1,800円以上の注文で送料無料

からくさ図書館来客簿(第三集) の商品レビュー

3.9

15件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    3

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

からくさ図書館3作目。 滝沢馬琴と歴史小説家を目指している高校生、 金魚屋の店主と和菓子職人、 隠岐の島の海女とUターンした図書館司書。 最後の話では、篁がかつての流刑地、隠岐の島に出張するが、 金魚がらみの和菓子職人の話の方が印象的だった。 上見と横見とか、金魚の知識が面白かったのか、 金魚屋の出会いが、実は幼いころの金魚すくいにつながっていたからか、 単に自分が食い意地が張っていて和菓子の話が楽しかったのか。 太田道灌が冥官として登場。

Posted byブクログ

2018/01/26

「馬琴の謎かけ」 ただ文字を目で追うだけでなく。 どんな時代に書かれた文学か、何のために書かれた物なのか少し考えるだけで読み手の捉え方も変わってきそうだな。 一昔前の文学を原文のまま読むと、暗号を読んでいる気分になるかもしれないな。 「金魚と琥珀」 最後に聞いた怒鳴り声。 人生...

「馬琴の謎かけ」 ただ文字を目で追うだけでなく。 どんな時代に書かれた文学か、何のために書かれた物なのか少し考えるだけで読み手の捉え方も変わってきそうだな。 一昔前の文学を原文のまま読むと、暗号を読んでいる気分になるかもしれないな。 「金魚と琥珀」 最後に聞いた怒鳴り声。 人生の終わりに聞く言葉が、あれだと心残りどころではないだろうな…。 あれだけ色んな人から助言を受けた彼は、結局思い通りの和菓子を作れたのだろうか。 「わたの原」 書物を捨てなければならぬ理由は。 数少ない人口で出来た町村だと、若者が外に憧れる物を見せたくないしれないな…。 ただ本当に故郷を大切に思っているのであれば、一度出ていっても数年後に戻ってくるのではないだろうか。

Posted byブクログ

2017/04/08

いつものように風情ある京都(*´-`)と思っていたら、篁が隠岐へ出張する話も(^o^;)これからも京都以外の話が登場するかも?と楽しみになった♪流し(?)の冥官、縄張りを持つ冥官それに安祥儀(魂を天道へ返す道具)を持つ者と持たないものといろんな冥官がいるんだな~(゜.゜)時子様が...

いつものように風情ある京都(*´-`)と思っていたら、篁が隠岐へ出張する話も(^o^;)これからも京都以外の話が登場するかも?と楽しみになった♪流し(?)の冥官、縄張りを持つ冥官それに安祥儀(魂を天道へ返す道具)を持つ者と持たないものといろんな冥官がいるんだな~(゜.゜)時子様が篁のように安祥儀を持たない!と決めた時は大変そうだけど頑張れ‼と応援した(^^)あっ!時子様の教育係・篁も頑張れ(^^;)

Posted byブクログ

2017/02/07

まぁおもしろいよ。隠岐島もいった事あるし。里見八犬伝ね。一応読みたいリストに前から入ってるねん。薬師丸ひろ子の映画が好きだったからね。

Posted byブクログ

2016/09/30

シリーズ第3弾。 京都にいる、他の冥官と連携して道なしを送ったり、旧知の道なしが現れたり、今までの関わった人たちが常連となって登場したりして、人間関係が濃くなっている。

Posted byブクログ

2016/07/16

顔が見えないから素直になれる時もあるねぇ…なんだかお互いを大切に思う気持ちが端々に感じられてよいです。 菓祖神社行ってみたい。金魚の和菓子も食べたい。絶対からくさ図書館もあるはず。

Posted byブクログ

2015/12/11

京都の初夏。 小野篁が館長を務める私立図書館、「からくさ図書館」にも夏らしい「道なし」がやってくる。 シリーズ第三弾、今回は滝沢馬琴、金魚、小野篁ゆかりの地での旧知。 この三つの物語が収められている。 『馬琴の謎かけ』 滝沢馬琴の登場だ。 親が子に思うこと、ものを書くときに大切...

京都の初夏。 小野篁が館長を務める私立図書館、「からくさ図書館」にも夏らしい「道なし」がやってくる。 シリーズ第三弾、今回は滝沢馬琴、金魚、小野篁ゆかりの地での旧知。 この三つの物語が収められている。 『馬琴の謎かけ』 滝沢馬琴の登場だ。 親が子に思うこと、ものを書くときに大切なこと。 一体、なんだろう? 印象深いのは、親が子に対して、困難な道をわざわざ行かせたくはない、と心配するのに対して、子はできると思うから進もうとする、という部分だ。 子には自分がしてきたような苦労をさせたくない、そう思いながら期待する方へ行ってもらいたいと思う。 しかし子は親の分身ではないから、親の思いとは全く異なる、親が思いもよらない方向へ行こうとする。 そこで対立することもあるだろう。 忘れてはならないのは、子は自分とは全く違う人格で、その道を歩もうと選び取ったのは他なららぬ子自身であるということ。 親が出来るのは、ほんの少しの補助と見守ることだけ。 忘れてはならない。 そう言いながらもちょこちょこと余計な(子にとっては)手出しをしたくなるのが親というもの。 親子の関係は距離が難しい。 『金魚と琥珀』 上生菓子の美しさは一級の美術品と言っていい。 簡単そうに見えて、そうではない。 かみのやま温泉で和菓子作り体験をした時に、朝顔がどぎつい色のラフレシアになってしまったことを思い出す。 いや、それは私が単に不器用なだけか。 今回はいかにも涼しげな金魚にまつわる物語。 上から愛でる、という考え方はなかった。 実家にも金魚がいるが、二匹ともフナのようになっていたので、上から見るという視点が新鮮だった。 生きものの生き死には子供の心に強く残る、という一節は思い当たる人も多いのではないか。 ハムスター、うなぎ、金魚、ドジョウ..... 寿命だったであろうものもいれば、不注意で死なせてしまったものもある。 悲しくて、情けなくて、寂しくて...... でもその一方で生きることの嬉しさや楽しさも知った。 私たちは、「命」と生きている。 『わたの原』 『日本残酷物語』を私は読んだことがない。 きっと読んでしまったら、今の場所には戻れない。 怖い、恐ろしい、そんな感情がきっと心の中にあふれてくるだろう。 視界そんなひどい状況の中で、手を尽くした人がいるという事実は見てみたくもある。 外の世界を知った人がその地へ行きたいと思うのは当然のことだ、と小野篁はいう。 もしかすると、その行ってしまった先で一生を終える人もいるかもしれない。 しかし、外を知ったからこそ戻ってくる人もいるかもしれない。 両方がいるから、土地は栄え、人は喜びを得る。 単一的な考えでは物事は発展しない。 両方がいることを赦してやってはくれまいか、この言葉は今の時代に大切な言葉のように思えた。

Posted byブクログ

2015/05/26

第1集、第2集を経て明かされる、小野篁の過去。 史実をからめつつ、現代の離島の図書館事情も絡めてきて、なかなか興味深かったです。 時子の、篁に対する視線が、巻を追うごとに冷たくなっている気がして、メガネ男子好きなわたしとしては複雑です。 時子さん、冷たくしないで。 篁さんは変態...

第1集、第2集を経て明かされる、小野篁の過去。 史実をからめつつ、現代の離島の図書館事情も絡めてきて、なかなか興味深かったです。 時子の、篁に対する視線が、巻を追うごとに冷たくなっている気がして、メガネ男子好きなわたしとしては複雑です。 時子さん、冷たくしないで。 篁さんは変態なんかじゃないよ!!……きっと!

Posted byブクログ

2015/05/05

第一集、第二集を読んだあと、しばらく図書館で予約待ちをしていた。 小野篁が、平成の世で私立図書館の館長として、そこいらの大学生か大学院生のようなナリをしているのは、この現世でさまよう"道なし"を、きちんと天道へ送ってやるため。 第三集は、「馬琴の謎かけ」前...

第一集、第二集を読んだあと、しばらく図書館で予約待ちをしていた。 小野篁が、平成の世で私立図書館の館長として、そこいらの大学生か大学院生のようなナリをしているのは、この現世でさまよう"道なし"を、きちんと天道へ送ってやるため。 第三集は、「馬琴の謎かけ」前後編で、さまよう馬琴が出てくるし、「わたの原」の前後編では、かつて筆禍により篁が流された地・隠岐が舞台となって、篁のこれまでの身過ぎ世過ぎがさらに分かってくるようだった。 「南総里見八犬伝」が絡む馬琴の話は、当時の読者は物語を朗読していたのだというところにつながる。はるか下った今の世では黙読がすっかり普通のこととなって、「八犬伝」が声に出して読まれることは滅多になく、それが馬琴の心残りになっていたのだ。作者は馬琴にこう語らせている。 ▼「あの頃はなあ。物語といえば声に出して読むのが普通だった」  懐かしくてたまらない、という顔で馬琴は暮れなずむ庭を眺めた。 「『八犬伝』は特に、耳から聞いて良い塩梅になるように書いてある。八犬士はそれぞれ持ち味の違う元気のいい連中が揃ってるんで、自然にそうなったのさ」(pp.106-107) 「八犬伝」は長大な物語だというが、私も声に出して読んでみたくなる。あるいは、朗読されたCDでもないものか。 隠岐をめぐっては、小野篁が流された当時の事情に、現代の隠岐で取り組まれている"まるごと図書館構想"に想を得た島々をむすぶ「うみかぜ図書館連盟」の話がからまって、おもしろかった。図書館司書にして小型船舶免許をもつ女性が出てくる。公共交通機関では便数の少なさと輸送費の問題で島から島へ本を運ぶなどとてもできないので、図書館共用の小さな輸送船で運ぶのである。 小野篁が隠岐に流される直前に詠んだ歌が、百人一首に入っている「わたの原八十島かけて漕ぎいでぬと 人には告げよ 海人の釣り船」で、その上の句がタイトルにとられている。小説では、隠岐で詠んだ歌「思いきや 鄙のわかれに衰えて 海人の縄たき いさりせんとは」が引かれ、篁自身が「中央から遠く離れた地で運気の衰えた身となり、漁師の縄を手繰って漁をすることになろうとは思わなかった…という意味です」(p.326)と語っている。篁が流され、そして再び都に戻れた経緯を、もうちょっと知りたい。 篁は、昼は朝廷に仕え、夜は現世と冥府を結ぶ井戸を通って、閻魔大王に仕えていたという。その篁にゆかりのある京都の千本ゑんま堂で、先日はゑんま堂狂言を見物してきた。 (4/29了)

Posted byブクログ

2015/04/18

【収録作品】第九話 馬琴の謎かけ 前編/第十話 馬琴の謎かけ 後編/第十一話 金魚と琥珀/第十二話 わたの原 前編/第十三話 わたの原 後編

Posted byブクログ