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インドクリスタル の商品レビュー

4.1

47件のお客様レビュー

  1. 5つ

    16

  2. 4つ

    19

  3. 3つ

    6

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

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2016/09/26

ロサの存在感が凄いの一言。薄っぺらな人道主義とか平等主義とか人権意識なんかを嘲笑う、インドの現実。こちらの視点で見れば「過酷」「悲惨」だけども彼らにしてみれば、これが「普通」なワケで。中世かよ?と思うような価値観の中、自由を模索して抗うロサの生き様が印象的でした。

Posted byブクログ

2016/07/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いやあ、面白かった。イッキ読み…と言いたいが、一介の主婦の身で、浮世の義理にそうも行かず。 縦軸に、インドクリスタルを巡る中小先端企業の社長の奔走、横軸に一風変わったファム・ファタル、ロサとの交流。ロサの話だけでも一つの物語になりそうなのに、勿体無い、とは普段骨子の貧しい話を読まされている反動か。 「弥勒」のパスキム、「ゴサインタン」のネパールを思い出す。 ペン一本で世界を構築する、こういう作家はとって貴重。

Posted byブクログ

2016/03/12

ながい…完成度も高いし話も面白いけど、そんなに入りこめなかったなぁというのが正直な感想。 多分、登場人物に感情移入出来なかったからかな?藤原は真っ当すぎるし、ロサも神秘的だけど、色んな意味で次元が違いすぎて感情を読むことは不可能に近いし笑。 まぁそんなことを意図してる作品でも...

ながい…完成度も高いし話も面白いけど、そんなに入りこめなかったなぁというのが正直な感想。 多分、登場人物に感情移入出来なかったからかな?藤原は真っ当すぎるし、ロサも神秘的だけど、色んな意味で次元が違いすぎて感情を読むことは不可能に近いし笑。 まぁそんなことを意図してる作品でもないのだけどね。流石ベテラン作家という感じの、玄人向けしそうは小説です。

Posted byブクログ

2016/03/01

水晶の買い付けがこのように権謀術数,冒険大活劇,になるとは.インドに限ったことではないだろうが,商社の大変さがよく分かる.その上,インドのカーストや男尊女卑といった根深い格差社会,村と部族にゲリラまで登場し,問題山積みの小説.そこに,ロサという特異なの力を持った少女が,核として輝...

水晶の買い付けがこのように権謀術数,冒険大活劇,になるとは.インドに限ったことではないだろうが,商社の大変さがよく分かる.その上,インドのカーストや男尊女卑といった根深い格差社会,村と部族にゲリラまで登場し,問題山積みの小説.そこに,ロサという特異なの力を持った少女が,核として輝きを放って存在する.最後まで,彼女の真意がはっきりしないで,読むほうも引っ張られるが,最後の最後,ホッとしてページを閉じることができてよかった.

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2016/02/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

インドの奥地の高純度水晶と高知能を備えた部族少女の物語。 日本実中小企業社長のクリスタルの発掘利用に焦点を当てると池井戸的作品にもなり得るほど、企業事情をしっかり調査しておられるようでした。 インド奥地での冒険的悪戦苦闘に焦点を当てると船戸的作品になり得るほど、インドの内在している民族問題やNGO問題も臨場感のある描写がされていました。 しかし、あくまで篠田作品足り得るのは、部族少女ロサの存在感と藤岡の日本人らしい思考での視点であると思います。 藤岡からロサに対する淡き恋心らしきものや同情心は理解できたし、ロサの援助に対する拒絶姿勢には高潔な感じがしました。 ただ、藤岡のロサに対する諦めの悪さはちょっと違和感がありました。 それにしても内容も分量も重い小説でしたが、大変面白かったです。

Posted byブクログ

2016/01/30

初篠田節子さん。 あんなに華奢な女性が書いたとは とても思えない圧倒的な重量感のある作品。 ほんとにインドって、インドってすごいわ。 現代のお話とは思えない、 なんでもありなこのお国柄を すごくディープなところまで 初めて知ったことばかりで 頭がパンパン、許容範囲を軽く 越えて...

初篠田節子さん。 あんなに華奢な女性が書いたとは とても思えない圧倒的な重量感のある作品。 ほんとにインドって、インドってすごいわ。 現代のお話とは思えない、 なんでもありなこのお国柄を すごくディープなところまで 初めて知ったことばかりで 頭がパンパン、許容範囲を軽く 越えていきました。

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2015/11/08

外国資本による誘惑。砕かれるクリスタル。クリスタルのかけらに導かれ、鉱夫や暴徒にジョブチェンジする原住民たち。 辺境での原料調達を魅力少なめに伝える一冊。インドに行きたくなくなる。今日も日本は平和だなぁ。

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2015/10/04

2015.10.4.宇宙関連機器に使用する高純度の水晶を求めてインド奥地に赴く人口水晶製造会社社長の主人公藤岡。ビジネスを通じて関わることになった有力者の使用人の少女の類いまれない知的能力に気づき、その少女の才能を開花し、成長させたいところですね願う。しかし、主人はその少女を悪の...

2015.10.4.宇宙関連機器に使用する高純度の水晶を求めてインド奥地に赴く人口水晶製造会社社長の主人公藤岡。ビジネスを通じて関わることになった有力者の使用人の少女の類いまれない知的能力に気づき、その少女の才能を開花し、成長させたいところですね願う。しかし、主人はその少女を悪の種と呼ぶ。謎に満ちた、少女との関わり、そしてインド奥地の部族との鉱物ビジネスを通じ、インドの闇深く進んでいく主人公とそのビジネスの顛末が骨太に描かれていく。上下二段組541ページの大作だったが面白くて、ほぼ一気読みだった。底知れない大国インドの文化の奥深さ、恐ろしさが詳しく描かれていった。正義感のみで語ることの愚かしさなど、篠田さんらしい見方が随所に示され非常に読み応えがある一作で、読書の楽しさを堪能てきた。

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2015/09/26

人工水晶製造開発会社の社長、藤岡は惑星探査機用の人工水晶の核となるマザークリスタルを求めてインドの寒村に赴く。宿泊先での、少女ロサとの出会いが藤岡をインドの闇へと導いていく。 インドの女性差別、貧富の差、中央と地方の隔たり、そして搾取される貧民。 契約の概念も少なく、臆面も無く自...

人工水晶製造開発会社の社長、藤岡は惑星探査機用の人工水晶の核となるマザークリスタルを求めてインドの寒村に赴く。宿泊先での、少女ロサとの出会いが藤岡をインドの闇へと導いていく。 インドの女性差別、貧富の差、中央と地方の隔たり、そして搾取される貧民。 契約の概念も少なく、臆面も無く自分たちの要求を突き付けて来る村人。 経済成長の著しいインドの、隠れた闇。 暫くぶりに堪能できる作品に触れた。

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2015/08/30

篠田さんには、いつも安定した高レベル作品を読ませてもらえる。 今回のものは WOWOW とか Netflix でドラマ化できそうな感じ。 2015 年 第10回「中央公論文芸賞」受賞作品。

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