男しか行けない場所に女が行ってきました の商品レビュー
エロ雑誌でルポ漫画を描いている筆者が、エロ雑誌には書けなかった女だからこそ感じるあれこれを綴ったエッセイ。 下世話な好奇心で手に取った男性陣はぶったまげるだろう。 エロや下の話もあるにはあるが、むしろ筆者が膨大な量のフィールドワークをもとに、風俗の世界に如実に表れるジェンダーとセ...
エロ雑誌でルポ漫画を描いている筆者が、エロ雑誌には書けなかった女だからこそ感じるあれこれを綴ったエッセイ。 下世話な好奇心で手に取った男性陣はぶったまげるだろう。 エロや下の話もあるにはあるが、むしろ筆者が膨大な量のフィールドワークをもとに、風俗の世界に如実に表れるジェンダーとセクシュアリティの問題、ダブスタ、男から見る女の分類、などなどについて真面目に考察した社会学に分類されるべき一冊である。 ジェンダーを語る上で風俗はやはり切り離せるものではないと改めて感じた。 最終章のAKBに関する考察が秀逸。 こんなにも分かりやすく、モー娘。との違いも絡めてAKBを論じたものを読んだことがなかった。 私自身、とある事情でAKBのことはデビュー前から知っていたが、ずっと気持ち悪いという思いが拭えずにいた。 それを何となく許容できるようになったのは、13年のAKB選抜総選挙で指原梨乃が1位になった頃からであり、AKBの枠を飛び出して単独でTVに出る彼女を見てみたら、指原梨乃は自分の考えをしっかり持ち、それを自分の言葉で語ることのできる人で、いわゆる「女に嫌われる女」ではない。 彼女を応援している人の中には相当数の女性も混じっているように思う。 しかしAKBという男が作った男のための集団を、女性も享受しているという今が、いいことなのか悪いことなのかよく分からない。
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『母がしんどい』を読んでから田房さんの漫画にハマり、内容を知らないまま図書館にリクエストして借りてきたのですが、かなりきわどい内容でした。旦那さんに見つかり何読んでるの?!って引かれてしまった(((^^;;でもすごく面白かったです。ますます田房さんのファンになりました。ただの潜入...
『母がしんどい』を読んでから田房さんの漫画にハマり、内容を知らないまま図書館にリクエストして借りてきたのですが、かなりきわどい内容でした。旦那さんに見つかり何読んでるの?!って引かれてしまった(((^^;;でもすごく面白かったです。ますます田房さんのファンになりました。ただの潜入取材ではなくて人間の心の裏側みたいなのを描いてるところがとても好きです。そしてこんな世界があるんだ!と驚きでした。
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女性の風俗店ルポライターである著者が、風俗店を取材して当時の記事には書けなかった、自身の感想、本音を記した本。世間で優先されている男目線の都合、たとえば「男がそういう場所に行くのは当たり前」とか「男は浮気する生き物」等々にも舌鋒鋭く切り込んでいる。 各種風俗店取材時の、当時の発表...
女性の風俗店ルポライターである著者が、風俗店を取材して当時の記事には書けなかった、自身の感想、本音を記した本。世間で優先されている男目線の都合、たとえば「男がそういう場所に行くのは当たり前」とか「男は浮気する生き物」等々にも舌鋒鋭く切り込んでいる。 各種風俗店取材時の、当時の発表場所には記載できなかった実態と、発表された記事とのギャップがおもしろい。
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田房さんの視点がおもしろすぎる。しかし、あまりに鋭いため、同じ男として見ないように生きてきた点があらわになり、男のあまりの独善性に頭を抱えてしまった。自分より年上なんてほんっと無知、無自覚です。
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「業界」話のような、表層的な興味本位の読者を対象にしたものかと思いきや、むしろ180度逆、「業界」にいたからこそ切実に圧倒的に抱かざるを得ない「女性としての違和感」が表現されている。 女性が性について、性的なテーマについて、考えたり言葉にすること(の難しさ)にここまでまっしぐら...
「業界」話のような、表層的な興味本位の読者を対象にしたものかと思いきや、むしろ180度逆、「業界」にいたからこそ切実に圧倒的に抱かざるを得ない「女性としての違和感」が表現されている。 女性が性について、性的なテーマについて、考えたり言葉にすること(の難しさ)にここまでまっしぐらに取り組むのは並大抵のことではない。 一気に読んでしまう、読まずにはいられなかった。
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漠然と思っていたことを言葉にしてもらった!というところがあったり、うーんと思うところがあったり、すごく面白かったです。 最初から最後まで田房さんが自身の言葉で、性産業について書かれていたのが印象的でした。
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女性風俗ライターの著者が様々な店に潜入する。挿し絵もなかなか味わい深い。人形だけが待機している風俗もあるそうで、深い闇を覗いている気分になる。風俗で働く女の子の実態や、その女の子らを冷静に分析する著者の視点は面白い。しかし段々とジェンダーの話に重きが置かれ、どんよりとした気分にな...
女性風俗ライターの著者が様々な店に潜入する。挿し絵もなかなか味わい深い。人形だけが待機している風俗もあるそうで、深い闇を覗いている気分になる。風俗で働く女の子の実態や、その女の子らを冷静に分析する著者の視点は面白い。しかし段々とジェンダーの話に重きが置かれ、どんよりとした気分になってくる。最後のAKB48の件に至っては苦笑いするしかない。なんとも後味の悪い本だった。
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興味はあるけど女性はいけない場所に、筆者が代わりに行ってレポートしてくれた、という内容。書き様によっては社会学のジェンダー本として十分成立すると思う。しかもそういう場所で働く女性とか、そういう場所に行く男性とか、切り口は様々ありうる。 男性全員がこういうところに行くわけではないこ...
興味はあるけど女性はいけない場所に、筆者が代わりに行ってレポートしてくれた、という内容。書き様によっては社会学のジェンダー本として十分成立すると思う。しかもそういう場所で働く女性とか、そういう場所に行く男性とか、切り口は様々ありうる。 男性全員がこういうところに行くわけではないことは頭に入れて置かなければならない。 こういうところの充実が性犯罪の現象に寄与しているのかしら。 興味津々で読んだが、こういうところに行く男性に対し、軽い嫌悪感を感じたのも事実。
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イースト・プレス、やっぱりいい仕事するなぁ。女性から見た風俗って、ありそうでなかった本やと思った。世の中の男にとって、総量としてはたぶんいちばんおっきな産業やと思うけど、その実態を知る機会はめったにないので、こういうお仕事は尊いものやなぁと思う。著者の名前は、見たことはあるけど、...
イースト・プレス、やっぱりいい仕事するなぁ。女性から見た風俗って、ありそうでなかった本やと思った。世の中の男にとって、総量としてはたぶんいちばんおっきな産業やと思うけど、その実態を知る機会はめったにないので、こういうお仕事は尊いものやなぁと思う。著者の名前は、見たことはあるけど、という程度でしたが、こういう活動をしていたのか、と感心。
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これはつらい本だ。息がつまる。風俗ライターというのはミスマッチだったのだろうな。もっと堅い文章を書く方がぴったりしてるのかもしれない。そこがどういう場所なのか、どういう人々なのかということより、どういう著者がどういう心理でこれを書いているのかということを考えてしまう。 再読...
これはつらい本だ。息がつまる。風俗ライターというのはミスマッチだったのだろうな。もっと堅い文章を書く方がぴったりしてるのかもしれない。そこがどういう場所なのか、どういう人々なのかということより、どういう著者がどういう心理でこれを書いているのかということを考えてしまう。 再読したけど印象は変わらず。嫌な本だと思う。
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