みなそこ の商品レビュー
澄んだ水の流れ、豊かな自然と共に過ぎる夏。ピアノの調べが聴こえ、全体像は静謐な小説なのだが、さわとりょうの恋に違和感を感じてしまう。最後までザワザワして落ち着かないままだった。
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正直評価するのが難しい。 傑作のような気もするし駄作のような気もするし。 四万十川沿いにある小さな集落が舞台。 大雨が降ると沈下橋が沈み孤立してしまうほどの田舎。 そこへピアノ教師のさわが娘を連れて帰省した短い期間のお話。 高知のじりじりと照りつけるような日差しと四万十の清流...
正直評価するのが難しい。 傑作のような気もするし駄作のような気もするし。 四万十川沿いにある小さな集落が舞台。 大雨が降ると沈下橋が沈み孤立してしまうほどの田舎。 そこへピアノ教師のさわが娘を連れて帰省した短い期間のお話。 高知のじりじりと照りつけるような日差しと四万十の清流が目に浮かぶようだ。 ショパン、リスト、ラヴェルなどのクラシック音楽、四万十の耳慣れない方言、お施餓鬼の念仏、様々な音が洪水のように現れては消えるが不思議な静寂感が広がる文章は秀逸で作者の新境地であることは間違いないだろう。 特に死者と交差するような日常を描きだした死生観はすばらしい。 かつての日本では各地で民話として受け継がれ、人々に自然の恐ろしさを説いてきたのかもしれない。 素晴らしい文章であるからこそこの小説の核である少年との恋のやりとりが残念に思えて仕方がない。 こどもっぽいさわと少年りょうの恋に興ざめ。 他にも少年との恋を描いた小説を読んだこともあり否定するつもりもないが、この小説に関しては私には理解不能だった。
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端的に言うと、高知の実家に娘を連れて帰省した30代の女が、旧友の息子である中学生男子と一夏の恋をする物語である。 村と町の間のような、ご近所皆顔見知りという田舎で生まれ育った主人公は、ピアニストになれなかったという傷を持って、今は平凡な主婦をしている。 優しい夫と可愛い娘を持つ...
端的に言うと、高知の実家に娘を連れて帰省した30代の女が、旧友の息子である中学生男子と一夏の恋をする物語である。 村と町の間のような、ご近所皆顔見知りという田舎で生まれ育った主人公は、ピアニストになれなかったという傷を持って、今は平凡な主婦をしている。 優しい夫と可愛い娘を持つ安定した生活を送っているのに、漠然と不満がある。 実家に帰り、懐かしい風景や旧友と触れ合う中で様々な過去が蘇る。 物語の本筋は主人公が実家に滞在するひと夏の日々で、過去の出来事が回想として入る構成。 方言が読みにくいとか、展開が遅いとか、色々気になる部分はあるのだが、イマイチだなあと思ってしまった最もおおきい理由は、結局主人公は何も成長・変化していないところだろう。 ハッピーエンドでもバッドエンドでも、共感できてもできなくてもいいのだが、何らかの変化が見られなければ読み応えというものを感じない。 起承転結とはよく言ったもので、何らかの異分子により日常がかき回され、状況が変わりまた新しい日々になっていくのが物語の骨格だと思う。 その中には「結局変われなかった」、という展開ももちろんあるのだが、物語中の変化量が大きいほどにやはり面白い。 (ごくまれに淡々と進みつつ満足度の高い物語もあるのだが、それは希少な存在である)
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う〜ん、微妙… 「きみはいい子」「わたしをみつけて」がすごく良くて新作を心待ちに、期待していただけにガッカリ。 耳慣れない、読み慣れない方言のセリフがまた読みにくさを倍増させた感じですが、とても読みにくく、主題もイマイチかな〜。
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真夏の鮮やかさに、未来に溢れる子供たち。そして、荒涼とした感情と、可能性に見放された大人。その対比から切なさを感じる。 過去に囚われたさわは、自分の思いを、りょうに投影させているのではないかと思われるが、読んでいてなんとも居心地が悪い。 さわの一方通行な愛情は、孤独から生まれたみ...
真夏の鮮やかさに、未来に溢れる子供たち。そして、荒涼とした感情と、可能性に見放された大人。その対比から切なさを感じる。 過去に囚われたさわは、自分の思いを、りょうに投影させているのではないかと思われるが、読んでいてなんとも居心地が悪い。 さわの一方通行な愛情は、孤独から生まれたみたいで気持ち悪い。 さわは、安全な場所から受け身的で何もしてないのに、不全感ばかり訴える。距離をとって斜めに構えれば、自分が特別になれるとでも思っているのだろうか。そうやっている間は、ずっと孤独だろうに。 けれど、そう思う一方で、等身大の自己を受け入れることがなんと辛いことなのか。向き合うことがどれだけ苦悩に満ちていることか。その痛みが伝わってくる。 さわは、いったい何を得て、何をすてたのだろう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
四国。夏。盆。村。過去。ピアノ。音楽。ラヴェル。会話が方言で書かれている。昔話やわらべうた、音楽で死んだ人も蘇る。その時だけ蘇って、人はそれを忘れない。周りの大人や親を怨むことだってできるのかもしれないけど、諦めているわけでもなく、自分をはぐくんできてくれたものを慈しんでいるみたい。
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ピアニストになれなかったさわ。高知の実家に帰り、同級生ひかるの息子りょうを愛してしまったさわ。うーん、「きみはいい子」がよかったので期待してしまったが、ちょっと違った。みなそこ=水底?
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表紙絵のように四万十の青い空、川、緑の濃い山という風景が浮かんでくる。 田舎によくある、近所の人はみな知り合い的な閉鎖的な空気感もある。 でも、実家の隣に住む同級生の息子に恋するってあるのか? 息子の母親に学生時代憧れがあったから、その思いが息子にまで伝播していっているような気が...
表紙絵のように四万十の青い空、川、緑の濃い山という風景が浮かんでくる。 田舎によくある、近所の人はみな知り合い的な閉鎖的な空気感もある。 でも、実家の隣に住む同級生の息子に恋するってあるのか? 息子の母親に学生時代憧れがあったから、その思いが息子にまで伝播していっているような気がする。
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これは、なんだか不安定になる本。 さわさんと、りょうの話。 大人になりかけの危なげな少女と、狡猾な大人の女性が同居してるような佐和子。 産まれるまえから知っているりょう。 母が、生まれた土地の言葉を使うと泣き出すみやび。 なんか、ひたすら不穏な空気が漂っていて、不安定になるお話で...
これは、なんだか不安定になる本。 さわさんと、りょうの話。 大人になりかけの危なげな少女と、狡猾な大人の女性が同居してるような佐和子。 産まれるまえから知っているりょう。 母が、生まれた土地の言葉を使うと泣き出すみやび。 なんか、ひたすら不穏な空気が漂っていて、不安定になるお話でした。
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いろんなことが詰め込まれているのに、散らかってる感じはしなかった。 何にも知らないふりして、やっぱりみんなちゃんと知ってる 大人はたいがい、どんな風に見えたとしても、ちゃんと知ってる そんなことを思った。
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