最後のトリック の商品レビュー
冒頭で、本格ミステリーでまだ誰も実現し得ていない『読書が犯人』を成立させます、と煽ってからの結末だったので拍子抜けしてしまいました。確かに人を選ぶ小説。
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「読者全員が犯人」という挑戦的な謳い文句が目を引くメタミステリーで、「『読者が犯人』というミステリーは読んだことがあるけど『読者全員が犯人』は聞いたことないし読んだことない。」という読む前の疑問が読んだ後で「なるほど、そういうことか。確かに『読者全員が犯人』だ。」という納得感に...
「読者全員が犯人」という挑戦的な謳い文句が目を引くメタミステリーで、「『読者が犯人』というミステリーは読んだことがあるけど『読者全員が犯人』は聞いたことないし読んだことない。」という読む前の疑問が読んだ後で「なるほど、そういうことか。確かに『読者全員が犯人』だ。」という納得感に変わったのが良かった。ただ話の途中で冗長な場面が時々あったのが気になった。それでも「一度読んでみて損はない作品だな。」とも思った。
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「犯人は読者」のトリックはなんだろうと思って読むとずるいなと思う気持ちはわかる。 超能力をありにするなら、他にも読者が小説の中の人物を殺す方法はありそうに感じる。 それに、私が読んでいる途中で最後のオチだけ気になって先に読んだ場合、私は犯人にならないのではないか? そうであっても他の読者が犯人になるはずなので、一応「犯人は読者」にはなるが、「犯人は私」ではなくなるのではないかと思った。 ただ、「読者を超能力者」とするのではなく、「小説の登場人物を受動型の超能力者」とすることで、読み手の性格や特性に関わらず「読んだだけで殺害」が成立することになるのがすごいと思った。 作者から急に犯人に指名されて反論したくなった後に、被害者から感謝されて少し切なくなる、そのバランスがよかった。 もしかしたら、本当にこの本を読み終えるまで香川誠一は存在したのかもしれないと思うと、寂しい気持ちになる。 賛否両論なのもよくわかるが、個人的には読後感がよく好きな本だ。
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#89奈良県立図書情報館ビブリオバトル「贈りたい本」で紹介された本です。 2部制で実施の第2部。 1部は通常回で、2部は奈良県内の書店員によるエキシビションでした。 2018.4.21 https://m.facebook.com/events/1211793018923515?...
#89奈良県立図書情報館ビブリオバトル「贈りたい本」で紹介された本です。 2部制で実施の第2部。 1部は通常回で、2部は奈良県内の書店員によるエキシビションでした。 2018.4.21 https://m.facebook.com/events/1211793018923515?view=permalink&id=1413558028747012
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この本を閉じたとき読者も必ず「犯人は自分だ」と思うはず、という島田荘司の解説につられ手にとったがなかば強引な感じがしたというのが感想。ハードルが上がりすぎてた分なんかがっかりでした。
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引き込まれる内容だった。 終盤で作者がネタバラシするよりも先に 「あーそういうことか」となってしまって、 少し残念だった。 推理小説、驚愕の真犯人って感じではないけど、 トリックとしてはなるほど、と思える小説。
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読後に思わず出た言葉は「そんなのありかよ…」でした。 何も推理せずにただ読み進めてしまう、私のような読者では到底至れない回答が用意されておりました。 ミステリの「フーダニット・ホワイダニット・ハウダニット」をきちんと考えながら読める人向けの本です。
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最後のトリック。 あらゆるトリックが書き尽くされたミステリー小説界隈に残された、という意味での最後のトリック。 犯人の命をかけて、一度しか行えない犯罪、という意味での最後のトリック。 着想はとても壮大だったけど…うん、こじつけもええかげんにせぇよ(笑) 全てが明らかになったあと...
最後のトリック。 あらゆるトリックが書き尽くされたミステリー小説界隈に残された、という意味での最後のトリック。 犯人の命をかけて、一度しか行えない犯罪、という意味での最後のトリック。 着想はとても壮大だったけど…うん、こじつけもええかげんにせぇよ(笑) 全てが明らかになったあと、有馬氏がなんて言ってたかが気になるわー。
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深水黎一郎さん著『最後のトリック』の概要と感想になります。 概要です。 ある日、筆が進まない小説家のもとに一通の速達が届く。見知らぬ差出人から「読者が犯人」なるトリックを高値で売りたいという申し出が綴られており、小説家は不審に思いながら時折届くその手紙を待ちわびていた。その結果...
深水黎一郎さん著『最後のトリック』の概要と感想になります。 概要です。 ある日、筆が進まない小説家のもとに一通の速達が届く。見知らぬ差出人から「読者が犯人」なるトリックを高値で売りたいという申し出が綴られており、小説家は不審に思いながら時折届くその手紙を待ちわびていた。その結果…。 感想です。 はい、私が犯人です。 賛否あるかと思いますが、ミステリーの歴史を添えながら本作を称賛している島田荘司さんの解説まで読むと、確かに斬新なトリックだと感じられます。 ただ「作中のエピソードも事件も、一見無関係に見えても、ひとつ残らずこの目的に奉仕するもので、贅肉は存在していない。」と述べる島田荘司さんの言葉にある「贅肉」について、確かに存在していないように感じますが、逆に筋肉質過ぎて共感を得にくい情報量でした。もっとシンプルな展開が個人的に好みかな(^_^;)
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『この本を閉じたとき、読者のあなたは必ず、「犯人は自分だ」と思うはず⁉』という島田荘司さんの解説。 結論から書くと、犯人は私だった。 現代のミステリー作家さんはトリックを考えるのが大変だろうなと思っていた。一度使われたトリックは似たようなものでも二度と使えなくなるから。 歴代のミステリー作家さんが考えた、ありとあらゆるトリックにもさすがに限りがある。 そこでまだ使われていないのが「読者が犯人」。 普段あまりミステリーを読んでなくて、トリックだけを期待して読む人には、つまらないと思う。正直このトリックだけがすごいわけではないから。 このトリックを「どうやって納得させて面白く読ませるか?」というこの部分こそが、とてつもなく練られていると感じた。 読者を犯人にするなんて、ミステリーファンならそれがどんなに大変なことなのかわかると思う。 トリックを抜きにしても、先が気になってぐいぐい読ませる力があって一気読みした。 『ミステリー・アリーナ』とは全く違う作風なので、多彩な作家さんだと思った。 おそらく賛否両論あるだろうと承知の上で、誰もやってない難しいトリックに挑戦した深水さんが私はやっぱり好きだ。 自分は好きだけどおすすめはしません。 今まで気が付かなかったけど、自分は尖った作品が好きなんだと最近わかってきた。 とても楽しい読書時間で、読み終わるまでがあっという間に感じた。
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