最貧困女子 の商品レビュー
読了後の感想としてはまず、よくぞ出してくれました、ということ。著者が取材中に精神崩壊しなかったか、出版後に抜け殻になっていないか、心配です。全国のセイジカの皆様の課題図書に是非。
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胸が痛くなる。読んでいてつらい。筆者の言うとおり、貧困とは単に金が無いこととはまた違った状態にあることだ、ということがよくわかる。難も知らずに生活保護たたきをしている連中は本書をぜひ読むべき、だと思う。 あと思うのが、なんで「女子」なんだろうってこと。 女性は体を売るって選択肢...
胸が痛くなる。読んでいてつらい。筆者の言うとおり、貧困とは単に金が無いこととはまた違った状態にあることだ、ということがよくわかる。難も知らずに生活保護たたきをしている連中は本書をぜひ読むべき、だと思う。 あと思うのが、なんで「女子」なんだろうってこと。 女性は体を売るって選択肢があるけど、男性は女性ほどの需要はないよなあ。とすると、もっと悲惨な状況が想像されるんだけど、どうなんだろう。
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読んでいてハッピーな事は何も書いてありません。 格差社会の連鎖における、女性・売春ワークにフォーカスをあて、傾向分析や細分化をしています。 怖いもの見たさの好奇心で深淵を覗き込むようです。 「彼女らは本当に、救いようがないほどに、面倒くさくて可愛らしくないのだ。」 環境に恵まれな...
読んでいてハッピーな事は何も書いてありません。 格差社会の連鎖における、女性・売春ワークにフォーカスをあて、傾向分析や細分化をしています。 怖いもの見たさの好奇心で深淵を覗き込むようです。 「彼女らは本当に、救いようがないほどに、面倒くさくて可愛らしくないのだ。」 環境に恵まれなくとも、容姿や性格に問題がなく、離脱できる女子は最貧困には該当しない。 売春ですらセーフティネットではなく、資本主義による格差の縮図、その中でも最下層なのだ。 こんな面倒くさい人間の救済方法なんて、考えるのは骨が折れる。救いもない。 しかし切捨てることが出来ず、方法を考えてしまうのは人情なのだろうか。
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自己責任論のその先へ…。 制度を拡充させて、連鎖的な貧困を断つ。また、そうした家庭を福祉の網からもらしてはいけない。教育現場は「三つの障害」をきちんと把握する。とくに、学校教育において明らかにボーダーライン上にある子どもに対しての支援を組織として行うべきだ。 社会はもう少しセ...
自己責任論のその先へ…。 制度を拡充させて、連鎖的な貧困を断つ。また、そうした家庭を福祉の網からもらしてはいけない。教育現場は「三つの障害」をきちんと把握する。とくに、学校教育において明らかにボーダーライン上にある子どもに対しての支援を組織として行うべきだ。 社会はもう少しセックスワークに従事せざるを得ない女性に対しての理解を持ってもいいと思う。というか、貧困層がなくなることはないのだから、そうした人たちが救われるような社会構造を目指してほしい。甘え、というのは簡単だけれど、連鎖的な貧困を断つのは難しいし、救われない報われない社会では、閉塞感で息が詰まる。
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2015/11/25読了。図書館から借りて。 ちょっととっぴなアナロジーになってしまうかもしれないが、難民と貧困女子に類似する構造を感じた。本来保護されるべき国家から保護されない、むしろ迫害される難民・避難民と、本来保護を受け、愛されるべき親や家庭から保護されない、むしろ虐待され...
2015/11/25読了。図書館から借りて。 ちょっととっぴなアナロジーになってしまうかもしれないが、難民と貧困女子に類似する構造を感じた。本来保護されるべき国家から保護されない、むしろ迫害される難民・避難民と、本来保護を受け、愛されるべき親や家庭から保護されない、むしろ虐待される子どもたち。 「三つ(家族・地域・制度)の無縁」と「三つ(精神・発達・知的)の障害」に苛まれる「最貧困女子」。自らの状況を客観的に認識することを含めて現実を自ら変える力はおろか、助けを求める力さえない人々がいる現実がここにある。安易な自己責任論に陥らずに、絶望的なまでの状況を目前にしてそれでも目をそらさずに、私たちは何ができるのか。不可視化されてしまっている彼・彼女らをどうやって「可視化」できるのか。どんな「居場所」を共有できるのか。 そして、途上国の現実を見て、貧しさの中でも不幸ではない人々を見ながら開発の必要性について疑問に思ってきたことに対する一つのヒントがここにあった。 P49 湯浅誠「貧困と貧乏とは違う」「貧乏とは、単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が両方で、助けあいつつ、ワイワイとやっていればけして不幸せではない。一方で、貧困とは、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、もう一歩も踏み出せないほどに精神的に困窮している状態。貧乏で幸せな人間はいても、貧困で幸せな人はいない。貧乏と貧困は別ものである。」 「女性の人権」や「子どもの人権」を語るときの難しさの一つは、「女性」や「子ども」というカテゴリーに含まれる層のあまりの多様さにある。フェミニズムがエリート女性を中心に、「自立した女性」を推進してきたことへの賛否は周知であるが、この「最貧困女子」たちに対して、現在のフェミニズムは力を持つのだろうか。フェミの最前線への勉強はまだ足りないので、もう少し勉強してみたいと思う。 本書を読んで、見えないものを可視化する「人権」というアプローチにこだわりたい理由がわかった気がしたが、同時にそれが、あまりに困難で、心身ともにあまりに力を消耗することであろうことを再確認させられた。だって人間は言葉や文化の通じる同族でいたほうが確実に楽なのだ。そこをあえて恒常的に越えようなんて物好きは、結構並外れた体力と精神力が必要で。だから不可視化できるなら、しておこう、面倒くさいものには蓋、が流れ。でもね、やっぱりどうしても、知ってしまったら、見てしまったら、そのままでよいとはどうしでも思えないから、よっこいしょ、って腰を上げる人が、いっしょにあげてくれる人が一人でも増えるよう、頑張るしかないなぁと思う。
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すぐそこにあるにも関わらず未だ自分の中では現実として認知、認識できていないものの輪郭の部分をつかむ、そのためにルポを読んでいる。ジェンダーという枠組みではこれまで直面することのなかった「最貧困女子」の現実。セックスワーク、障がい、関係性の貧困。本市も若年層が抱える問題として先日伺...
すぐそこにあるにも関わらず未だ自分の中では現実として認知、認識できていないものの輪郭の部分をつかむ、そのためにルポを読んでいる。ジェンダーという枠組みではこれまで直面することのなかった「最貧困女子」の現実。セックスワーク、障がい、関係性の貧困。本市も若年層が抱える問題として先日伺ったばかり。その上で地域のジンケン拠点して何をするのか、何がウザがられずにできるのか。見えないものを見えるようにすること、見えてしまうと大きい。
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福祉はどうなっているのだろうと思った。 困っている人が積極的に声を上げてくれないと助けられないという構造になっており、また声を上げたところで個人の意思とは沿わない方向に物事が進むこともある。そして施設によっては暴力の被害にあうことすらある。ということを、この本を読んでわかった。 ...
福祉はどうなっているのだろうと思った。 困っている人が積極的に声を上げてくれないと助けられないという構造になっており、また声を上げたところで個人の意思とは沿わない方向に物事が進むこともある。そして施設によっては暴力の被害にあうことすらある。ということを、この本を読んでわかった。 作者がフェミニストを警戒している理由はよくわからないけれど、作者の提案する恋愛も絆回復の手立てとしてはアリだと思った。ただ、恋愛感情を利用して搾取するような人間がいることも事実。 問題は善悪の基準というか、はた目にはもっといい方法があるように思えるけれど、当人はそれを望んでおらず、むしろこちらからみると絶望的に見える希望を信じている場合、どのように手を差しのべるべきかということ。当人の意思を無視してもよいのか。 とはいえ、子どもがいる場合、負の連鎖を断ち切るためにも福祉が介入して、子どもが最低限の生活ができるようにすべきだと思う。愛情は必要なものだけれど、血のつながった家族だけが与えられるものでもない。 困難だとは思うけれども、作者も提案していたようにもう少しゆるい感じの駆け込み寺があればよいとも思った。書類手続きとかは後回しにして、とりあえず、緊急時に眠れて御飯が食べれるような、心身が脅かされることのない安全な施設。
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最貧困女子の多くに見られるのは、「三つ(家族・地域・制度)の無縁」と「三つ(精神・発達・知的)の障害」だと著者は言う。 なるほど、貧困におちいっても、家族や地域や制度のお世話になれば、何とか生きていける。 彼女たちには、それがない。 そんな人たちがいることは理解できるが、売春を...
最貧困女子の多くに見られるのは、「三つ(家族・地域・制度)の無縁」と「三つ(精神・発達・知的)の障害」だと著者は言う。 なるほど、貧困におちいっても、家族や地域や制度のお世話になれば、何とか生きていける。 彼女たちには、それがない。 そんな人たちがいることは理解できるが、売春をしてまでも生活保護を受けたくない、という思考回路とか全く理解できない。たぶん、そんな考えができるなら、さっさと生活保護を受けるのだろうけど。 あと、手続きが極端に苦手とか、面倒くさがり、というのも、頭では理解できる。変に無気力な人っているし。制度はあるのに、利用できない人、利用しない人をどうやって救っていくか、というのが問題なわけだけど、「もっと自由に使いやすい制度を」という著者の提案はいかがかと思う。貧困女子に甘すぎみたいな。 頭では救ってあげなきゃというのは理解できるけど、出てくる人たちの言っていることは、ワガママと思えるところもあり難しい。
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学生時代から10年ほどの間、仲良くしていた女友達がいる。 10代で結婚し、子どもを産み、離婚し、借金返済の為に風俗で働き、心を病み、とうとう生活保護に助けを求めた。 生活保護を受けるところまでは良かったのだけど、それ以降病気を治す気も社会復帰する気もなさそうな彼女に嫌気がさして、...
学生時代から10年ほどの間、仲良くしていた女友達がいる。 10代で結婚し、子どもを産み、離婚し、借金返済の為に風俗で働き、心を病み、とうとう生活保護に助けを求めた。 生活保護を受けるところまでは良かったのだけど、それ以降病気を治す気も社会復帰する気もなさそうな彼女に嫌気がさして、疎遠になったのだが。 彼女に対して生活保護を勧めたのは私。 あれで良かったのだろうかと自問自答を続けてきて、この本に手を出した。 これは日本ではなく発展途上国の話ではなかろうかと思いたくなるような荒んだ環境に置かれた女性達のことが書かれていた。 セックスワークが貧困女子のセーフティネットになっているということは、想像に難くない。しかし、容姿に恵まれず、コミュニケーション能力も低いとなると、風俗業界でさえうまく生きていけない。知的障がい者と健常者のボーダーの場合もあるそうだ。育った環境も悪く、帰れるところもない。 福祉に助けを求めればおそらく手を差し伸べて貰えるはずだが、彼女達はそれもしない。手続きのこと等を煩雑に感じてしまうというのだ。行政が彼女達と接触する機会もなく、見過ごされてしまうという。
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■凄まじい貧困の「三つの無縁」と「三つの障害」 ▸ 三つの無縁:家族,地域,制度 ▸ 三つの障害:精神障害,発達障害,知的障害
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