冥土めぐり の商品レビュー
鹿島田節全開。表題作より、99の接吻がいい。若草物語の悪意ある(?)パロディー。本当は谷根千という街自体を表現したくて、4姉妹はその象徴にすぎないのでは。近親相姦も同性愛も、ちゃちで上品で、愛なんてパロディーとうそぶいているよう。
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3年前の芥川賞受賞作。主人公の奈津子さんの現在(いま)が、救われたものなのかどうか?最期までよく分からなくてモヤモヤした。作家ご本人の旦那さんがご病気で、ご自身がアル中にまで陥った経験をお持ちだとか。壮絶。わたしも、旦那に優しくしよう。しなきゃ。と思わせてくれた一冊。
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痛い。 痛いけど心地よい。淀んでる。 個々の細かい描写が好みだった。 シーン展開はいつもどおり(?)神話的。とても良い。 「今は、意味の分からない絵でも見ることができた。奈津子は、ただ、絵を見ていた。」 『99の接吻』も美しい。 「蛍光灯のようなもの」・・・
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最初の作品は確かな存在感のある重い内容だった。2番目の作品は4人姉妹の入り組んだ関係性を一番下の妹の視点で描かれている。短編2作品。芥川賞
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第147回 芥川賞受賞作 読み終えて、どっと疲れました。 結婚後、脳の障害で不自由な生活をせざるを得なくなった夫との暮らしに幸せを見つけられない奈津子は、夫を連れ覚悟の旅へ。。。 向かった先は、子供の頃家族で止まったホテル。 今では五千円で泊まれるホテルだが、子供の頃の...
第147回 芥川賞受賞作 読み終えて、どっと疲れました。 結婚後、脳の障害で不自由な生活をせざるを得なくなった夫との暮らしに幸せを見つけられない奈津子は、夫を連れ覚悟の旅へ。。。 向かった先は、子供の頃家族で止まったホテル。 今では五千円で泊まれるホテルだが、子供の頃のそこは家族の栄華を象徴する場所だった。 今では全ての財産を失っているのにもかかわらず、いつかまた元の暮らしが待っていると謙虚さの欠片もない母と、プライドの塊でうまく行かないのは誰かのせいと疑わない無職の弟。 その二人の存在こそ、奈津子を死に向かわせた理由だった。 奈津子の母と弟への嫌悪感は、ただただ陰鬱で気持ち悪かった。 感情の無い奈津子と、無邪気な夫との旅。 呪縛から逃れるための覚悟の旅から、奈津子の気持ちを少し動かしたものは。。。 いやぁ、それにしてもどう読み解けばいいのか、私にはよくわかりません。 なんとも言えない後味の悪さが残りました。。。
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第147回芥川賞受賞作。表題作の他、『99の接吻』を収録。 受賞当時は特に注目していなかったのだが、文庫化されて読んでみると、予想以上にストレートな内容だった。『ゼロの王国』もそうだったが、鹿島田真希は時々、ド直球を投げてくるなぁ。 『99の接吻』は女ばかりの家族の不思議な愛情を...
第147回芥川賞受賞作。表題作の他、『99の接吻』を収録。 受賞当時は特に注目していなかったのだが、文庫化されて読んでみると、予想以上にストレートな内容だった。『ゼロの王国』もそうだったが、鹿島田真希は時々、ド直球を投げてくるなぁ。 『99の接吻』は女ばかりの家族の不思議な愛情を描いていて、どちらかというとこちらの方が好みだった。但し愛情としてはかなり行き過ぎてで、執着とか執念に近いものがあり、読者を選ぶかもしれない。重ねて個人的な好みを言うと、もう少しマンディアルグ的な硬質のエロティシズムを感じさせる作品の方がいいなぁ、とは思う。
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裕福だった過去に執着する傲慢な母と弟。彼らから逃れ結婚した奈津子だが、夫が不治の病になってしまう。だがそれは、奇跡のような幸運だった。車椅子の夫とたどる失われた過去への旅を描く芥川賞受賞作。
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