鳥たち の商品レビュー
よくもわるくも昨今のよしもとばななだね〜という一作。愛とか家族とか精神世界とか。このひとの問題意識はここで固定されていて、さまざまな表現で同じことを書いているのだとおもう。熟成された肉だったり、みずみずしい魚だったり、そういう違いでしかなく、同じレストランに通っている。お気に入り...
よくもわるくも昨今のよしもとばななだね〜という一作。愛とか家族とか精神世界とか。このひとの問題意識はここで固定されていて、さまざまな表現で同じことを書いているのだとおもう。熟成された肉だったり、みずみずしい魚だったり、そういう違いでしかなく、同じレストランに通っている。お気に入りのメニューもあれば、そうでないメニューも当然ある。初めて行く人にはおすすめしない。
Posted by
スピリチュアルに寄りすぎてちょっと遠い話だった。 たまたまこの本を読んでいるタイミングで、装丁家・大島依提亜さんのお話を聞くタイミングがあった。細かな装丁にとても気を配られた、単行本で持ちたい一冊。装画を描かれたmaruuさんという方のことももっと知りたい。
Posted by
ハッとさせられる言葉や場面が多くあり、何度も何度も付箋を貼りたくなるような衝動に駆られた。 物語はフィナーレ手前まで主人公のまこちゃんが悲惨な過去に囚われて苦しみ悩む様子が描かれているが、フィナーレの、大学の教授の言葉でまこちゃんの心のフィルターのようなものの曇りがスッと晴れて行...
ハッとさせられる言葉や場面が多くあり、何度も何度も付箋を貼りたくなるような衝動に駆られた。 物語はフィナーレ手前まで主人公のまこちゃんが悲惨な過去に囚われて苦しみ悩む様子が描かれているが、フィナーレの、大学の教授の言葉でまこちゃんの心のフィルターのようなものの曇りがスッと晴れて行く様子にとても感動した。 自分の気持ちや綺麗だと感じるものを大切にして逞しく生きて幸せになろうと思わされた。 あと、私は私のままできっと良いんだなとも思わされた。 不思議な雰囲気や表現の美しさに堪らなく胸を打たれた。 何年後かにまた読むと感じる事が違いそうな作品だと思った。
Posted by
以前のような清々しい、読んでいる自分さえも透明になるような読後感は減り、その分、人間の生々しさや生きることの逞しさがずっしりと。そこがちょっと苦手。せめて本の中だけでも、そこから逃げたいのかも。
Posted by
主人公カップルは魅力的ながらも(特に暗くて小柄で酵母と話せる嵯峨)なんだかツメのあまさが否めなかった。
Posted by
幼い頃に両親を失くし、二人で生きてきた嵯峨とまこ。辛い経験をしたから、いろいろなことの意味を考えてしまったり、悶々と悩んだりしてしまうのだろう。もっと気楽になれたらいいのに。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
非現実的と言えるほど突っ込んだ設定や展開を軸に 現実的な日常の心の機微が淡々と描かれていく。 このパターンが近年の作品には多いように思うが、ちょっと好き嫌いが分かれるかなと思う。 自分は嫌いではないが、昔作品を読んで衝撃を受けたような、この作品の中の文学を愛する先生のように運命を感じるような物語とは、一線を画していると思う。 ばななさんの作品に限らず、突飛な設定とそれ以外の部分でのリアリティのバランスがとれている作品が フィクションの魅力であり、フィクションだから設定はおざなり、というのではフィクションとして駄目だと思っているので このあたりのバランスはいつも気になってしまう。 何もかも事実をひたすら書けば良いわけではないけれど まこちゃんと嵯峨は確かに不遇かもしれないが、貴重な経験を得ていて、経済的な苦労もなくて 親戚は冷たいなりに干渉もせず寄付はしてくれて 随分と恵まれているから、ショッキングな過去も薄れるというか、それ以外は幸せじゃないのかな、そこまで自分たちしかいないと閉じこもる必要はないのじゃないかと 人によっては可哀想ぶりっこに感じてしまう読者もいるんじゃないかなと思った。 筆者自身が日頃仰るとおり、合わない人には合わない作品だろう。 自分はN・Pに打ちのめされて読み漁り、 いっときばななさんの小説があわなくなって離れていて 数年たってまた戻ってきてハゴロモにやられたのだけれど 苦しくなるような寄り添うような感覚にまでは連れて行ってくれない作品が多い。 ネットのレビューで言うほど質素ではなく経済的に余裕があって、だからこその余裕があるというのを見かけて まこちゃんと嵯峨も、ばななさん自身もそうなのかなとエッセイなどで感じるので この作品を読んで不快になる人の気持ちも、それはそれでわかってしまう。 まこちゃんの周りの女の子たちの挙動にちょっとドキドキしたのだが、本当に悪い人というのはいなさそうで少し安心した。 赤ちゃんという選択肢以外に、葉月さんの言っていたようにもう少し周りの人を信じた方が 人生は明るくなる気がするが、人それぞれの幸せというものがあるから ただ幸せを祈るくらいしか他人には出来ないのだろうなと思った。 嵯峨くんのお母さんの手紙はちょっと意外なほど明るくて素敵で 嵯峨を連れて行こうとしていた人とは思えなかった。 彼女が元気なまま子供たちと生きていたら、きっと違った未来があったのだろうと思う。 まこちゃんの 『心に線をひいて、彼らの悲しみがしみこまないようにした。』 『そんなに苦しいなら、頼りにしている唯一の人が死ぬのが耐えられないなら、みんな死んでしまえばいい、でも私と嵯峨は生きていたい、いっしょにしないで』 と冷たく思っていた、という言葉には 自分にも近しい記憶と感情があるので共感というか、うんそうだよね、という頷く感覚があった。 『私たちが思い出すたび、天国の人たちには色がついて濃くなる』 という言い伝え?は実在のものか把握していないが、面白いなと思った。 良い考え方だと思う。
Posted by
手元にあるけれど…読もうか…激しく悩み中。 以前は大好きな作家だったのだけれど 「お前」と登場人物の男性が主人公の女性に呼びかけるところや 主人公紹介でスタイルがいいとかヴァネッサパラディ系と自称している段階で頁を進められない感じ。 また、そんな気分の時に…(どんな?)読んでみよ...
手元にあるけれど…読もうか…激しく悩み中。 以前は大好きな作家だったのだけれど 「お前」と登場人物の男性が主人公の女性に呼びかけるところや 主人公紹介でスタイルがいいとかヴァネッサパラディ系と自称している段階で頁を進められない感じ。 また、そんな気分の時に…(どんな?)読んでみよう…。かな…。
Posted by
まこちゃんと嵯峨の兄弟でもあり恋人でもあるような何物にも代えがたい存在の二人。アリゾナのセドナの思い出に、暗い過去を振り払うような未来がもうすぐやってくる予感がして終わる。パン焼き職人として成功するのか女優になるのか待望の赤ちゃんがやってくるのかそこはわからないけれど、、。ただ、...
まこちゃんと嵯峨の兄弟でもあり恋人でもあるような何物にも代えがたい存在の二人。アリゾナのセドナの思い出に、暗い過去を振り払うような未来がもうすぐやってくる予感がして終わる。パン焼き職人として成功するのか女優になるのか待望の赤ちゃんがやってくるのかそこはわからないけれど、、。ただ、途中の会話で嵯峨がまこちゃんに向かって「おまえ、、」と呼びかけるのがそぐわない感じがして何か嫌だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
よしもとばななさんって本当ぶれないな、と感じた。そしてこの主人公の迷いのない意志、大切なものだけを守る強さ、クリアな視点が現実離れしているかもしれないけど、そうだよな、って常に思える。いろんな邪魔なものをそぎ落として、大切なものだけを育てる。同じような人になりたいとか、そう生活したいとは思わないけど、でも大切なことだな、と思う
Posted by