ゼロの迎撃 の商品レビュー
日本を舞台にしたテロを題材とした小説の中でも群を抜いて面白い。こんなミステリー作家が日本にいることに読者として感謝したい。しかも、安生氏は本作品で二作目の新進気鋭の書き手ある。これからが実に楽しみである。さて、本作品の醍醐味は大胆なフレームに緻密なディテールを組み合わせ、緊迫する...
日本を舞台にしたテロを題材とした小説の中でも群を抜いて面白い。こんなミステリー作家が日本にいることに読者として感謝したい。しかも、安生氏は本作品で二作目の新進気鋭の書き手ある。これからが実に楽しみである。さて、本作品の醍醐味は大胆なフレームに緻密なディテールを組み合わせ、緊迫する場面を繋ぎ合わせ物語を紡いだ点にある。さて、物語は東京に未曾有の台風が接近する中、複数のテロが同時発生することから始まる。錦糸町のマンションに立て籠もった正体不明のテロリストは、警察の特殊部隊であるSATを殲滅させる武器と練度をもっていた。召集された官邸危機管理センターには都内各所で爆発の報告も入っており、この事案が警察で対応出来るのか、自衛隊が対応するための法的要件が整っているのか、緊迫した危機管理センターでの議論の中自衛隊に治安出動待機命令が発令され、精鋭である習志野の特殊作戦群が近づく台風の中、チヌークで東京ヘリポートに向かうがその7機ともテロリストの地対空ミサイルにより撃ち落とされてしまう。ここに至り日本国として自衛隊に防衛出動を発令するか、否かの決断を迫られる。攻撃を仕掛けているのは、国家なのか、だとすればどの国なのか?現行法制の穴を狙って緻密に統制された作戦の前に損耗が重なっていく。一方、命令を受ける自衛隊にもレンジャー部隊など精鋭がテロリストに倒されていく現状を目の当たりにして命令拒否など瓦解の危機に陥る。
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もう一度読み直しました。やはり、凄まじいです。平和呆けしている方々には、ぜひご一読して頂きたいものです。
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面白かった! 前作の「生存者ゼロ」を大きく上回る作品だと思います。 前作は、後半SFっぽくなってしまい、後半は若干興ざめでしたが、本作はリアリティを感じられる作品となっています。日本における有事の際の問題点を浮き彫りにしている作品です。 ストーリとしては、大型台風の中、東京を...
面白かった! 前作の「生存者ゼロ」を大きく上回る作品だと思います。 前作は、後半SFっぽくなってしまい、後半は若干興ざめでしたが、本作はリアリティを感じられる作品となっています。日本における有事の際の問題点を浮き彫りにしている作品です。 ストーリとしては、大型台風の中、東京をテロ組織が襲ったときの日本の対応ということになります。有事の際に本当に自衛隊が活動できるのか?日米安保が機能するのか?とりわけ、東京という市街地での事案に対応できるのか?いろいろ勉強になりました。 作品のプロットは以前に読んだ麻生幾さんの「宣戦布告」を思い出します。あれも、有事の際の自衛隊の課題、日本政府の課題を浮き彫りにした物語でした。 同じようなテーマではありますが、本作は、どちらかというとエンターテイメント側かなと思います。 とりわけ、本作の首相が格好いい!! 自衛隊防衛出動を命じるメッセージには熱くなりました。 ただ、その後、ちょっと尻つぼみ感が否めません。 前半、あれだけ盛り上げていたのに、最後の戦いあたりには逆にリアリティがなくなってしまいました。(ご都合主義的な感じ...) その辺がエンターテイメント重視といったところになるのかなっと(笑) とはいえ、日本の国防を考えさせられる一級のエンターテイメント小説と思います。 「今そこにある危機」を十分に警告している物語です。 とても楽しめました。 映画になったら面白そう!! お勧めです
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北朝鮮の特殊部隊が日本に侵入。 テロを行っていくがそれを追いかける自衛隊幹部。 エンタメとしては、そこそこ楽しめます。
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前作『生存者ゼロ』のインパクトが凄かったので、本作も即購入。 ただ内容が重そうだな、と塩漬け状態に。ようやく気分が乗ったので手にとって見れば、あまりののめり込みように塩漬けを激しく後悔。。 東京が正体不明のテロに襲われた一夜。 この短さが緊迫感と緊張を生み、どうテロに立ち向かう...
前作『生存者ゼロ』のインパクトが凄かったので、本作も即購入。 ただ内容が重そうだな、と塩漬け状態に。ようやく気分が乗ったので手にとって見れば、あまりののめり込みように塩漬けを激しく後悔。。 東京が正体不明のテロに襲われた一夜。 この短さが緊迫感と緊張を生み、どうテロに立ち向かうのか目が離せない。 残虐すぎる描写と政府の机上すぎる議論に、昨今のテロ活動が日本へやって来たときの不安を掻き立てられる。 映画化されたら面白そうなんだけどな。
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設定やストーリーはかなり面白い。 ただ描写が細かく書かれているのがかえって読みづらいかも。 最後もちょっと呆気なかった。 前作同様映画にしたらかなり面白いと思う。
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「生存者ゼロ」に続いて、同著者のサスペンス小説を楽しませていただきました。 有事法制の欠陥や運用の難しさをテーマとした小説は多々ありますが、本書は日本政府が想定していないとする「市街戦」ての各ステークホルダーの課題を浮き彫りちしています。 中国で訓練を受けた北朝鮮の精鋭部隊を、...
「生存者ゼロ」に続いて、同著者のサスペンス小説を楽しませていただきました。 有事法制の欠陥や運用の難しさをテーマとした小説は多々ありますが、本書は日本政府が想定していないとする「市街戦」ての各ステークホルダーの課題を浮き彫りちしています。 中国で訓練を受けた北朝鮮の精鋭部隊を、国際的にも評価された司令官が指揮したとき、警察や自衛隊をどう動かすかという難しいイシューを、法律解釈やマスコミ対策、外交、権力闘争を交えて、複合的にストーリーが展開させる傑作です。 やはり、事前の(平時の)インテリジェンス、情報収集が大切であると実感させられました。 強いて言えば、一連の戦闘の最後が少し尻つぼみのように思えたのは、私だけでしょうか。 著者の次回作も期待できると思わせるミリタリーサスペンスです。
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少し前に鬼怒川が氾濫する災害があったが、丁度あのような天候時に重火器で装備した数百人のテロ組織が東京を襲うというお話。予告された東京殲滅のタイムリミットは翌早朝。 自衛隊の活躍を描いたお話で、前作「生存者ゼロ」も面白かったが、こちらの方が更に進化した感。あっちはSFだったのが、...
少し前に鬼怒川が氾濫する災害があったが、丁度あのような天候時に重火器で装備した数百人のテロ組織が東京を襲うというお話。予告された東京殲滅のタイムリミットは翌早朝。 自衛隊の活躍を描いたお話で、前作「生存者ゼロ」も面白かったが、こちらの方が更に進化した感。あっちはSFだったのが、こちらはいかにも起こりそうな危機管理のシミュレーション小説だったからね。 ノンストップ小説と言っても良いのだろうが、それにしても前半の国防会議の、法律解釈がああだこうだという描写はまだるっこしい。ここは、さらっと流し読み出来たので、迫真感もあった。 こういうのを読むと、安保法案の建付けに問題はあるかもしれんが、中身をしっかり議論せにゃならんと思わざるを得ない。 解説に、国土交通大臣のブログや自衛隊関連の専門誌で称賛の声を引用していたが、出版社は、安保法案とからめて宣伝すれば、もっと売れただろうに。もっとも右派がそれみた事かと喜びそうな内容。マスコミは法案反対が多いので、自重したんでしょうかね。 (2015/11/6)
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なかなか面白い展開だったと思います。 軍事的な面に重きを置きたくなるのですが、 こうした政治的な面も絡めて 展開するのは、個人的には新鮮でしたね。 現実にこのような事が起きたら 今の政権はどう対応するのだろう と考えさせられた作品でした。
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次々に日本が、東京が追い詰められていく、怒濤の展開。感想はとにかく「悔しい」の連続。 主人公をはじめ、関係者すべてがあまりにも格好良い。一人、また一人と、登場人物が覚悟を決める姿に、その度に圧倒される。果たして自分がこの場に置かれたらこんな決意はできるだろうかと思わされる。 法律...
次々に日本が、東京が追い詰められていく、怒濤の展開。感想はとにかく「悔しい」の連続。 主人公をはじめ、関係者すべてがあまりにも格好良い。一人、また一人と、登場人物が覚悟を決める姿に、その度に圧倒される。果たして自分がこの場に置かれたらこんな決意はできるだろうかと思わされる。 法律や自衛隊の知識から戦闘の描写、東京の災害対策まで、本当によく調べられていて、勉強にもなる。合理的で簡潔な説明を求める人や、法律関係に詳しい人にとっては長ったらしく感じられるかもしれないが、この長い説明がかえって読む側の焦りを煽る。とにかく素早く対処すべき事態に制度上の様々なハードルが立ちはだかりやきもきしている主人公たちの気持ちと、小難しい説明に足止めされる自分の気持ちとが重なる。終盤、ストーリーに飲み込まれてからはもはやそんな事は気にならなくなり、ただ早く解決してくれと祈るばかりになるのだが。 唯一気になったのは女性がほとんど登場しないことだが、男たちばかりだからこそ良かったような気もする。
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