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男しか行けない場所に女が行ってきました の商品レビュー

3.9

31件のお客様レビュー

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2018/11/23

風俗やAVなど男性のための場所に女性である著者が取材し 男女公平な立場から感じるし違和感を語る 自分の欲望や感情も非常に赤裸々に表現していて 女性の心理を理解する意味でも面白い

Posted byブクログ

2018/01/13

自分の中の分類でいくとエッセイになってしまうのだが、一般的にこの分類で想定されるものよりもかなり強いメッセージ性のある作品だと思う。 知らず知らずのうちに、男性の性欲というものがしょうがないものとして社会に受け入れら、女性はそれを優しく見守ることという考え方が当たり前のものになっ...

自分の中の分類でいくとエッセイになってしまうのだが、一般的にこの分類で想定されるものよりもかなり強いメッセージ性のある作品だと思う。 知らず知らずのうちに、男性の性欲というものがしょうがないものとして社会に受け入れら、女性はそれを優しく見守ることという考え方が当たり前のものになっている「男性中心社会」について、筆者の実体験を通じて異議を唱えている。 男性自身、女性自身でさえ気づかなくなっていることを気づかせてくれる作品。男女問わず読むべき。

Posted byブクログ

2017/12/28

女性の漫画家の筆者が男性にしかいけないところ(風俗店など)のレポートについての体験をエッセイとして記載した本。 前半は風俗レポートが書かれている。様々な風俗店があること、女性からみて何の需要なのか理解できない滑稽さ(男性の自分からもよく分からないもの多数)が面白い。 人の好みは...

女性の漫画家の筆者が男性にしかいけないところ(風俗店など)のレポートについての体験をエッセイとして記載した本。 前半は風俗レポートが書かれている。様々な風俗店があること、女性からみて何の需要なのか理解できない滑稽さ(男性の自分からもよく分からないもの多数)が面白い。 人の好みは多種多様で、他人にとっては無駄なくだらないものでも、それを真にを求める人がいる。でもそのくだらなさが人間らしく面白いな、とか思う。 ここまでだと単純に色モノ的なレポートにとどまる印象なのだが、このエッセイの魅力は中盤から後半にある。 中盤から後半に関しては風俗店のレポートではなく、筆者が漫画を掲載していたエロ本の編集者だとか、身近な人々との関係性の話になってきて俄然面白くなる。筆者とのコミュニケーションの中で見えてくる人間の業のようなものを鋭く切り取っている。 世の女性にとっては常識な感覚なのだろうが、女性目線で見た場合の男性は、いつまでも幼稚な部分があり、女はその男性の性質をわかったうえで、純粋だったり何もわからないふりをして、男性を立てるような振る舞いをする。 この筆者もそのようなふるまいを仕事などを潤滑に進めるための技として当然のように使ったいるのだが、心の底ではその男性のニブさなど、男女差の不条理さなどに違和感を感じている。 そんな中男性しかいけない場所に行くことで、女性として男性目線を体験をすることは、女性としては非常に無理のある、ばからしい行為であるからこそ、男性の滑稽さ、女性が女性を演じる滑稽さが浮き出てくる。 私は男性なので、やはりこのような目線で男性の性に関する考え方を語られることが非常に新鮮だった。というか、女友達とかからこのような発言を断片的に聞いたことがあるので、今更ながら腑におちて理解しやすかった。という感覚に近い。 最後の方に記載してあるAKB48への考察が非常に面白かった。モーニング娘とも違うAKB48の立ち位置と、お母さんと息子の関係、おばあちゃんと息子の関係性に例える部分の、絶妙さ。

Posted byブクログ

2017/09/19

毒親問題の急先鋒ともいえる田房さんの本。男は性欲に対してオープンなのに、女はあまりオープンだとよろしくないとする現代社会はまだまだ男尊女卑が残っているのだろう。将来は腹減った、と言うのと同じくらいオープンに出来ればいいのかも知れないけれど、男女では行動様式が違う以上、なかなかそう...

毒親問題の急先鋒ともいえる田房さんの本。男は性欲に対してオープンなのに、女はあまりオープンだとよろしくないとする現代社会はまだまだ男尊女卑が残っているのだろう。将来は腹減った、と言うのと同じくらいオープンに出来ればいいのかも知れないけれど、男女では行動様式が違う以上、なかなかそうもいかないのか。 取り敢えず今は、時の流れが変えてくれるのを見守ることにしようか。

Posted byブクログ

2017/01/16

度々噴きだしました。見方によっては少しフェミニズムっぽいところがありますが、確かにと納得させられる鋭い視線。男と女ってやっぱ根本的に違うということがありありとみえた。エロ本から広がるファンタジー。

Posted byブクログ

2017/01/05

とても良かった。こういう視点での話しをTVで見る事は殆ど無い。その事にもいかに男中心に世の中が回っているかを感じる。何故か男にだけは許される寛容な世界。性風俗はそれが最も端緒に現れ女がただの物として男の付随物として消化される世界。風俗に行った事を笑い話のように平然と言ってのけられ...

とても良かった。こういう視点での話しをTVで見る事は殆ど無い。その事にもいかに男中心に世の中が回っているかを感じる。何故か男にだけは許される寛容な世界。性風俗はそれが最も端緒に現れ女がただの物として男の付随物として消化される世界。風俗に行った事を笑い話のように平然と言ってのけられる環境と、それを許容してこそイイ女という自然と社会に浸透している風潮。この方の他の著書も読みたいと思う。

Posted byブクログ

2016/12/11

借りたもの。 男性のための性風俗店に行った田房永子氏のルポ。 そこは男尊女卑な性の世界だった。同じ女性としては、ただただ胸が苦しくなる。 女性目線で(男性が「楽しむ」という視点ではない)書かれたことに称賛。 コミックエッセイかと思っていたが、文章だった。その分、生々しくないのだろ...

借りたもの。 男性のための性風俗店に行った田房永子氏のルポ。 そこは男尊女卑な性の世界だった。同じ女性としては、ただただ胸が苦しくなる。 女性目線で(男性が「楽しむ」という視点ではない)書かれたことに称賛。 コミックエッセイかと思っていたが、文章だった。その分、生々しくないのだろう。 風俗店の4つのタイプ、その違いをまとめたリストは、女性にはなかなか知りえない事だったので納得。 それを知り、そうしたトラブルで警察沙汰になっている報道を思い出すと、ジャンル的にそういう仕事ではないのに“本番”を求めた男たちの、客としての低レベルさが理解できた。 労わるふりをして優位に立とうとする男と、それを受け入れ醒めた/冷めた/褪めた眼で男を見る女たち…… 風俗の世界で働く女性たちは幸せなのだろうか? 田房氏の他の著書から、氏がある種の抑圧を受けていた事からも、氏がそうした女性たちの抑圧を感じ取ってしまうのかも知れない。 私が聞いた話で、セックスワーカーは仕事に従事する前に性的経験がある女性が多い――それは時に、性虐待の被害者である事が多い――というのが本当なら、風俗がエロ犯罪の抑止になっているとは到底思えない。 AV撮影の現場ですら、AV女優とスタッフ女性の美醜を比較するという。 脱ぐAV女優への気遣いのつもりだろうが、男性原理的な上下関係で、優越感を与えることで胡麻化すという天邪鬼で気遣いのかけらもない。 モー娘。ファンとAKBファンの違いに、秋元康氏の反則技――一種の禁忌を超えた――という指摘は、正しい。 日常と非日常の境界を下げすぎる事(ライブが演出であることが曖昧になり、アイドルとファンの垣根が低すぎること)がいかに危うい事なのか……日常の女性たちにまで、「幻想がリアル(常識とか正常)である」と求めかねなくなる事――を暗に示唆しているようにも思えた。 理想的なセックスに関してはアダム徳永『スローセックス実践入門』( http://booklog.jp/item/1/4062724014 )などが本来だと思う。 田房氏が「ガスコンロSEX」と称したものが、上記本で言うところの「ジャンクセックス」という、一番ダメなセックスだった…… ここに書かれている男性も含めて、セックスが本来、男女ともに幸福になることができる事を知ってほしい。

Posted byブクログ

2016/09/26

この世は男中心にできており、それが最も露骨に現れる場の一つはセックスである。 誰もが知っている真実だが、誰もが敢えて触れようとはしない真実でもある。フェミニストですらそうだ。なぜならセックスの場において自分と相手との間にある優位と劣位の差に気がついてしまうことは、とんでもなく痛い...

この世は男中心にできており、それが最も露骨に現れる場の一つはセックスである。 誰もが知っている真実だが、誰もが敢えて触れようとはしない真実でもある。フェミニストですらそうだ。なぜならセックスの場において自分と相手との間にある優位と劣位の差に気がついてしまうことは、とんでもなく痛いことだからである。 だから男向けエロ業界を女が観察してきました、というルポの多くは、男と一緒にエロが楽しめちゃう私、というキャラをかぶったり、冷静な観察者というキャラをかぶって書かれている。この本が他と大きく異なるのはそこだ。田房さんは、自分が現場にいる時に感じるざらっとした感触から目を背けることができるほど、器用な人ではない。 ていうか、心配になるくらい不器用な人だと思う。なんで男たちが無意識に醸し出す優越感に対して人一倍敏感な人が、わざわざこんな辛くなりそうな仕事を選んじゃったのかと、田房さんが取材する風俗嬢の方ではなく、田房さんのことが心配になってしまうくらいだ。 田房さん自身は風俗ルポの仕事を選んだ理由を、「そういう仕事に憧れがあった」としか説明していないけれど、たぶん風俗の現場に敢えて踏み込むことで、男の態度にも痛さを感じないで生きていける私になりたかったんじゃないだろうか。酸いも甘いも噛み分けて、男とは女とは世間とはそういうもんだよねと飲み込んでしまえれば、痛さを感じずに生きていける、と。 でも田房さんはそれほど器用な人ではなかった。だからこそ、この社会の本質が見えるようになったんだと思う。その本質とは、この社会全体が「男しか行けない場所」になってるんだということ。男中心の社会だからこそ、性風俗がこんな形でできあがってるのだ。 そんなこと、とうに知ってたって?でも自分の痛みを痛みとして感受できなければ見えないことがある。そして自分の痛みを認識するのは決して容易なことではないのだ。

Posted byブクログ

2019/12/27

思春期の頃から痴漢に遭い続け、女性として軽んじるような扱いをされ続け、という作者のバックグラウンドを知った上で読んで、まず驚きなのが、 男の欲望を嫌悪、蔑視してるのに、なんでわざわざ男の欲望を飯の種にするような仕事してるの? ってこと。 少し前にネットで話題になってた、「最近男...

思春期の頃から痴漢に遭い続け、女性として軽んじるような扱いをされ続け、という作者のバックグラウンドを知った上で読んで、まず驚きなのが、 男の欲望を嫌悪、蔑視してるのに、なんでわざわざ男の欲望を飯の種にするような仕事してるの? ってこと。 少し前にネットで話題になってた、「最近男の楽しみの場所に女がズカズカ踏み込んできて不愉快だから、復讐のために女性下着専門店に男性グループで来店して荒らす」っていう愚かな行為を思い出しました。 嫌なものと関わらないで心穏やかに暮らす生き方よりも、徹底的に突き詰めて踏み込んで闘う、という生き方を作者は選んだのかもしれません。その姿勢こそがまさにジャーナリストなのかもしれません。 でもどうなんでしょう、嫌悪する対象に自分から近づくことでより嫌悪を深める、最初から嫌悪のフィルターを通して取材されたルポって、男性目線で女を一方的に型にはめたリアルではありえない女性像、の鏡像になってしまっていて、結局偏った見方を散々示されても読者はそこから何を得ればいいの? って感じです。 それから、シリアスなテーマ、作者にとって「語らねばならないこと」を語るなら、文章や絵は稚拙でも許される、という、「ヘタウマ」とはまた違ういまのエッセイ漫画業界の風潮は私は嫌いです。 この作者の絵は、作者の嫌悪や怒りベースで描かれているので、作者の嫌悪する対象の表情がとても下品で醜悪です。それって、作者の意図を伝える上で成功してるのかどうか疑問に思います。 なんていうか、主張はもっともなのに、言葉が汚なかったり過激だったりで真意が伝わらないディベート、の漫画版みたいな。 それに、それを生業としない、単に身近にいるだけの女性を勝手にキャバ嬢扱いしたりできる男性の既得権益を死ぬほど嫌悪しているなら、自身もAKBを風俗嬢になぞらえたりしないほうがいいんじゃないでしょうか。ダブルスタンダードに見えます。

Posted byブクログ

2016/06/25

社会の裏側覗き見。色々な職業や生き方があるもんだと感心してしまった。 この作者さん、既婚者、子持ちなのね。バイタリティがすごい。

Posted byブクログ