誰かが足りない の商品レビュー
久しぶりの宮下奈都さんの作品。 レストランを舞台に6組それぞれのお客さんの物語。 レストランでのお話かと思いましたが、レストランに来る事になった経緯までが中心となっています。 それぞれの物語は派手さは無いのですが、生きるってそうなのかもと思わされます。解決してスッキリするお話では...
久しぶりの宮下奈都さんの作品。 レストランを舞台に6組それぞれのお客さんの物語。 レストランでのお話かと思いましたが、レストランに来る事になった経緯までが中心となっています。 それぞれの物語は派手さは無いのですが、生きるってそうなのかもと思わされます。解決してスッキリするお話ではありませんが、帯に書いてある、「足りないことを哀しまないで、足りないことで充たされてみる。」そういう事か、と。 どう思い考えるかは読者次第と言われているような感じがしました。
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「誰かが足りない。いつからか私もそう思っていた気がする。それが誰なのかはわからない。知っているはずの誰か、まだ会ったことのない誰か。誰なんだろう。いつ会えるんだろう。わからない。ずっと誰かを待っていることだけはわかっているのに。足りないのは、もしかしたら、私──。私はいつかの私を...
「誰かが足りない。いつからか私もそう思っていた気がする。それが誰なのかはわからない。知っているはずの誰か、まだ会ったことのない誰か。誰なんだろう。いつ会えるんだろう。わからない。ずっと誰かを待っていることだけはわかっているのに。足りないのは、もしかしたら、私──。私はいつかの私を取り戻したいのではないか。あるいは、まだ見ぬ私に新しく出会いたかったのではないか」
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6つの短編集。どの主人公にも共感できたし、皆んな何かしら葛藤しながら生きているんだな、と。 うーん、、しかし全体的にあんまり深い印象が残っていないのは、日常に溶け込んだ話すぎたからか?
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おいしいと評判のレストラン「ハライ」。 6組の客が前を向いて一歩踏み出そうと決心し同じ時に「ハライ」を予約する。 認知症に対する葛藤。 人の失敗の匂いをかぎとってしまう重たい心情。 経験したことがあるかのように心の動きを見事に描いている。
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「予約6」にあった言葉 「失敗したら笑えばいい」 失敗した人は落ちこぼれの烙印を押される傾向がある日本社会に生きている人に勇気と希望をくれる言葉。
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[予約2]の認知症の症状がでてきた女性の話しが私にとってはリアルで未来が怖くなった。 でも、"少しずつ少しずつ変化がくるからその間にじゅうぶんに慣れることができる" うーむ、妙に納得‼︎ たしかに今は若いときより生きやすくなった。 私がとしをとって忘れること...
[予約2]の認知症の症状がでてきた女性の話しが私にとってはリアルで未来が怖くなった。 でも、"少しずつ少しずつ変化がくるからその間にじゅうぶんに慣れることができる" うーむ、妙に納得‼︎ たしかに今は若いときより生きやすくなった。 私がとしをとって忘れることが多くなっても、試すような質問はあまりしてほしくないな…
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ハライという人気レストランを予約するまでの経緯を書く短編集。 ハライの描写は控えめなのが、想像を掻き立てて良い。様々な事情を抱えた人々がハライに行こう、と思えることが一歩を踏み出せたということなのだろう。繊細な文章もすき。
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カバー写真と題名から、勝手にサスペンス?と思っていたら全然ちがいました。最初の2話は少し暗い話でしたが、あとの話は先が明るいように感じました。短編になっているので読みやすく、1軒のレストランでつながるというアイデアもなんだかいいなと思いました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全体的にもう少し描写が欲しいと思った。 予約5の一節が印象に残った。 『思い出せるしあわせだけではない。思い出せない無数の記憶によっても人は成り立っているみたいだ。』
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繊細でふかふかとほかほかとした話でした。 本の内容と少し離れてしまうけど、本の帯にあった感想の一部に「終わり方が明るくて未来へつながりそうなのが好きだ」とありこの感想を書いた人の感性が好き。
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