもない才能のマンガ家だったが、その妹、長谷川洋子もとてつもない魅力的な文章をこの本で書き上げている。 妹から見た長谷川町子の今まで知らなかった話しが随所に散りばめられている。 時々ハッとさせられる文に出会う。 長谷川洋子という凄い人が最初で最後の本を書いた。サザ...
長谷川町子はとてつもない才能のマンガ家だったが、その妹、長谷川洋子もとてつもない魅力的な文章をこの本で書き上げている。 妹から見た長谷川町子の今まで知らなかった話しが随所に散りばめられている。 時々ハッとさせられる文に出会う。 長谷川洋子という凄い人が最初で最後の本を書いた。サザエさんが好きなら読んで欲しい本。
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「家族」、それも同じ性別の妹洋子さんの目から見ての長谷川町子像。他にも語られる様々な昭和のエピソードも併せて、懐かしいような、独自の息苦しさのような、「リアル」さがあった
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文庫向け書き下ろしの「その後の7年」のエピソードも入っています。長谷川家の物語…ですね。筆者の洋子さんが千葉敦子さんの本を出版されていたこと、初めて知りました。
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母の影響で子どもの頃から朝ドラ好き。「マー姉ちゃん」も楽しく見た思い出深いドラマの一つ。そのドラマで扱った時代から後日談も含んだ1冊。ドラマで取り上げられた以後の三姉妹の軋轢にはとても残念な思い。文章はすっきりとして読みやすいが所々両姉への感情が見え隠れする。あくまでこの本は洋子さん側からの視点であり、溝ができた本当の理由、姉たちの言い分はわからないが、母親が亡くなってからの断絶はまるでエプスタイン死亡後分裂していったビートルズのそれのよう。本のタイトルに「サザエさん」の名前を使い、表紙絵にサザエさんの絵を使えたのは姉たちの死後だったからだろうか。洋子さんが出版社を立ち上げ、あの千葉敦子さんの本を出版されていたことは知らなかった。
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長谷川家の日常における小話がたくさん読めて楽しい。 しかし妹の洋子さんが出版社を立ち上げ、 我がバイブル「ニューヨークの24時間(千葉敦子)」を手掛けられたとは驚いた。
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サザエさんの作者長谷川町子の妹が語る、三姉妹と母の日常。 戦争に向かう日本で50歳前後の働き盛りで亡くなった父の無念。 残された母の果断な行動力。 姉妹3人は「串だんご」のように結束して母のもとで生き抜いてゆく・・・
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サザエさんやいじわるばあさんを書いた長谷川町子さんの妹、洋子さんの視点から見た家族のことが書かれている。長谷川町子さん、結構強いキャラだったんだなー。
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筆者は、サザエさんの作者・長谷川町子さんの妹。 サザエさんで描かれる昭和の原風景のような三世代同居の家庭ではなく、母と三姉妹の型破りな家庭でのあれこれ。 戦前・戦中・戦後と、なんて力強く賑やかに生き抜いてこられたことか。 還暦も近くなった頃、これまでどおり、いっしょに遊んだり...
筆者は、サザエさんの作者・長谷川町子さんの妹。 サザエさんで描かれる昭和の原風景のような三世代同居の家庭ではなく、母と三姉妹の型破りな家庭でのあれこれ。 戦前・戦中・戦後と、なんて力強く賑やかに生き抜いてこられたことか。 還暦も近くなった頃、これまでどおり、いっしょに遊んだり助け合ったりしながらも、姉たちと別の家で自分の時間を持ちながら余生を送りたいとの彼女の思いが、姉たちに拒絶され、絶縁という形になってしまったことは、なんと言っていいのか・・・。 だけど、その後も、小さな出版社を起こし、自分の思いに沿った本を世に送り出そうとする筆者の生き方は、とても豊かなもののように思います。 とりわけ、アメリカで癌の闘病中だったフリージャーナリストの千葉敦子さんの本を出したいと感じ、全く面識もないところから依頼の手紙を送るくだりは、私もあのころ、週刊朝日で連載されていた千葉さんの闘病記を読んでいて、幼いながら、なんて大人でかっこいい女性なんだろう、と感じてただけに、印象深かったです。 洋子さんも、やりたいという気持ちに、とても素直で、強さを秘めた方なのでしょう。 近所の図書館の蔵書検索で、今はなき、彩古書房の本を見つけ、なんだか、うれしくなりました。
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