21世紀の資本 の商品レビュー
「はじめに」の時点で寝オチ。著者が読者と情報を共有できるよう、正確に定義だとか方向性とか語ってるのは伝わるんだけど、とにかく文章が長くて長くて、1文読んでは「で、すまん今何の話してたっけ?」って主語を探しに戻るはめになる。もうちょっと頑張るつもりだけど、よだれを垂らして討死にしそ...
「はじめに」の時点で寝オチ。著者が読者と情報を共有できるよう、正確に定義だとか方向性とか語ってるのは伝わるんだけど、とにかく文章が長くて長くて、1文読んでは「で、すまん今何の話してたっけ?」って主語を探しに戻るはめになる。もうちょっと頑張るつもりだけど、よだれを垂らして討死にしそうな気がしてならない。
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怖い、怖いよピケティさん。本書では格差を縮小する政策の提言がされているが、表向きのものともう一つ、裏向きのものがある。 かつて格差が縮小した時期と同じことをすれば、そのときも縮まるということだろう。 読んでいて背筋が寒くなった。
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実証的分析は、説得性があり、解決策も理論的には正しいと思われる。実現性には疑問符を付けざるを得ない。
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富のトップ百分位内の超高所得層の世界では、もはや人間一個人としてその富を独占することの正当性なんぞどこにもない。百歩譲って、それが己の能力で得た労働所得であるならば理解できなくもない。でも、相続での資本所得によるならば、まあ生まれもった運不運はあるから、いくらかの世襲は容認すると...
富のトップ百分位内の超高所得層の世界では、もはや人間一個人としてその富を独占することの正当性なんぞどこにもない。百歩譲って、それが己の能力で得た労働所得であるならば理解できなくもない。でも、相続での資本所得によるならば、まあ生まれもった運不運はあるから、いくらかの世襲は容認するとしても、再分配せんとなりません。そこでピケティ氏は、厳しい累進所得税の実現を説いておられるんですな。しかし、この二百数十年のデータを解析した彼をもってしても、経済予測というのは極めて困難なんだね。
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150919 中央図書館 通読するだけでも、とんでもない時間を要す。基本的には自由市場的テーゼだけで所得分配の公平をなし得ない、とする。記述は、よみやすく、データに対しては誠実(なのだと思う)。古今東西のデータを分析する実証経済学の立場だが、こんな仕事は現代でなければなしえなかっ...
150919 中央図書館 通読するだけでも、とんでもない時間を要す。基本的には自由市場的テーゼだけで所得分配の公平をなし得ない、とする。記述は、よみやすく、データに対しては誠実(なのだと思う)。古今東西のデータを分析する実証経済学の立場だが、こんな仕事は現代でなければなしえなかっただろう。
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やっと読み終わったが、行きつ戻りつしながら半年近くかかってしまった。 もうブームは去ってしまったのか・・・ 富と所得の分配について再度考えさせられるきっかけになったこと、関連する日本経済構造のベースはアメリカではなくヨーロッパに近いことが再認識できたことは大いにメリットであったが...
やっと読み終わったが、行きつ戻りつしながら半年近くかかってしまった。 もうブームは去ってしまったのか・・・ 富と所得の分配について再度考えさせられるきっかけになったこと、関連する日本経済構造のベースはアメリカではなくヨーロッパに近いことが再認識できたことは大いにメリットであったが、正直それ以外いまいち得たものがなかった。 私の意識が低すぎるのかも知れないが。 2回目 発刊当時は上記の様に感じたが、今になって書かれていることがようやく理解できるようになった気がする。 ピケティ少し先を行き過ぎていたのかも知れない。これから再評価されるのではという気がする。
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あまりに有名となった不等式「r>g」すなわち、過去に蓄積された富である民間資本の収益率r(利子、配当、賃料など)が、新たに生み出される富(所得や算出)の増加率である経済成長率gを上回るとき、富の分配は既に資本を持つ層に収斂する。これは資本主義というシステムに内在する不可避なメカ...
あまりに有名となった不等式「r>g」すなわち、過去に蓄積された富である民間資本の収益率r(利子、配当、賃料など)が、新たに生み出される富(所得や算出)の増加率である経済成長率gを上回るとき、富の分配は既に資本を持つ層に収斂する。これは資本主義というシステムに内在する不可避なメカニズムであり、つまり資本主義とは自ら持続不可能な格差を生み出すシステムである。 著者はこのことを時間・空間両面で広大なスコープによって検証しており、本書の大部分は著者が集めた古くは18世紀頃まで遡る世界各国に現存する数値データや文学作品に至るまでの膨大な史料を用いた丁寧な分析に割かれる。例えば、20世紀に縮小したように見える格差は、“文明の発展”によるものではなく、二度の世界大戦がもたらした偶発的な富の再分配だったことを証明し、むしろ今日では、相続社会の再来とスーパー経営者への所得の偏りなどによって、19世紀までの格差社会に戻りつつあるという。 このような状況に対する処方箋として著者は「資本に対する累進課税」を提唱するが、そのためにはグローバルに最適な税務環境を目指してタックスヘイブンなどに“逃げ回る”資本を捕捉し、「資産台帳」として透明化し適正に管理する必要がある。資本税の実現可能性については議論があるだろう。ある意味でチャーチルの「資本主義は最悪のシステムだ。ただし過去存在した他のすべてのシステムを除けば、だが」という言葉が真であることを、膨大な史料分析によって実証した一冊といえる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
長らく本棚の肥やしにしていたのを一念発起して読んだが、長かった。正直言って読んだことの9割方は経済、歴史の知識不足で理解できずにすぐ忘れてしまったが、600ページの本書の主張を、僕なりにまとめると次の通り。 ・20世紀になって先進国における貧富の格差が縮まったことは人類の進歩(工業化)の結果と思われていたけど、実のところそれは2度の世界大戦で富裕層の資産が破壊されたという異常事態が誤解されただけ。 ・普遍的な法則「r>g」によって今はまた19世紀以前のような大きな格差の方向に戻りつつある。 ・政策で意図的に調整しないと「r」は下がらないから、各国政府はちゃんと政策介入しましょう(クズネッツ曲線は前述の異常事態時のデータを基に考案されたものだから、普遍的な正しさはない)。 ・介入の方法はインフレ、経済成長、教育への投資などいくつかあるけど、累進資本税が一番副作用がなく、うまいやり方だと思う。 ・累進資本税は世界各国で一律にやることが重要(単に金持ちが自分の財産を外国に逃がすだけで終わってしまうから)。ただ、世界一緒にやるのは…みんな色んな思惑があるから難しいよねえ。 ということで、「これが答えだ!」ということを断定的に書いている本ではなかった。 ただ、この本の真価は主張そのものなのではなく、これまで空中戦に近い議論だった(らしい)経済学(特にマルクスあたりまでの近代経済学はほとんどデータなしの思考実験ベースだったようだ。最初にデータを活用し始めたクズネッツは上述のとおり結果的にデタラメ)に対して、「思い込みで議論するはやめましょうよ。はい、これデータね。」と議論の根拠を示したことではないかと思う。実際、本書に書かれている内容の大半はデータとその根拠や妥当性、読み取り方であって、思想ではない。このへん、「当たり前の内容とつまらん結論」なんてクサす人もいるが、それが確認できたことが大きいのではないかと。 上っ面な理解で済まさないようにするには知らなきゃならないことがまだまだあるけど、とりあえずはこんなところか。
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「(略)数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなど、まずあり得ないのだ。」 上記は最後の一文を引用した。エリートと同じやり方なんてしなくても、市井の人々はどんどん間違って良いと思う。 とにかく現代必読の書。読むのにとても時間がかかったが...
「(略)数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなど、まずあり得ないのだ。」 上記は最後の一文を引用した。エリートと同じやり方なんてしなくても、市井の人々はどんどん間違って良いと思う。 とにかく現代必読の書。読むのにとても時間がかかったがその価値はお値段以上と思う。
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よくこんな膨大な資料をまとめたもんだと思います。トップの0.1%について、今まで異常値として処理していたところに注目したところはすごい、金融は各国の思惑が大きいので、金融口座を監視して資本税ととるのは机上の空論だと思いますが、税金を取りたい政府はこの理論歓迎するわけです。
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