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無人暗殺機ドローンの誕生 の商品レビュー

4.3

14件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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2022/07/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イスラエル発アメリカ産まれのプレデターが 政治的イザコザとテロの間で揉まれまくって 育っていく 実はヒューマンドラマ。 軽く読める本じゃないけど 著者が5年間じっくり取材した内容が濃いエキスになって 脳みそに入ってくる。 ガッツリ読書したいときにオススメ。 読みごたえ&読後の達成感がすごい。

Posted byブクログ

2018/11/02

読んだ。良かった。最低の邦題でどん引きだった(スルーしてた)のだが、はらぺこ氏の書評を聞いて購入。 こんな邦題つけるセンスの無い出版社が悪いし、5頁の解説しか書いてない佐藤優の顔写真入りの帯とかあり得ないだろ。 UAVの急激な発達と米軍で使用されるようになった裏には映画に出てくる...

読んだ。良かった。最低の邦題でどん引きだった(スルーしてた)のだが、はらぺこ氏の書評を聞いて購入。 こんな邦題つけるセンスの無い出版社が悪いし、5頁の解説しか書いてない佐藤優の顔写真入りの帯とかあり得ないだろ。 UAVの急激な発達と米軍で使用されるようになった裏には映画に出てくるような強いキャラクターが何人もいたのね。 とても良い書籍だったのだが、「warship」を「戦艦」という定番の誤訳に加えて、 米軍の特殊部隊「ネイビーシールズ」を「シール部隊」という誤訳は新鮮だったw

Posted byブクログ

2017/08/22

民間での実用が先行して規制が後追いしているドローン。これだって 首相官邸屋上のヘリポートに誰も気づかないうちにドローンが停まって いた事件がなければ、誰かが怪我をするまで考えなかったのだろうな。 アメリカでもホワイトハウスの敷地内に落下し、警戒態勢が敷かれた のは記憶に...

民間での実用が先行して規制が後追いしているドローン。これだって 首相官邸屋上のヘリポートに誰も気づかないうちにドローンが停まって いた事件がなければ、誰かが怪我をするまで考えなかったのだろうな。 アメリカでもホワイトハウスの敷地内に落下し、警戒態勢が敷かれた のは記憶に新しい。 無人機ドローン。現在は民間での活用やそれに伴う規制がニュースに なることが多いが、元を辿れば軍事技術の民間転用だ。 戦争はイノベーションの母である。こうして毎日のように利用している インターネットも、害虫を退治する殺虫剤も、ドローン同様に軍事技術 の研究からの産物だものね。 搭乗するパイロットを必要としない航空機があれば兵士の犠牲を出さ なくて済む。そんな無人機が作れないものだろうか。始まりはイスラエル での開発だった。天才的なプランを持っていたイスラエル人の航空技術 者が新天地を求めてアメリカへ渡った。 当初は諜報機関も軍も「玩具じゃないか」とバカにしていた。特に偵察機 や爆撃機を操縦するパイロットたちは自分たちの腕を上回る無人機が 出来るはずがないと、鼻で笑った。 しかし、ボスニア紛争で無人偵察機が実用化されたから開発に拍車が かかる。そして、アメリカの陸海空軍の間で始まる主導権争い。 偵察機としての役割を満足に果たすことの出来た無人機に、次に期待 されたのは攻撃機としての機能だった。そう、9.11アメリカ同時多発テロ の後に一躍脚光を浴びた「プレデター」の誕生である。 本書はドローン開発の歴史を詳細に綴っているので、いかに戦争が 様々な技術開発の土壌になっているのかが分かる。 それにしても「プレデター」とはよく名付けたものだ。「捕食者」。それは ターゲットを発見し、地球の裏側からの遠隔操作でターゲットの命を 奪うことが出来るのだもの。 ただ、これがアメリカ大統領令で禁止されている「暗殺にあたるのでは ないかとも思うんだよね。CIAがキューバのフィデル・カストロ暗殺計画 を実行しようとしていたことが表沙汰になって、「暗殺はいけません」と なったはずなのだけれど、テロを未然に防止する為ならば暗殺も単なる 「殺害」と言い換えられるのか? アメリカの無人機が殺害したうちの9割が誤爆だったとの報道もあった。 開発者にとっては夢の平気だったのだろうが、誤爆された方は堪らない よね。 アメリカはこの無人攻撃機の輸出に力を入れるらしい。買わされるの かしらね、日本の自衛隊は。そんな懸念を持ちながら読み終わった。 この無人機の登場で戦争の在り様さえも変化したことまでフォローして おり、情報量も豊富なのだが翻訳がとことどころ日本語の文章として おかしいとことがあるのが残念だった。

Posted byブクログ

2015/11/11

[無人革命]ヨム・キプール戦争、ユーゴスラビア内戦、そしてアフガニスタンとイラクにおける対テロ戦争を経て、今や軍事の構図を変えた感のあるドローンの歴史と、それに携わった人々の歩みを記した作品。傍流中の傍流だった技術や考え方がいかに革命をもたらしたかが詳述されています。著者は、国立...

[無人革命]ヨム・キプール戦争、ユーゴスラビア内戦、そしてアフガニスタンとイラクにおける対テロ戦争を経て、今や軍事の構図を変えた感のあるドローンの歴史と、それに携わった人々の歩みを記した作品。傍流中の傍流だった技術や考え方がいかに革命をもたらしたかが詳述されています。著者は、国立航空宇宙博物館の研究員や「ダラスモーニングニュース」の記者を長年にわたり務めたリチャード・ウィッテル。訳者は、英語と独語の翻訳を多く手がける赤根洋子。原題は、『Predator: The Secret Origins of the Drone Revolution』。 無人機が本格的に実践投入されてからまだ日が浅いこと、そしてその技術が日増しに一足飛びの進歩を遂げていることを踏まえれば、本書で明かされるドローンの歩みに驚嘆されずにはいられないはず。その歩みの一つひとつを、それこそオペレーションレベルまで紐解いて記録した著者の苦労はいかほどだったかと思います。できるだけ中立的にドローンの進歩をわかりやすくまとめた一冊としてオススメできる作品です。 ドローンがもたらした政治的、軍事的、倫理的変化についてはもちろんのこと、技術的な発展についても極めて詳しく解説がなされているため、その側面からドローンについて考察を深めたい人も、本書の内容には大いに満足を覚えるはず。それにしても以下の著者の一文は、不穏な響きも含めて何か極めて予言的なものを含んでいる気がします。 〜無人機技術はすでに人間の死に方を変えた。それはいつか、人間の生き方を変えるかもしれない。〜 解説は作家として活躍されている佐藤優氏です☆5つ

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2015/09/23

アメリカにおいて軍事用無人機がその性能を認められ広まり始めるまでを描いた良書。 佐藤優が巻末に無人機の本としては最良と書いているので本当にそうなんだろう。 なお本書の無人機は遠隔操縦であり自立判断のAI系とは異なるので、そちらに興味がある方にはお薦めしない。

Posted byブクログ

2015/07/09

ドローンの誕生から現在までの歴史が書かれたもので、アメリカ国内でどのように重宝されるように至ったかということも記されている。いまや無人暗殺機としてアフガニスタンやイエメンなどで飛行するようになった武器についての基礎知識みたいなものを、その歴史を楽しみながら知ることができた。

Posted byブクログ

2015/07/06

数年前に貧者の兵器とロボット兵器というドキュメンタリーがすごく印象に残り、ロボット兵器に関心を持っていたので読んだ。無人機の技術の進歩や実験中の失敗以上に米軍やイスラエル軍内部の問題に翻弄され、煮え湯を飲まされる技術者たちが描かれているのがとても印象に残った。やっぱり、官僚政治の...

数年前に貧者の兵器とロボット兵器というドキュメンタリーがすごく印象に残り、ロボット兵器に関心を持っていたので読んだ。無人機の技術の進歩や実験中の失敗以上に米軍やイスラエル軍内部の問題に翻弄され、煮え湯を飲まされる技術者たちが描かれているのがとても印象に残った。やっぱり、官僚政治の問題ははどんな国でもあり得るのだと思った。ユーゴスラビアやアフガニスタンの戦争で実績を得た無人機がこれからの戦争に利用される事は明白だが、米国以外の国も利用することになるのは当然なのでどこの国がこの兵器使ったの?って問題にならないかが不安になる。

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2015/06/14

 現時点でドローンの定義は明確ではないが、本書ではプレデターとして知られる軍事作戦に用いる無人偵察機、無人攻撃機の発案から開発、採用、実用に至るまでを記したノンフィクションである。よく、ここまで実名を出したと思えるほど、多くの個人名が出てくる。  有人パイロットの集団である空軍に...

 現時点でドローンの定義は明確ではないが、本書ではプレデターとして知られる軍事作戦に用いる無人偵察機、無人攻撃機の発案から開発、採用、実用に至るまでを記したノンフィクションである。よく、ここまで実名を出したと思えるほど、多くの個人名が出てくる。  有人パイロットの集団である空軍には嫌われ、予算や軍官僚組織に阻まれ、開発には苦労してきたことが良く分かる。  まずは長時間飛行、偵察、遠距離リアルタイム操作、照準、ミサイル搭載と技術的に1歩1歩進んできたが、飛翔体としての進歩よりも、それを使いこなすための技術の進歩の方が大きいのが特徴である。そのなかでもソフトウェアの役割がかなり大きそうだ。  本書は、技術的な面にもふれているが、これを取り巻く人間模様を主体に描いているのだ。9・11のときは武装化検討が進んでいるときだったので、すぐにトップ判断で実戦投入されたことがはっきり示されている。  筆者や解説にも指摘があるとおり、無人機はもう定着した技術であり、今後は人々の生活も変えていくだろう。定着したとはいえ、まだまだ発展や改良の余地は大きい。いまやホットな分野であり、その動向には目を離せない。

Posted byブクログ

2015/05/19

本書が扱っているドローンとは、昨今我が国のマスコミをにぎわしているクワッドコプター等のドローンのことではなく、広くUAVといわれているもののこと。 その着想から開発、実用化、そして、偵察用から攻撃用にと拡げられてきた開発史。 開発者の自由な発想を、形にしていく苦労。そして、航空宇...

本書が扱っているドローンとは、昨今我が国のマスコミをにぎわしているクワッドコプター等のドローンのことではなく、広くUAVといわれているもののこと。 その着想から開発、実用化、そして、偵察用から攻撃用にと拡げられてきた開発史。 開発者の自由な発想を、形にしていく苦労。そして、航空宇宙産業、さらに軍産複合体のなかで開発費用を獲得し、開発実用化に進めていく経緯。さらに、その中で開発、運用にかかわる軍人、民間技術者の姿。 冷戦構造が崩れ、地域の民族紛争、そしてテロリストとの戦いと戦争の形が変化していくなかで、ドローンがどのように生まれ、そして武装されていくか、まさに現在を描いた記録である。本書は、ドローン創世記のいま、書かれるべきものなのだと思う。 ただし、本書の視点は、当然ながら開発者側の視点でのみ書かれているので、ドローンを使用することのメリットのみが抽出されて書かれていることにも留意すべきだと思う。 ただ、本書の日本語タイトル「無人暗殺機 ドローンの誕生」というのも編集者の偏向した暴走だと思う。原初のタイトルは ”PREDATOR THE SECRET ORIGINS OF THE DRONE REVOLUTION"このタイトルのほうがよっぽどフェアに本書を著していると思う。

Posted byブクログ

2015/05/16

米軍がアフガニスタンやイラクで運用している無人機「プレデター」がどのような経緯で開発されていったのかを辿るノンフィクションです。1980年代、敵情偵察は人工衛星と有人偵察機が主な手段でした。人工衛星は情報を得たい場所を連続して監視する事ができず、有人偵察機は常に撃墜されるリスクが...

米軍がアフガニスタンやイラクで運用している無人機「プレデター」がどのような経緯で開発されていったのかを辿るノンフィクションです。1980年代、敵情偵察は人工衛星と有人偵察機が主な手段でした。人工衛星は情報を得たい場所を連続して監視する事ができず、有人偵察機は常に撃墜されるリスクがありました。それを補う手段として無人偵察機が開発され、1990年代のボスニア紛争で大きな効果を挙げます。2000年代に入り、9.11テロを受けてアフガニスタンでの対テロ作戦でビンラディンを発見しながらも、攻撃する事ができなかった教訓から、無人機の武装化が進みます。テクノロジーの発達と国際情勢からの要請がタイミングよく合わさって開発が進んでいく経緯が詳しく記述されています。しかし、本書で最も重要な部分は巻末にある著者の次の一文ではないかと思います。以下抜粋<無人機革命に関して確実にいえることは二つだけである。一つ目は無人機というこの新技術は定着するだろうということである。二つ目は、無人機が引き起こす影響にどう対処するか、その方法を社会は見つけ出さなければならないということである。>昨今、安価なドローンの運用についていろいろな問題が出てきています。しかし、災害時の状況把握や、活火山の観測、原発事故のモニタリングなど有人航空機ではなし得ない任務に活用されつつあります。GPSにしろ、インターネットにしろ発端は軍事技術でした。無人機の技術が「暗殺の道具」に終わるのではなく、重要な社会インフラとなることを願うばかりです。ハードカバーで400ページを越す大作ですが、内容、読みやすさ共に秀逸でした。

Posted byブクログ