ラスト・ワルツ の商品レビュー
結城中佐が作り上げた大日本帝国陸軍スパイ組織「D機関」の活躍を描く短篇集第4段。本書に収録されているのは「アジア・エクスプレス」「舞踏会の夜」「ワルキューレ」の3作。タイトルの『ラスト・ワルツ』は「舞踏会の夜」を表すもので、公爵家令嬢と20年の時を経て再開し、仮面舞踏会でラスト・...
結城中佐が作り上げた大日本帝国陸軍スパイ組織「D機関」の活躍を描く短篇集第4段。本書に収録されているのは「アジア・エクスプレス」「舞踏会の夜」「ワルキューレ」の3作。タイトルの『ラスト・ワルツ』は「舞踏会の夜」を表すもので、公爵家令嬢と20年の時を経て再開し、仮面舞踏会でラスト・ワルツを踊る結城中佐が登場する。満州で、日本で、ドイツで暗躍する非人間なほど優秀なスパイ達の格好良さを理屈抜きに楽しめる小説。
Posted by
今作でも、スタイリッシュな活劇が繰り広げられる。 やっぱり魅力の一つは、この時代背景。 中編4編。シビレっぱなしだ。
Posted by
三作中一番好きなの「アジア・エクスプレス」かな~。 シンプルだし、いかにもD機関だし、イイ! 「舞踏会の夜」は若き中佐がめっちゃかっこいい! それが一番の売り♪ 「ワルキューレ」の作りこみ、すごい。 めずらしく派手派手です。
Posted by
ネタ的には段々苦しくなるだろうから、柳さんも資料集めとか大変だろうなあーとか余計なことも考えてしまうのですが、今巻もかっこいかったです! 瞬読。 どんどん続いてください。
Posted by
シリーズ4作目、最新作です。 収録作の構成は、短編2本、中編1本です。 短編の1本目は、旅情ミステリー系でしたが、 独特の世界観を持つ、本シリーズにおいても、 旅情ミステリーは鉄板の面白さがありました。 中編は、前作と同様、 謎もスリルも、しっかりと描かれており、 加えて、エ...
シリーズ4作目、最新作です。 収録作の構成は、短編2本、中編1本です。 短編の1本目は、旅情ミステリー系でしたが、 独特の世界観を持つ、本シリーズにおいても、 旅情ミステリーは鉄板の面白さがありました。 中編は、前作と同様、 謎もスリルも、しっかりと描かれており、 加えて、エレガントな雰囲気に意外性もあり、 適度な読み応え感もあって、面白かったです。 ただ…、本作品は、少しポップな印象もあり、 ダークな世界観や、ミステリアスな世界観が、 少し薄まっていた印象もあったかも、です…? 安定した面白さは、変わらず健在でしたが…、 少しばかり、原点回帰も、期待したぃかも…。
Posted by
ジョーカーゲームシリーズ最新作。安定感のある作品ではありました。ですが、今までの作品並(あるいはそれ以上)の出来を期待してしまうと、ちょっと物足りなさも。
Posted by
スパイ小説、「ジョーカーゲーム」のシリーズの第3作です。戦前の軍にD機関というスパイ組織が作られた。そこのスパイは従来の軍人とは異なる教育がなされている。彼らの活躍?を描いた作品です。裏を突くようなミステリの要素もありますが、スパイの底深さのようなものが魅力でしょう。短編中編の計...
スパイ小説、「ジョーカーゲーム」のシリーズの第3作です。戦前の軍にD機関というスパイ組織が作られた。そこのスパイは従来の軍人とは異なる教育がなされている。彼らの活躍?を描いた作品です。裏を突くようなミステリの要素もありますが、スパイの底深さのようなものが魅力でしょう。短編中編の計3作が入っています。どんどん太平洋戦争が近づいてきているのを感じます。スパイどおしの戦いのような派手さはないですが、面白く読めます。
Posted by
現在、実写映画公開中のジョーカー・ゲームシリーズ最新作「ラスト・ワルツ」。 表紙に描かれたスーツ姿の結城中佐の背中が、なんとも渋い。 そういえば実写映画の方は結城中佐を伊勢谷友介が好演していて、この表紙はともかく、文中で登場する結城中佐はもうすっかり彼の姿で変換されるようになった...
現在、実写映画公開中のジョーカー・ゲームシリーズ最新作「ラスト・ワルツ」。 表紙に描かれたスーツ姿の結城中佐の背中が、なんとも渋い。 そういえば実写映画の方は結城中佐を伊勢谷友介が好演していて、この表紙はともかく、文中で登場する結城中佐はもうすっかり彼の姿で変換されるようになった(笑) さて、ラスト・ワルツである。 ある意味、シリーズの「起承転結」の「転」に当たるだろうシリーズ4冊目となる今作は、収録話数が3つと、これまでのものに比べたら2話分少なくなっている。 つまり、一話一話の話がちょっと長め。そういうことだ。 本のタイトルであるラスト・ワルツは、その真ん中、二番目にドーンと登場してくれる。 恐らく、表紙も相まって、このラストワルツを踊るのが誰なのかは、シリーズをずっと読んできた人はすぐに分かることだろう。 作中、一度たりともその名は登場しないものの、あたかも作戦中のD機関のスパイがかき集めるような断片的な情報から、それが彼の人であることは疑いようがない。 そしてこうも思う。 「やっぱりこの人、超かっこいい!」 ダブルジョーカーの「柩」を読んだときも大層震えたものだが、やはりこのシリーズは彼の存在あってのものだと痛感させられた。 やることなすこと、やってきたことなしてきたこと、全部かっこいいってんだからホントに憎い! 要するに、この話は、読者にもなかなか語られない彼の人の過去をまた少しだけ知ることができる貴重な一話だったということだ。 実は前作「パラダイス・ロスト」がちょっとつまらなかったわたし。 1作目ではがっつりD機関側を、 2作目ではD機関に嵌められる側を、 3作目では第三者からを、 それぞれ描いているようで、これまでの3作は全て視点が異なる。 当然なのだけど、やはり、D機関をがっつり描いてくれた方がD機関好きのイチ読者としては嬉しいわけで、必然、1作目(ジョーカー・ゲーム)が今のところ一番面白かったという評価になる。 そして4作目、これは視点が全てミックスされていた。 つまり今までの3作で3つの視点を描き、今回はその3つの視点でそれぞれの話を書いた=3話収録、そういうことなんじゃないだろうか。 結論からして、正直面白かった。 3点と4点の狭間で、でも1作目には及ばないという意味で3点を付けたけれど、気持ち的には4点でもいい。 ラスト・ワルツの次に収録されている「ワルキューレ」という話がある。 この話を最後まで読むと、どうしてこの本のタイトルがラスト・ワルツなのか気付かされると思う。 ラスト・ワルツは何も、二番目の話だけを意味しているわけではなかったのだ。 これまでD機関は破竹の勢いで陸軍内部での地位を築いてきた。 けれどそれは、あくまで日本国家という国が主体性を持って存在して初めて成り立つこと。 ワルキューレの主人公は最後にこう独りごちる。 ――少し遅い。 ――日本は、もはや手の施しようがないところまできている。 ゆえに、「D機関の連中がいくら優秀なスパイだとしても」日本という国の落としどころはもはや見つけられない、と。 この言葉は、シリーズが舞台としている時代背景を鑑みるに、なるほど的を射ていると言わざるを得ない。 いよいよきたか、と思った。 さてそろそろ、このシリーズのクライマックスが来るか、と。 何事も、終わる前が一番盛り上がるものだ。 何故なら、盛り上がったからこそ落ちる(=終わる)ことになるのだから。 パラダイス・ロストで描かれたミクロ視点でのD機関の危機なんかじゃない。 もっとマクロの、如何ともしがたい時代の趨勢によって訪れる危機……それによって、どうやらD機関は終わりを迎えることになりそうだな――。 それが、今作を読み終えたわたしの率直な感想だった。 最初に、「ある意味、シリーズの「起承転結」の「転」に当たるだろう今作」と言ったのは、まさにこれが理由だ。 そういう意味で、今作は是非シリーズ好きな方に読んでもらいたい一冊。 余談だけど、映画公開に併せて「ジョーカー・ゲームの謎」という本が出版されている。 これが非常に面白い!!! スパイの歴史を(偏った思想で・笑)解説してくれていて、日本のスパイの発端が江戸御庭番に遡るだとか、幕末の御庭番が果たした役目だとか、ちょっと幕末好きにもたまらない内容がてんこ盛り。 (ついでに言えば黒田藩校の母校の名前まで出てきてビックリ!) より深くシリーズを楽しめると思うので、暇な方は是非一読をお勧めしたい^^ それにしても結城中佐、ホントに格好いいね(*´Д`*) 実写の伊勢谷さん演じる結城もめっちゃ格好いいし、是非実写の方も続編「ダブル・ジョーカー」お願いします! あ、「柩」は是非とも、入れてくださいね(笑)
Posted by
2つの短編と1つの中編からなる「ジョーカーゲーム」シリーズ。 本著のタイトルを3篇の中から選ぶのではなく、2話目の「舞踏会の夜」から採られたと思われるところがお洒落。
Posted by
お楽しみのシリーズ。やっぱりかっこいいなあ。タイトルは二篇目の「舞踏会の夜」からだろうが、これが一番洒落てて良かった。結城中佐が出てくるしね。舞踏会でラストワルツを結城中佐と踊る…、なんともヨダレが出そうなシチュエーションだこと。中篇「ワルキューレ」は正直もう一つ。話が大きくなっ...
お楽しみのシリーズ。やっぱりかっこいいなあ。タイトルは二篇目の「舞踏会の夜」からだろうが、これが一番洒落てて良かった。結城中佐が出てくるしね。舞踏会でラストワルツを結城中佐と踊る…、なんともヨダレが出そうなシチュエーションだこと。中篇「ワルキューレ」は正直もう一つ。話が大きくなった分、ちょっとチープに見える感が否めない。 今回は、年代が割にはっきり特定できる書き方になっていた。「情報は集めることより使い方が問題」「戦争が始まったらスパイの出番はない」というようなくだりからも、もしかしたらシリーズの終わりが近いのでは?という気配が漂ってくる。ずっと読みたいお気に入りなんだけどなあ。
Posted by