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定本 百鬼夜行 陽 の商品レビュー

3.8

32件のお客様レビュー

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2021/04/17

「変わりないのだ。五十歩百歩だ。いいか平田。平田君。儂は悔いのない生き方をして来たつもりだよ。神懸けて世間様に恥じ入らにゃならんようなこともしておらん。でもな、悔いるつもりになれび悔いばかりだし、恥じようと思えば恥ばかりだ。そんなものだよ平田君」 これは、結構グサリときた。 簡単...

「変わりないのだ。五十歩百歩だ。いいか平田。平田君。儂は悔いのない生き方をして来たつもりだよ。神懸けて世間様に恥じ入らにゃならんようなこともしておらん。でもな、悔いるつもりになれび悔いばかりだし、恥じようと思えば恥ばかりだ。そんなものだよ平田君」 これは、結構グサリときた。 簡単に言えば心の持ちよう、ということなんだろうけど言語化されることで改めて意識しなおすきっかけになる。悔いるにしても悔いないにしても漫然とその道を生きては人間として成長することはないのだろう。何故悔いるのか、何故悔いないのか一度立ち止まることも大切かも。

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2020/10/21

合わない人にはくどく読みにくいと思うが僕には心地良い。 作者の感性と言うか物事に対する捉え方が成程と思ってしまう。 文章もとても洗練されていて内容以前に文章の奇麗さに惹きつけられるのはこの人と藤沢周平ぐらい。 文量も結構あるのでお得な安定した内容。

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2019/12/17

短編10話。青行燈:青に染まる冥い部屋、幽霊にもう一度逢うこと願う老人と雰囲気抜群。青鷺火:人は死んだら鳥になる云々の話がかなり好き。他にも大鷹くんがヤバイ話、榎さんの過去話とどれも面白い。しかし鵺の碑の登場人物チラ見せからのいつまでも出さない放置プレイはやめてくれ!

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2019/11/02

悪や嫉妬や無知や恥。 それらを形にすると、ヒトには見えない、妖のようなものになるのではあるまいか。 そんな風に読めました。

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2019/09/01

人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。

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2019/08/25

かつて読んだ本のリストをチェックしているうちに京極夏彦 の「百鬼夜行シリーズ」が懐かしく思い出された。またあの 世界に浸りたいなぁと思ったのだが、ご存じの通り読み出す と途轍もなく長い(苦笑)。映画や漫画でお茶を濁すのも少し 違うと思ったので、シリーズ中まだ読んでいなかった短編集...

かつて読んだ本のリストをチェックしているうちに京極夏彦 の「百鬼夜行シリーズ」が懐かしく思い出された。またあの 世界に浸りたいなぁと思ったのだが、ご存じの通り読み出す と途轍もなく長い(苦笑)。映画や漫画でお茶を濁すのも少し 違うと思ったので、シリーズ中まだ読んでいなかった短編集 の本書と中禅寺敦子が主役の今昔百鬼拾遺三冊を読んでみる ことにした。 で、この「陽」である。長編を読んでいない人にも楽しめる ように書かれているとのことだが、やはりこの本は長編を 楽しんだ人向けのボーナストラックのようなものだろう。 すっかり忘れていることも多く、ネットであれこれ検索し ながらの読書だったが、楽しく読むことが出来た。特にここ 最近古本市・古本屋巡りが趣味と化している当方にとっては 初っぱなの京極堂の古本講義がとても面白かった。

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2018/11/12

京極堂シリーズの短編集。レギュラーメンバーが直接的に登場するのは2作だけだけど、それぞれの世界観や語り口は共通。短編とはいえ、それぞれ普通なら1冊にできるようなボリュームで読み応えあり。

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2017/10/30

夢中になって読んだ「京極堂シリーズ」ですが、現時点で最新作の「邪魅の雫」が出版されてからかなりの歳月が経過し、すっかり記憶も薄れてしまいました。 とはいえ、好きなキャラクターの一人であるセツちゃんの登場は嬉しく、中々出版されない次回作につながる話もあるようで期待感。 とりあえず本...

夢中になって読んだ「京極堂シリーズ」ですが、現時点で最新作の「邪魅の雫」が出版されてからかなりの歳月が経過し、すっかり記憶も薄れてしまいました。 とはいえ、好きなキャラクターの一人であるセツちゃんの登場は嬉しく、中々出版されない次回作につながる話もあるようで期待感。 とりあえず本編読み直してから出直します。

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2024/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 2年前、この作品が発表されて、「文庫まで待とう」と決めていました。まだ京極さんの作品の中で読んでいないものがあったからです。なので、2年間すごく楽しみにしていました。本屋さんの偶々文庫化をしているのを見つけたときはニヤけが止まりませんでした。  京極堂シリーズに登場する関係者にスポットライトを当てた短編集です。1話ずつ、ちゃんと感想を書きたいので、この読書メモは長くなる予感がします。 「青行灯」(陰摩羅鬼の瑕より平田)  事件の後日談。平田が由良家の財産を任され、古書を処分するために京極堂を訪れる場面もあります。ラストが謎でした。平田の妹って?由良老人は何を知っているのでしょう。 「大首」(陰摩羅鬼の瑕、邪魅の雫より大鷹)  この人、好きにはなれませんが、嫌いでもない人でした。ただ、まっすぐ過ぎて怖い面もあって、ドロドロですね。この人は、徳子さんともしも結婚していたら、少し違っていたのではないでしょうか。 「屏風闚」(絡新婦の理よりマキ)  まさかマキばあちゃんにスポットがあたるとは。木場がちょくちょく様子を見に行ってくれるといいな。 「鬼童」(邪魅の雫より江藤)  神埼宏美は大っ嫌いです。全てこの女のせいだと思います。それでも江藤も嫌いです。パラサイト、なのかな。生きれるから死なないから生きる。榎木津に空っぽって言われ、なんか自分にもあてはまるんじゃないか、とか考えます。それを思うと余計に嫌だ。 「青鷺火」(狂骨の夢より宇田川)  宇田川先生!この人は本当に気の毒でした・・・。この作品(狂骨)がとてもとても悲しい結末だったので、また悲しくなってきました。 「墓の火」(鵺の碑より寒川)  鵺の作品ですね。もー気になって仕方ないです。早く鵺の碑が読みたいです。 「青女房」(魍魎の匣より寺田)  匣の教主様ですね。鬱病、今でもそんなに理解されている訳ではない。頭でわかっていても、気持ちがついていかない。それが病とわからなかった時代ではとくに・・・。 「雨女」(邪魅の雫より赤木)  泣いてしまいした。電車の中で。赤木、不器用だけど、本当に優しい人だったんですね。優しくないと言い訳をたくさんしているけど、自分の評価は違うのだろうけど、人は未来が見えるわけではありません。だから、正解(この場合、何が正しいのか微妙ですが)はわからないです。赤木がした行為で救われたことも多くあるはずです。もっと悲惨なことになっていた可能性だってあります。私は赤木が好きです。  ほんとに、神崎と江藤、許せん。 「蛇帯」(鵺の碑より登和子)  榎木津の兄が初登場するのではないでしょうか。ううーん、どんな作品なのでしょう。碑はキーワードですね。寒川父が見つけたとんでもないものって・・・  あと、セツが元気そうでうれしかったです。 「目競」(榎さんの話)  なるほど、と納得する話。とても面白かったです。そして関口くんがまさか出てくるとは思っていなかったので、うれしすぎです。  本作は榎さんの目の話。人の記憶が見える目。本人は説明が嫌いだから、作中で自分の目のことを説明してくれることがありません。それをこうやって解説してくれるまた違った視点で榎さんを知ることになりました。榎さんは人気がありますが、その人気の理由もわかります。そして、京極堂でごろごろしているのは、視ないようにするためだったんですね。  本当に、大満足な1冊でした。眠くなってきたのでこれで眠ることにします・・・。

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2017/06/28

2017.6.28 ★3.0 百鬼夜行シリーズのサイドストーリー短編集。 百鬼夜行シリーズは全て読んでいるものの、登場人物の名前と性格を覚えていないので、全く別物として読んだ。 どの話も暗い終わりを迎える。 唯一覚えている榎木津の話だけはしっかりと興味深く読めた。 ↓↓↓あ...

2017.6.28 ★3.0 百鬼夜行シリーズのサイドストーリー短編集。 百鬼夜行シリーズは全て読んでいるものの、登場人物の名前と性格を覚えていないので、全く別物として読んだ。 どの話も暗い終わりを迎える。 唯一覚えている榎木津の話だけはしっかりと興味深く読めた。 ↓↓↓あらすじ↓↓↓ 人に見えないものが視える。闇の中に、他人の恐怖が悔恨が苦痛が悲哀が―視えてしまう。そんな男、榎木津礼二郎にとりついているのは魚の眼だった(「目競」)。『狂骨の夢』『絡新婦の理』『邪魅の雫』他の名作、そして『鵺の碑』に登場する者たちの闇と因果を綴る怪異譚。魔術的な語りの果てに―妖しきものが現れる。

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