1,800円以上の注文で送料無料

みなそこ の商品レビュー

2.9

36件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    18

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2016/09/19

(2016.09.19読了) 3冊続けて中脇初江の作品をよみましたが、感動した前2冊とはかなり趣きが異なりました。 帯を見ると「禁断の恋」「衝撃恋愛小説」といったことが書かれているので、一応恋愛小説なのでしょうか。 実際には恋愛以外の様々な深いテーマが絡み、抽象的でわかりにくい...

(2016.09.19読了) 3冊続けて中脇初江の作品をよみましたが、感動した前2冊とはかなり趣きが異なりました。 帯を見ると「禁断の恋」「衝撃恋愛小説」といったことが書かれているので、一応恋愛小説なのでしょうか。 実際には恋愛以外の様々な深いテーマが絡み、抽象的でわかりにくい感じがしました。 でも、嫌いじゃないです。 なんとなくまあまあでした(^_^;)

Posted byブクログ

2016/07/23

触れたら壊れてしまいそうなほどの繊細な筆致。行き場のない想いを記した言葉たちの余韻。ゆっくりと、あぶりだしのように主人公の感情を浮き立たせてくるそのテクニックには酔いしれた。随所で感情を揺さぶられるような表現もあって、はっとさせられる。ただ残念だったのは、少年と主婦との恋愛感情に...

触れたら壊れてしまいそうなほどの繊細な筆致。行き場のない想いを記した言葉たちの余韻。ゆっくりと、あぶりだしのように主人公の感情を浮き立たせてくるそのテクニックには酔いしれた。随所で感情を揺さぶられるような表現もあって、はっとさせられる。ただ残念だったのは、少年と主婦との恋愛感情に共感できなかったし、息苦しいほど精緻な田舎の描写にも、さほどの郷愁を覚えることができなかったことだ。ピアノの件とか、音楽室の件とか、同じようなエピソードが繰り返し現れるのにもちょっと食傷気味。最後のまとめもちょっとしつこかったように思えた。 「沈下橋」が重要なキーワードな物語でした。

Posted byブクログ

2016/07/19

心理描写が細やかというか文学的というか官能的というか。悪くなかったです。土佐弁も憶えがあるので辟易することもなかったし。ただ、主人公はいただけなかった。大人になりきれなくて自分勝手でずるい。そして幼馴染みの中学生の息子に惹かれ、残酷にも戯れてみたり。なんだろう。田舎の夏に潜む魔力...

心理描写が細やかというか文学的というか官能的というか。悪くなかったです。土佐弁も憶えがあるので辟易することもなかったし。ただ、主人公はいただけなかった。大人になりきれなくて自分勝手でずるい。そして幼馴染みの中学生の息子に惹かれ、残酷にも戯れてみたり。なんだろう。田舎の夏に潜む魔力のような。 無邪気なみやびの夏の描写などいいなと思うところと背徳的で目を伏せたくなるところとすごいバランスだったと思う。

Posted byブクログ

2016/05/09

本屋大賞第3位「世界の果てのこどもたち」がなかったんでとりあえず中脇さんどんなもんかと新刊をチョイス。 雰囲気はなんとなく煮え切らない柴崎友香のようでもあるがなんといっても文章の彩が素晴らしい。四万十の川の流れと沈下橋をモチーフに水面のように揺れ動く心の機微や恋情、浮いては沈む人...

本屋大賞第3位「世界の果てのこどもたち」がなかったんでとりあえず中脇さんどんなもんかと新刊をチョイス。 雰囲気はなんとなく煮え切らない柴崎友香のようでもあるがなんといっても文章の彩が素晴らしい。四万十の川の流れと沈下橋をモチーフに水面のように揺れ動く心の機微や恋情、浮いては沈む人生の儚さを風景画の如く鮮やかに描き出す筆力に圧倒された。 ただ残念なのが描き出されるヒロインがクズ女過ぎるということで…全くもって何やってんだがわからない惨状で感情移入などまずムリ、これでは作品も台無しだわ。 でももう少し追ってみたい作家さんではある

Posted byブクログ

2015/10/30

不倫という言葉ではない、本当にたったひと夏の、たった一瞬の思いの寄せ合いと言うかなんというか・・・・ このりょうとさわさんの関係を不倫というような言葉では言い表せない何か・・・・なんとももっやとするようでいて綺麗な清流のように澄んだ感じも受ける不思議な話。 もっと深くまで関係が...

不倫という言葉ではない、本当にたったひと夏の、たった一瞬の思いの寄せ合いと言うかなんというか・・・・ このりょうとさわさんの関係を不倫というような言葉では言い表せない何か・・・・なんとももっやとするようでいて綺麗な清流のように澄んだ感じも受ける不思議な話。 もっと深くまで関係が進んでほしいとも途中少し思ったけど、それだとただの不倫話になる。 りょうの年齢もあえて13歳。 この若すぎるようでいて、これからどんどん大人の男になっていくのぼり出しの年齢がまた話にいい味をだしているのかも。

Posted byブクログ

2015/06/27

新感触の中脇初枝 笑 澄んだ川の中から見上げるまぶしい光のような小説。 風景描写や人物描写、触れるか触れないかぎりぎりの惹かれ合うような心理描写はすごく刹那的で抽象画のように浮かんでとらえどころのない。 とらえどころがなさすぎてなんだかやっぱりぼんやりしてしまう印象。 言葉が難し...

新感触の中脇初枝 笑 澄んだ川の中から見上げるまぶしい光のような小説。 風景描写や人物描写、触れるか触れないかぎりぎりの惹かれ合うような心理描写はすごく刹那的で抽象画のように浮かんでとらえどころのない。 とらえどころがなさすぎてなんだかやっぱりぼんやりしてしまう印象。 言葉が難しくて(方言)読み進めるのに少し苦労した。 過疎化した町や田舎の描き方って本当に大きく差があるなあとつくづく思う。どの書き方もきっと真実なんだろうなと。良い側面と抜け出せない深い水の底のような側面と。 んー随所に死者の匂いのようなものを色濃く感じる。それは恐いものではなく、ただそこにあるような。そんな感じの匂い。 良し悪しでなんだか割り切れない1冊。 2014年10月30日 新潮社 装画:フジモトヒデト 装幀:新潮社装幀室

Posted byブクログ

2015/06/20

四国の郷里へ娘とともに里帰りしたさわは、親が家を売りその郷を出ることを知る。去来するさまざまな思い出とともに、惹かれてやまない少年とのひとときを描いた物語、です。 繰り返し描かれる少年とのほのかな…それでいてどこか扇情的な恋情に揺らめかされながら、かけがえのないふるさとでの思い出...

四国の郷里へ娘とともに里帰りしたさわは、親が家を売りその郷を出ることを知る。去来するさまざまな思い出とともに、惹かれてやまない少年とのひとときを描いた物語、です。 繰り返し描かれる少年とのほのかな…それでいてどこか扇情的な恋情に揺らめかされながら、かけがえのないふるさとでの思い出のひとつひとつに、主人公とともにたゆたうように読めたお話でした。 故郷で過ごすうち、忘れていた記憶、忘れたふりをしていた記憶が混ざり合いよみがえっていく。それはとても大切なものであるときもあれば、傷ついた自分を思い出すこともある。けれど、どちらにしても、今の自分を構成する大事なかけらたちだったのは間違いのないこと。その危ういきらきらしたものたちをひとつひとつすくいあげたような、物語です。 少年との恋愛…といっていいのかわかりませんが、これはいったいどこまでどう本気なのか仄めかせているだけなのかと思っていたら、わりとそうだったのかという展開になっていき、いやいやそこまでどうしてのめりこむの?という理由については、少しわからないなと思うところがありました。年齢差がいかんせん…まあ、だからこそのあやうさが魅力的でもありましたが。正直言って私は嫌いではないというかドキドキしました。橋のシーンはとてもきれいで切なくて、かつ、ひどく残酷な場面でしたね。 正直、ラストの主人公がいたった境地(そもそも彼女はいろいろ悟り過ぎでは…)がいまいちわかりかねましたが、あたたかなようで裏もある人々とのひとときを淡々としているようで実はねっとりと描いている、そんななかなか一筋縄ではいかない話だな、と思いました。

Posted byブクログ

2015/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

田舎の故郷で過ごす最後の夏の日々。 沈下橋の向う側にある実家に帰省したさわと娘のみやび。 かつて同級生だったひかるは離婚して息子二人とともに、戻って来ていた。 ひかるの長男のりょうがさわに寄せる思いを知りながらも、彼がひかるのお腹の中にいるときから知っていることへの喜びと、戸惑い。 ピアニストになりたくて、なれなくて、ピアノ教室の先生で満足した自分の挫折と栄光。 一番好きな人はいつだってたった一人しか作れなくて、年を重ねるごとにそれは変わっていくことの罪悪感。 文の最後がいつも悲観的で感傷的だった。 りょうの恋心を知っていながらも、自らも同級生の息子にたいする気持ちを知っていながらも、結局は失いたくないものたちの元へと帰っていくさわの残酷さを感じてしまった。 エロいね。どうにかなっちゃえばよかったのに!(ぇ 時間も過去も取り戻せなくて、歯がゆい感じ)^o^(

Posted byブクログ

2015/05/26

「ママ!へんなしゃべりかたになってる」と娘のみやびがツッコむけど、まったくそのとおりで、方言を活字で読むのは辛かった。 さわは大人にも母にもなりきれてなくて、まぁ、自分にしてもそこは否定できないけど、その姿をまざまざと見せられるといたたまれない感じで、とにかく早く読み終えたくて、...

「ママ!へんなしゃべりかたになってる」と娘のみやびがツッコむけど、まったくそのとおりで、方言を活字で読むのは辛かった。 さわは大人にも母にもなりきれてなくて、まぁ、自分にしてもそこは否定できないけど、その姿をまざまざと見せられるといたたまれない感じで、とにかく早く読み終えたくて、読んだ。 四万十は行ったことがあるので、きれいな風景を浮かべつつ、話は残念…(~_~;)

Posted byブクログ

2015/05/08

前に読んだ2作が好みだったので期待していましたが、感情移入できず。 設定に無理があると思うし、なんだか何をどうしたいのかもわからない主人公。 完読できたのは、風景描写の美しさに尽きます。

Posted byブクログ