たった、それだけ の商品レビュー
不思議な本だった。 最後の最後でほんのすこし救われた。 どこか浮遊しているような そんな1冊なのに なんだか深いところにぐさーとささる。 蓋をしているところを揺さぶられるような。 たった、それだけ。 はじまりは本当に たった、それだけのこと。 それは 雪だるま式にどんどん大きな...
不思議な本だった。 最後の最後でほんのすこし救われた。 どこか浮遊しているような そんな1冊なのに なんだか深いところにぐさーとささる。 蓋をしているところを揺さぶられるような。 たった、それだけ。 はじまりは本当に たった、それだけのこと。 それは 雪だるま式にどんどん大きな何かを巻き込んでいく。 でも 人と人とが交わるきっかけは たった、それだけ のことなのかもしれない。 ー正直に生きる事です。自分に正直にいれば、すべては自分で選んだ事だと納得できます。どんなことが起きても、責任を取ろうと思えるでしょう。自分にとことん正直であるなら、後悔しない、それが自分のなのだから後悔しようもありません。失敗しても、傷つけても、それはもうしかたのないことでしょう。 2014年 双葉社 カバー写真:嶋本麻利沙 モデル:ノミヤシホ デザイン:アルビレオ
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夏目さんの大きな賭けは、良かったのか、悪かったのか。 多くの人生を狂わせたには違いない。 人の内面は、他の人間には、たとえそれが家族であっても計り知れない。 わずかに発しているSOSをキャッチした時、どう手を差し伸べるのか。 逃げざるを得ない人の孤独。 日陰に生きる人たちの物語だと思う。 だが、日陰にも花は咲く。 「たった、それだけ」を糧に。 それだけ、で、すべて。 第一話 不倫してるし、会社ぐるみの贈賄事件の尻拭いの挙句、トカゲのしっぽのように切られようとしている。 NOと言えない情けない男、望月正幸。 そんな印象。 第二話 望月を、妻が語る。 何を考えているのか全く分からない人だった。 一つ衝撃的だったのは、娘の出生届。 「ルイ」とカタカナに決めたのに、夫は「涙」という漢字をあてて届け出たのを後から知る。 第三話 望月を、姉が語る。 優しい子だった。 第四話 転校生・ルイの担任教師。 どうして小学校の教師になろうと思ったのだろう… 忘れていた気持ちを思い出す。 第五話 ルイは、夫の消息を求めて流転を繰り返す母によって、積み上げた物を壊され続けてきた。 親のことはどこへ行ってもすぐ知れ渡る。 トータと知り合う。 第六話 特別養護老人ホームで働く大橋。 ルイと同じ高校だった。 ベテランの益田さんに、最後に泣いたのは?ときくと、 娘が生まれたときに嬉しくて泣いたという。
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不思議な本でした。 全てが繋がっている話。 たったそれだけ。 望月ルイ 出生届には、 望月涙 読み進めていくうちに、 涙の意味が少しだけわかった気がした。 あと一息。 続きが読みたくなりました。
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一つの失踪事件を軸に 様々な立場からの目線で語られる物語。 重苦しい始まりが、薄明かりに変わるまで。 【図書館・初読・6月19日読了】
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図書館で借りた本。 賄賂の容疑で失踪した望月氏を中心に、愛人や妻、姉など、いろいろな立場の人が主人公になっている。失踪当時赤ちゃんだった娘のルイも最後には高校生にまで成長していた。結局、賄賂事件と望月氏の関わりはわからないまま。この後どうなるのかも、想像に任せます。って感じで、後を引く感じで終わった。トータの過去も気になる。
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あっという間に読み終えた。 最初は主人公(望月さん)の愛人が勝手にタブレットを触る場面にイラッと。 愛人とはいえ、なんとなくルール違反じゃないか、と。 でもそこから物語が始まる。 話は奥さん、お姉さん、娘…と主人公と関わる人達の人生へと展開され、最後は少しだけホッとする。 当時望月さんは苦しんでいたのか、いなかったのか。 濡れ衣を着せられていただけなのか。 ちょっとわからなかった。 望月さんは穏やかで、すごく「良い人」。 でも浮気もニコニコしながらしてしまうのか~? 最後は、罪も若気の至りのように片付けられた気がするのは気のせいか。 過去を口にせず、介護施設で黙々と働く。 それが背負ってる十字架なんだろうか。 もっと望月さんの、当時の思いが知りたかった。 読み取れなくてごめんなさい。
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会社で不祥事を起こし、失踪した男性の話を、愛人、妻、姉、娘など視点を切替え話は進む。残された者の苦悩について色々な角度から語られる。最初は引き目だったが、徐々に話に引き込まれ、最後は終わってほしくない感でページをめくる、ラストはなるほど&ほっこり希望感。
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2017.2.5 一気読み。短編かと思いきや一連の繋がりがあった。心理描写とかストーリー展開に引き込まれて、悲しい事実がある中でも最後は希望が持てた。胸をつままれるようなとこもありつつ、どこかあったかい気持ちに。宮下さん初読み、他の作品も読んでみたい。
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細かくは2回目を読んで確認したいが こんな物語もあるんだと 感動と興奮をした。 読み始めて4時間程で一気読み この著者は引き込みがうまいなぁと 常々思う。すごい。すごいなぁ
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望月正幸に関わる人たちの連作短編集。やはり娘・ルイの登場する章が印象深いです。トータが絡んで、ルイの心を導き出すのは、若いけどなかなか素敵な二人です。
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