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冥土めぐり の商品レビュー

3.2

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

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  3. 3つ

    7

  4. 2つ

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2024/04/10

母も弟も夫もありふれた非現実感の内にあって、主人公の向けるまなざしもありふれていて、且つ語りが過剰で、最後まで辛抱が要った。

Posted byブクログ

2024/01/25

主人公の奈津子から、いかに搾取するかしか考えない毒母と毒弟が強烈だった。障害者になり、奈津子の力にはなれないが、無邪気でマイペースな夫の雰囲気がとても良かった。芥川賞を受賞した表題作のほか、実の姉に特別な感情を抱く菜菜子が主人公の『99の接吻』も収録。

Posted byブクログ

2024/01/18

タイトルに惹かれ直感的に手に取った一冊。読みはじめると非常に陰鬱な雰囲気で、読みはじめたことを後悔。 毒母と毒弟に対する主人公の気持ちにシンクロしてしまい、読み進めるのが辛かった。最後の最後に少し明るい未来を感じさせてくれ他のは救いだった。 もう一編はグロテスクな表現が多く、受け...

タイトルに惹かれ直感的に手に取った一冊。読みはじめると非常に陰鬱な雰囲気で、読みはじめたことを後悔。 毒母と毒弟に対する主人公の気持ちにシンクロしてしまい、読み進めるのが辛かった。最後の最後に少し明るい未来を感じさせてくれ他のは救いだった。 もう一編はグロテスクな表現が多く、受け入れづらかった。また、母と四姉妹の関係性も理解しがたかった。

Posted byブクログ

2023/07/06

読んでいくとタイトルに感心、執着とは違う母性とも違う愛より情かあって感じました。99の接吻では私の持ってる感性と離れてて分かり得なかったとこあり。

Posted byブクログ

2023/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

表題作と、「99の接吻」を収録。大人になった娘に寄生し依存する母弟と、脳機能障害による障害を負った夫。奈津子がそれに囚われている。ある日、思い出の保養所に夫と旅行に出る。そこで自殺してしまうのではという予感をもち恐る恐る読み進めたが、最後は薄明かりの見える結末でよかった。

Posted byブクログ

2023/02/26

プライドとお金に執着する母たち、善意が自身に向けられていることを疑わないような振る舞いを続ける夫。 ひどい、辛い、面の皮が厚い、など様々な思いを読んでる中で抱いたものの、読み進めると、果たしてどういう感情でいればよいかわからなくなる。圧倒的な筆力。感情がもっていかれます。

Posted byブクログ

2021/11/21

「冥土めぐり」「99の接吻」の二編。どちらも中性的な登場人物と癖のある登場人物との対比が面白い。冥土めぐりでは、純粋で鈍感でかつ前向きな太一。99の接吻では、中性な観察者で感性ですべてを理解する菜菜子。他の登場人物がコントラスト豊かに浮かび上がる。面白いと思いました。

Posted byブクログ

2021/09/30

読書開始日:2021年9月28日 読書終了日:2021年9月30日 所感 【冥土めぐり】 家族のかたちは様々だと小説を読んで初めてわかる。 自分は自分の家族で良かったと思えることが増えると同時に、現実は小説よりも奇なりといったもので、辛い過去として抱えて生きるものもたくさんいるこ...

読書開始日:2021年9月28日 読書終了日:2021年9月30日 所感 【冥土めぐり】 家族のかたちは様々だと小説を読んで初めてわかる。 自分は自分の家族で良かったと思えることが増えると同時に、現実は小説よりも奇なりといったもので、辛い過去として抱えて生きるものもたくさんいることがわかる。 本作はそんな拗れた家族と時を過ごした主人公の話。 母親と弟の浮世離れした人柄を痛々しい肌に描写されている。 母に関しては幼い頃の経験、弟に関しては母親をはじめとした親族からの伝承にそれぞれが縛られ、浸されている。 縛りは強固で、何を言っても、何を望んでも無駄になる。 もう一生考えが交わることが無いとわかる瞬間がある。とても怖い瞬間。 恋愛の熱に侵され、異常が日常となってしまった人に同様の恐怖を自分は感じたことがある。 主人公は、縛られた母親と弟に幼い頃から嫌悪、違和を感じるとともに、母親と弟から不当な扱いを受ける。 母親の特性である「全ての事柄に対し被害者面をし、最終的にわあわあ泣くという幼稚な表現を行う」に対し、自分もかなりの気持ち悪さを覚える。 わあわあという表現しか用いないほど幼さから脱却できない年老いた女への嫌悪と、わあわあと言う表現が通用した時代があり今でもこの表現を行えば誰かがタダで、何回も助けてくれると思っている救いようの無さへの嫌悪感を抱く。 そんな主人公へ一石を投じたのが、太一だ。 金や善意全ての飲み込んで行く母親や弟を対極に、悪意を全て飲み込み何事もなかったかのように消却する太一。運や人望に完全に見捨てられた母親や弟を対極に、不思議な運と人望で朗らかに生きる太一。 色々と気の利かない太一であるが、徐々に主人公を癒やしていった。 太一との旅行で少しずつ、過去を過去と認識できた主人公は、旅行最後の太一の鼻かみで完全に過去を捨てされた。 太一は見抜いていたのかもしれない。全て。 そう考えるとかなりの色男だ。 素敵なラスト 〜解説を読んで〜 美術館で意味のわからない絵をありのまま受けとめられるようになると同時に、虚飾に満ちた実母の自慢話が一枚の肖像画に収まっていくように感じる。芸術に触れて、気持ちを出し入れできる瞬間。辛(つら)い記憶を乗り越えるチャンス と表現しており、薄々感じていたことを言語化するとこんな感じかと思えてよかむた。 【99の接吻】 感情移入が難しい作品だった。 雰囲気は作中に出てくる単語にとらわれているのかもしれないが、なまめかしい感じが常にする。 秘密の花園、女の巣をのぞき見しているような感覚。 菜菜子は恐らくアセクシュアル。 そしてその行き場の無い愛やら恋やらは身近な姉達に注がれた。 菜菜子は人の愛し方を知っていると思う。 対象の喜怒哀楽をすべて官能的にとらえられる。 愛でられる。 対象の詳細も分析できる。 そして葉子のようになるとわかる。 一見冷静で大人な雰囲気を持つように見えるが「姉妹で1番、貞潔と放埒の間で揺れる」葉子のように。 下町のイメージや、下卑な町と下町の違いなど興味を持つ単語が多くあった。 谷根千。ぜひ行きたい。 そしてスノップ気味の自分へ警告を。 意図を持った言動や行動は、その真逆も抑えるべきだと改めて心に刻む。 冥土めぐり ただ太一は女とか妻とか、そういう種類の人間の喜ばせ方を知らないのだ 理不尽に嫌われ、理不尽に愛される ホテルと母の暴落 母親が持っていたあらゆる快楽の喪失 その渇きは何を飲んでも癒されない=自分に詐欺してるから 不協和音のような支離滅裂な妄想が奏でられる 本当に辛いのは、もうとっくに希望も未来もないのに、そのことに気づかない人たちと長い時間を過ごす 魔がさしたのだ 購めた 性的嫌がらせを受けたパーティ 闇すらも漂白した城だ 太一の世界は不公平を飲み込んでしまう 悪運、母と違う自分 見抜かれていたようだ 99の接吻 近親相姦みたいな恋愛 体も飽きるほど与えて 女になるという嫌悪感を巧みに拭う 肉まんのような白い乳房 そう言う姉さんのしかけた罠、ひとつひとつ あなたのその周到さを愛でていたい スノップ 快楽 谷根千。ほんとうのわたしたちの姿は、内気で人見知り 下町と下卑た町の違いのわからない男よ 葉子姉さんを癒やして。あなたのように、かよわい女性ができるのは、きっとそれくらいのことだわ 何をしてもいいらもうそんな無邪気な時期をわたしは終わろうとしているのかもしれない 変な男には変な男の魅力があり 神聖な儀式を簡単にしてしまった 貞潔と放埒の顔を持ち合わせた私たち姉妹そのもの

Posted byブクログ

2021/09/02

「冥土めぐり」は本当に素晴らしい。不条理や理不尽の中で思うようにいかないまま「生きていく」ということが、それぞれの登場人物を通じて、とても生々しく、リアルに描かれている気がします。

Posted byブクログ

2021/01/29

子供の頃、家族で行った海に臨むホテル。そこは母親にとって、一族の栄華を象徴する特別な場所だった。今も過去を忘れようとしない残酷な母と弟から逃れ、太一と結婚した奈津子は、久々に思い出の地を訪ねてみる…。車椅子の夫とめぐる“失われた時”への旅を通して、家族の歴史を生き直す奈津子を描く...

子供の頃、家族で行った海に臨むホテル。そこは母親にとって、一族の栄華を象徴する特別な場所だった。今も過去を忘れようとしない残酷な母と弟から逃れ、太一と結婚した奈津子は、久々に思い出の地を訪ねてみる…。車椅子の夫とめぐる“失われた時”への旅を通して、家族の歴史を生き直す奈津子を描く、感動の芥川賞受賞作。

Posted byブクログ