月光のスティグマ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
2015年2月27日読了『月光のスティグマ』中山七里著 評価B 中山氏らしいスピード感ある物語の展開ではあるが、紙数の関係なのか? いかんせん話にふくらみが無くただ一直線にスタートダッシュ、そしてフィニッシュという印象。残念ながら、お薦めは出来ません。どうしても読みたい場合は、図書館で借りるのが良いでしょう。 神戸に住む近所同士の神川淳平と一卵性の双子 八重樫優衣と麻衣。 ある夜、淳平は偶然にも家の近所で八重樫姉妹のどちらかが何故か淳平の兄の省吾を傷つけて兄が倒れる所を見てしまう。八重樫姉妹を愛する淳平は兄をさされた現実に混乱しつつも、現場を立ち去る。その夜の朝方、あの阪神大震災が起きて、淳平は両親を失い、さらに隣家の優衣を助け出すも、火が回り彼女の母と姉妹、麻衣をも失う。その後、避難所へたどり着いた後、ある日、忽然と優衣は姿を消す。 時は経ち、十数年後、淳平は東京地検特捜部の検察官となり、人気抜群の二世政治家是枝の政治資金の隠れ蓑組織である震災孤児育英会を内偵していた。 偶然にも八重樫優衣はその内偵当事者たる是枝氏の私設秘書として、震災孤児育英会で再会する。 検察官としての務めに徹するのか、優衣のために自分を抑えるのか?悩む淳平。 続いて起きる東日本大震災により政権政党の幹事長となった是枝は、育英会に潜入していた淳平を解職して後顧の憂いを絶ち、さらに育英会を発展させて海外戦争孤児をも対象に活動を広げる建前により、海外送金を活発化させるが、それは巧妙に仕組まれたマネーロンダリングであった。そこに東京国税局の調査が入り、警戒した八重樫は急ぎ送金先のアルジェリアに飛ぶ。それを追って淳平もアルジェリアへ急行する。しかし、そこでテロ集団に優衣も淳平も巻き込まれて囚われてしまう。そこで待ち受ける過酷な運命。
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前半、引き込まれたが後半、詰め込みすぎで行間がスカスカになっているような印象だった。これはシドニイ・シェルダン? こっから駆け足ですか~~っと残念。
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タイムリーにえらいもの読んじゃったなというのが1番の感想。内容は帯ほどのインパクトはないものの194pの「古い傷痕だが瘡蓋を剥がせばそれなりに痛い」が印象的。震災、テロ、戦争その他悲惨な出来事は風化させてはいけないけれど当事者の気持ちを現す的確な言葉のひとつではないだろうか。なん...
タイムリーにえらいもの読んじゃったなというのが1番の感想。内容は帯ほどのインパクトはないものの194pの「古い傷痕だが瘡蓋を剥がせばそれなりに痛い」が印象的。震災、テロ、戦争その他悲惨な出来事は風化させてはいけないけれど当事者の気持ちを現す的確な言葉のひとつではないだろうか。なんとなくそれらの当事者にはもうこういうストーリーは不要なのではないかなあと思う。当事者以外に現実を知らせるのは小説家の仕事ではないと思うのは私だけだろうか?
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後藤さん、湯川さんの人質事件直後の余りにもタイムリーな時期でツライものがありました。 震災二つとテロが絡んだ社会派のようですが、実は真面目な男子が美女に振り回された色恋モノだったのでしょうか。
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淳平の双子の幼なじみ麻衣と優衣。阪神淡路大震災が起きる前夜兄を刺したのは麻衣?助かったのは優衣で間違いないのか? 再会した時、淳平は特捜部検事で政治家の是枝の不正の証拠を探していた。そして、優衣は是枝の私設秘書となっていた。そんなとき東日本大震災が起きる。 スティグマ=傷...
淳平の双子の幼なじみ麻衣と優衣。阪神淡路大震災が起きる前夜兄を刺したのは麻衣?助かったのは優衣で間違いないのか? 再会した時、淳平は特捜部検事で政治家の是枝の不正の証拠を探していた。そして、優衣は是枝の私設秘書となっていた。そんなとき東日本大震災が起きる。 スティグマ=傷痕 震災×2に寄付金詐欺の手口にテロと盛りだくさん!それぞれテーマが重いのに、詰め込み過ぎた感が…。なんだかもったいない感じがしました。誰が兄を刺したのか気になっていたのに追及したわけでなく、やむを得ないという場面での告白であっさり終わってしまい拍子抜けしました。何を書きたかったのかよくわからずでした。 最近、中山さん震災の話が多いような。是枝に心酔してしまっているししょうがないかもしれないけれども悲しいラストでした。
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神戸での双子姉妹と隣家の男の子の話は、時を経てアルジェリアでのテロ事件に二人が巻き込まれる。 テロの人質となる場面は、今現在連日トップニュースとなっている、後藤さん達の事が頭に浮かび、背筋が寒くなった。 後藤さんの無事解放を祈ります! 物語の、細かい繋がりはあまり気にしない方がよ...
神戸での双子姉妹と隣家の男の子の話は、時を経てアルジェリアでのテロ事件に二人が巻き込まれる。 テロの人質となる場面は、今現在連日トップニュースとなっている、後藤さん達の事が頭に浮かび、背筋が寒くなった。 後藤さんの無事解放を祈ります! 物語の、細かい繋がりはあまり気にしない方がよい。 2015.01.27 後藤さんは、まだ解放されません。早く解放されて、後藤さんが願う、世界の苦しんでいる人達の事を思うメッセージがまた発信されますように! 2015.1.29 後藤さんの殺害は許せない。 2015.02.01
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冒頭─── ヒグラシの鳴き声が雨のように降り注いでいた。 緊張している時は周囲の音が必要以上に耳に入るんだな───淳平はそんな風に考えた。 「やっぱり、恥ずかしいよお」 そう言って優衣が渋ると、隣ではや下着を下ろしていた姉の麻衣が軽く睨んだ。 「あかん。あたしもう脱いだんや...
冒頭─── ヒグラシの鳴き声が雨のように降り注いでいた。 緊張している時は周囲の音が必要以上に耳に入るんだな───淳平はそんな風に考えた。 「やっぱり、恥ずかしいよお」 そう言って優衣が渋ると、隣ではや下着を下ろしていた姉の麻衣が軽く睨んだ。 「あかん。あたしもう脱いだんやから。ねえ、先生」 先生と呼ばれた淳平は少しどぎまぎしながらも「そうだよ」と言い添えた。 「二人とも患者さんなんやから、お医者さんの言うことを聞きなさい」 二対一ではしょうがない。優衣は口をへの字に曲げながら自分も下着を下ろした。臍から足首までがすっかり露わになるが、二人ともどこにも痣もシミもない滑らかな肌で、子供心に綺麗だと思った。 「え、えっと。じゃあしんさつを始めます」 淳平は聴診器の代わりのイヤフォンを耳に当てると、二人の下半身を観察し始めた。 ────── 男の子淳平には、幼馴染の可愛い双子姉妹の友達がいた。 一卵性双生児ゆえに、家族以外は二人の区別がつかない人が殆どの中で、淳平だけは、何故か彼女たちを見分けることが出来た。 小学校低学年から高学年、中学生になっても、麻衣と優衣という双子姉妹との仲の良さは変わらない。 二人の美少女はどちらも淳平が好きだった。 思春期になった淳平にも恋心が芽生え、どちらかを選ぶ時期が迫ってきた。 中学三年、淳平が選んだのは、どちらかといえば控えめな優衣だった。 二人の淡い恋愛が始まろうとしていたある日、淳平は事件を偶然目撃する。 その直後、大地震が発生。阪神淡路大震災だ。 淳平の両親や家族、麻衣や優衣は無事なのか、事件の被害者は───。 それから十五年───。 ・見分けのつかない二人の美人姉妹 ・阪神淡路大震災 ・東日本大震災 これらがキーワードとなって物語が展開するのだから、面白くないわけがない。 安直な題材を使いすぎかもしれないが、構成としては良く練られており、引っ張られるように一気に読んでしまった。 こんなに周りが目を見張るほどの美少女二人に同時に好かれるなんて、うらやましいぞ淳平、と思いながら読んでいた。 てっきり、双子のその後にミステリー要素が絡むのかと思ったが、そうでもなく、恋愛小説のような終わり方だった。 それにしても中山七里のここ最近の作品発表のペースには驚く。 三カ月に一度程度の割合で新刊を出版している。 さすがに新人賞に二作応募し、どちらも最終選考に残っただけのことはある。 懐が広いのだろう。プロットやキャラ設定、謎解きなどがどんどん頭の中に沸いてくるのかな? 羨ましい。 東野圭吾か、はたまた平成の森村誠一か? といった具合である。 一月にもまた新刊が発刊されるようだし、その精力的活動には脱帽せざるを得ない。 どんどん、読ませていただきましょう。
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ミステリー要素はほとんどなし。 設定はおもしろいけど色々詰め込みすぎた感。 でもスリルや緊張感は十分で、サスペンスとしては楽しめました。 切ない終わり方でもやもや。
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