すべて真夜中の恋人たち の商品レビュー
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面白かったー! 言葉選びが柔らかくて柔らかくて文章を追うのが楽しかった 久しぶりに読み終わりたくないなあって思う本 水野くんの「与えられたものをどれだけ捨てられるのかが大事だと思うんだ」というのが1番どきっときた 私は欲しいものばかりで…欲しがってばかりで、、そういうことを言いたいんじゃないけど新しい選択肢が出てきたときにはそっち選んだ方がいいって本心は決定しているんだよね あとは私の想像する三束さんは出てきたときから清潔感が無いというか、男主人公であるのにかかわらず、すーっと入って来なかったけど最後になるほどねってなって、私の三束さんの第一印象を上手く作り上げちゃって、、この作家の言葉のチョイス好きだなと思う あとは、典子が言った、なんでこんな話ができたかというとあなたは私の人生に登場人物じゃないからなんだよって確かに過ぎる 人見知りする理由の1つに、今後人生で関わる必要性が高いから自己開示することが苦手だと話す友達がよぎってなるほどと思った
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読み始めたとき、とても閉塞感が強いと思った。でも自分の人生も状況は違うが同じようなものだと気づいた。この閉塞感に差し挟まれたような恋の配分のされ方に現実感があった。ここに書かれている「すき」が、茫漠としたものでもなく猛然としたものでもなく微妙なバランスの中でひとつひとつ渡し合っているという感じが好きだった。忘れていく過程と忘れてしまえるということが切ない。読後ズシリとした塊が残った。
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川上未映子さんの作品を読むのはずいぶんと久しぶりだけれど、文体のあまりの変わりように驚いた。本作は、徹頭徹尾ひらがなが多用されている。校閲者として、生まれながらに影の中を孤独に生きてきた主人公の、独白がほわほわと、切なくも不思議な感覚で漂っていく。
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静謐な言葉の紡ぎ方が美しい。 女子の心の内面を丁寧に描いている。 ただストーリー展開が冗長と感じられるところがあり、少し退屈に思える場面も
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この本を読んで、運命の人って成就するイメージだけど、成就しなくても自分の人生を少しでも支えてくれたり、影響を与えてくれた人が、運命の人なんじゃないかなと思うようになりました。 はじめて読んだのは中2のときで、最初はぜんぜん共感できないし読みにくくて途中でやめました。でも、表情と...
この本を読んで、運命の人って成就するイメージだけど、成就しなくても自分の人生を少しでも支えてくれたり、影響を与えてくれた人が、運命の人なんじゃないかなと思うようになりました。 はじめて読んだのは中2のときで、最初はぜんぜん共感できないし読みにくくて途中でやめました。でも、表情と、言葉がすごくきれいだったことが印象に残っていて、なんでかまた読みたくなってまた読んで…やっぱりだめで…また読んで…を4回くらい繰り返した果て、ある日ビビビと感じられて最後まで丁寧に読めました。 この作品について川上さんがラジオで、女性はなにかの特技や特徴を持たないと物語に登場できないけど、そういう人は滅多にいないから、あえて特徴のないことが特徴の冬子さんを主人公にした、 というお話が忘れられません! その発想と切り口がさすがだ!と思いました。 みんながみんな個性があるわけでもないし、特技があるわけでもないし、でもそれぞれが自分なりに考えて、迷って、下がったり進んだりしながら生活している様がリアルで。 そんな日常に、冬子さんにとっての三束さんみたいな、一筋の光みたいな、夜の光みたいな存在と出会えたことが、かけがえのない財産で、これから生きていく糧になるんだと思います。 そういう存在を大切にしたいし、出会えたらいいなって思います。
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描写がきれい。主人公には共感しない。ラストそうくるかと思い、そこから考えると三束さんの設定に無理があるように見え小説だなぁと感じてしまった。途中まで読んでいるときは著者の別の作品も読んでみようかなと思ったが、読了してもういいかなと思ってしまった。
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読み終えた後、改めて最初のページを読んだときにじんわり満たされた。 冬子に全く共感できない部分と、冬子の気持ちに溶け込む自分もいた。 人物像と景色が浮かぶ。この作品の「光」を通して、風景の明暗も見えてくる。 美しい作品。
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孤独な女性の描写を通してなにを書きたかったのかイマイチよくわからなかった。手紙の告白は意表をついた展開だったがラストは少し陳腐な気がした。
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「すすんで嫌われる必要もないけど、無理に好かれる必要もないじゃない。もちろん好かれるに越したことはないんでしょうけど、でも、好かれるために生きてるわけじゃないじゃない。」 「すきな人がいたって、その人のとくべつになれるかどうかもわからないし、とくべつになることが果たしていいことなのかどうかもわからないし。妥協というとあれですけど、そこそこのすきで、そこそこの人間関係でもって生きるというのも悪いことじゃないんじゃないかってこと。」 「それでも目のまえのことを、いつも一生懸命にやってきたことはほんとうじゃないかと、そう思った。自分なりに、与えられたものにたいしては、力を尽くしてやってきたじゃないか。いや、そうじゃない。そうじゃないんだとわたしは思った。わたしはいつもごまかしてきたのだった。目の前のことをただ言われるままにこなしているだけのことで何かをしているつもりになって、そんなふうに、いまみたいに自分に言い訳をして、自分がこれまでの人生で何もやってこなかったことを、いつだってみないようにして、ごまかしてきたのだった。傷つくのがこわくて、何もしてこなかったことを。失敗するのがこわくて、傷つくのがこわくて、わたしは何も選んでこなかったし、何もしてこなかった。」
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初めて読む川上さんの作品。 主人公の自分の人生においての『動』を無意識に恐れて、諦めともとれる『静』の人生を選ぶ感じとても共感してしまう、こう言う人は一見人間味が無いように思われがちだけど、世の中の流れに対してとんでも無く敏感で、それに振り回されすぎて、怖くなっていってるという意味でとても人間味があると自分は思う。 最後の最後本当にハッピーエンドとして終わらないのが良かった。報いだと思う
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