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にんじん の商品レビュー

3.5

34件のお客様レビュー

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2026/03/28

 にんじんは児童文学だと思っていた。そう思うに至ったエピソードがある。今から30年以上前の自身が小学生の頃、同級生のヨシヒロ君が真冬でもランニングを着て、そして小脇に大型本の「にんじん」を抱えて登下校していて、何ともカッコよかったのだ。もちろん僕も真似して図書館で本を借りるのだが...

 にんじんは児童文学だと思っていた。そう思うに至ったエピソードがある。今から30年以上前の自身が小学生の頃、同級生のヨシヒロ君が真冬でもランニングを着て、そして小脇に大型本の「にんじん」を抱えて登下校していて、何ともカッコよかったのだ。もちろん僕も真似して図書館で本を借りるのだが、同じにんじんを借りるのは恥ずかしく、ロビンソンクルーソーを借りて読んだ。これもだいぶ面白かったのだが。この時からにんじんは小学生が読むもので、ランニングの彼の真似になるからって気持ちが根底にあったのか、30年もの間読むことはなかった。  そしてこの、にんじん新訳である。これは子供の読むもんじゃぁないだろ。が読み始めて最初の感想である。とにかくいじめの、いや、虐待の程度がとんでもないことになっている。強い気持ちでにんじんは成長してくれたが、訳者の後書にあるように、これは涙なしには読み終われなかった。こんな気持ちになる子供が、今後は1人も生まれない世の中になることを祈って。

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2026/03/16

ジュール・ルナールが自身の体験を元に執筆した作品。 ずっと孤独で、ずっと哀しい。 子供の頃は、感情を上手く言葉に表すことができないし、だから自ら誤解を解くこともできない。それでも、愛してくれる家族の存在が、持て余した感情の受け皿となってくれるもの。 そんな存在に頼ることので...

ジュール・ルナールが自身の体験を元に執筆した作品。 ずっと孤独で、ずっと哀しい。 子供の頃は、感情を上手く言葉に表すことができないし、だから自ら誤解を解くこともできない。それでも、愛してくれる家族の存在が、持て余した感情の受け皿となってくれるもの。 そんな存在に頼ることのできないにんじんを思うと、胸が締め付けられた。 終盤、父と心を通わせ、わずかな希望を見出す場面には深く心を動かされた。 そして、子供の頃消化しきれなかった自分の気持ちを思い出させてくれた。 あの時感じたことを忘れずに人への思い遣りをもって生きていきたい。

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2026/02/27

祖父との数少ない思い出の一つがルナールの「にんじん」の本をもらったことでした。読まないまま55年が経ち本も紛失してしまいました。やっと図書館で借りて読んだら童話ではなく問題作でびっくり。 それにしても1894年出版で毒親に苦しみそこから逃れようとする子どもの実体験記があるなんて、...

祖父との数少ない思い出の一つがルナールの「にんじん」の本をもらったことでした。読まないまま55年が経ち本も紛失してしまいました。やっと図書館で借りて読んだら童話ではなく問題作でびっくり。 それにしても1894年出版で毒親に苦しみそこから逃れようとする子どもの実体験記があるなんて、新しい問題ではなかったんですね。 でもあとがきの精神分析は余分です。読者に自由に判断を委ねてください。ルビック氏、ルビック夫人をお父さん、お母さんと訳すなど翻訳も恣意的らしいので他の翻訳でも読んでみたいです。 ルビック氏、ルビック夫人と呼ぶことで距離を取っている子どもの気持ちを安易に無視しないで欲しいです。

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2025/12/21
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※このレビューにはネタバレを含みます

母親のにんじんに対する扱いが酷くて、読んでいて辛くなりました。ぶたれたりする肉体的な痛みは勿論の事ですが、他の兄弟のように愛してもらえないといった精神的な痛みの方がより強調的に描写されていたように思います。幼かった頃の筆者にとって身体の傷よりも心の傷の方が、より深かったのだろうと考えさせられました。

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2025/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『にんじん』なんて可愛らしいタイトルの意味が切なくなってしまった 最後まで主人公のにんじんは誰にも名前を誰も呼ばれなかったのだ お母さんのにんじんへの仕打ち、価値を見いだした途端気にかけ始めるお父さん、兄、姉もにんじんのこと下に見てるのがよくわかる そりゃ、にんじん、歪むよね 途中途中に入る動物へのにんじんの仕打ちがにんじんの歪みをあらわしていたように感じた なんかどのエピソードもパンチすごくて、それでも誰かに愛されたいと願い叶わず、から回るにんじんの姿が上手く表現されている 全て話、母親から離れたいと願ったのに父親になだめられるようなこと言われたにんじんの気持ちを思うとあまりにも痛いですね… 世界に絶望して、それでも愛を求めるにんじんの姿に誰か抱きしめてあげてって思いが募りました 名前は世界で産まれて初めて貰う愛情だと思っている この本を読んでもっと人の名前を大切にしようと思った

Posted byブクログ

2024/12/21

以下、中学2年生の時に書いた読書感想文をそのまま掲載: 「あなたの分のメロンはないわ。だって、あなたは私と同じでメロンが嫌いだから…ええ、まちがいないわ」 「そうか、ぼくはメロンが嫌いだったんだ。ママが間違いないと言うなら、間違いない。」 ジュール・ルナール作の「にんじん」。この...

以下、中学2年生の時に書いた読書感想文をそのまま掲載: 「あなたの分のメロンはないわ。だって、あなたは私と同じでメロンが嫌いだから…ええ、まちがいないわ」 「そうか、ぼくはメロンが嫌いだったんだ。ママが間違いないと言うなら、間違いない。」 ジュール・ルナール作の「にんじん」。この本は、あらゆる面で私に大きな衝撃を与えたし、私なりの大きな褒め言葉としてあえてこう言いたい。「出来ることならもう二度と読みたくない」。それほどに悲しくて、痛い。 まず、この話の主人公の本当の名前は最後まで分からない。なぜかといえば、この主人公は終始周りから「にんじん」と呼ばれ続けるからである。にんじんは髪色が由来のあだ名だが、友達はもちろん家族からも文中で1度も名前で呼ばれない。そんなにんじんは、なんとも不器用な子供で、優秀な兄や姉と比べられながら精神的ないじめを母親から受け続ける。そんな母の酷い仕打ちや、にんじんの愛に飢える様子などが連作短編のかたちで描かれている。 にんじんの受けた仕打ちの中で、特に私の心を強く揺さぶったものをいくつか紹介しよう。 にんじんは大きくなってもおもらしが治らなかった。だから、ベッドの下にはいつもいわゆるおまるが置いてあったのだが、ある日の夜、母はわざとおまるを隠した。母の思惑通りににんじんがおもらしをすると「なんて臭いなの」「この年になって」「動物以下よ」と騒ぎ立てて兄と姉の前で中傷をくり返した。そして、にんじんのシーツに溜まっていたおしっこをとっておいて、スープに入れてにんじんに食べさせたあと、「自分のしたものをあなたは口に入れたのよ」と罵倒するのだ。それに対する「うん、たぶん、そうじゃないかなって思ったよ」という、とてもおもらしをする年の子供とは思えない大人びたにんじんの返事がすべてを物語っているように思えた。 こんなシーンもある。にんじんは兄と姉と一緒に寮に住んでいて、たまの休暇に帰省することになっていた。久々の両親との再会に心踊らせていたが、母と父どちらに先にキスをしたらいいだろうかと考えているうちに兄と姉はキスをもらい、その時にはにんじん分のキスは残っていなかった。にんじんは泣きたい気分になりながらこう言った。「きっと嬉しくて泣けちゃうんだ。だって、ぼくは思っていることが反対の形で表れてしまうことがよくあるから…」 さて、ここまで話して、にんじんが置かれた環境がどれほど不遇だったかはある程度わかってもらえたと思う。愛を十分に注がれないまま育ったにんじんは、さらに不器用で目立ちたがり屋になっていく。ある先生に特段気に入られている生徒に嫉妬をし、2人が特別な関係にあると校長先生に言いつけ、その先生を辞めさせたり、友達に「甘えるってどういうこと?」と尋ねて、もし甘えられるなら…と想像したりした。愛に飢え空回りしているにんじんの不器用さが、物語の節々から現れている。 そんな中、にんじんが初めて母に反抗した場面がある。理由もなく、バターを買ってきて欲しいという母のお願いを断ったのだ。にんじんは、パパのお願いというなら買ってきてもいいが、ママのお願いは聞かないと言った。そして父とふたりきりで今まで母に受けた仕打ちを余すことなく話し、自分が母親を嫌っていること、母と離れて暮らしたいことを初めて打ち明けた。母への嫌悪を認めることを長い間ためらっていたにんじんは、必死に母の機嫌をとって自分は母に愛されていると言い聞かせてきた。しかし、父との会話の中でいままでママだった人が母親になり、あの女になった。母のネグレクトを受け入れ、淡々と生活をしてきたにんじんが、嫌だという感情を表に出せるようになったのは大きな違いだと思う。しかし勇気を出したにんじんを最後まで肯定しなかった父は、あれでもお前の母さんなのだからとなだめる。 それに対してのにんじんの「別にママのことを言ったんじゃないよ」の一言から、「あの女」が急に「ママ」という建前の存在に戻り、にんじんの心の叫びはここで閉ざされたように思えた。この話に「最後の言葉」というタイトルが付けられていることからも、これが父への最後のSOSだったのではないかと思わせる。 この物語は、姉の結婚が決まった時に、「もう誰も僕を愛してくれない」と嘆いたにんじんの前に母親が現れて、慌てて「…ママ以外からはね!」と付け加えて幕を閉じる。変わりかけたにんじんは、また母親の影に怯えつづけるのだろうか、とすっきりしないままだ。 正直言って、この話は私の置かれている環境とはあまりに違いすぎて、感情移入はもってのほか、「かわいそう」と思うことしか出来ない。ただ、この本が「理解できない」こと、それがこんなにも幸せに感じるのである。

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2024/07/13

公文の推薦図書に入っていたから読んでみた。 名作だけど、読むべき時期ってあるんだなぁと実感。 子供を産んだ身で読むと「なんで自分の子供にこんな酷いことができるのか??」っていう困惑が強い。 (かといって、小学生中学生の頃に読んでいたら動物をアレコレするシーンで必要以上にショックを...

公文の推薦図書に入っていたから読んでみた。 名作だけど、読むべき時期ってあるんだなぁと実感。 子供を産んだ身で読むと「なんで自分の子供にこんな酷いことができるのか??」っていう困惑が強い。 (かといって、小学生中学生の頃に読んでいたら動物をアレコレするシーンで必要以上にショックを受けていたかもしれない) Amazonレビューによると訳が独特らしいから、他社のも読んでみたい。 岩波の岸田訳が名訳という噂。

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2024/07/10

表紙のイラストと裏表紙のあらすじからなんとなく『赤毛のアン』や『長くつ下のピッピ』のような恵まれない環境の中でも強くたくましく健やかに成長していくストーリーを想像していたら…‼︎ これ児童文学?自伝⁈ 文章はわかりやすくすぐに読めてしまうのだけど、この話を今の子供たちが読んだらど...

表紙のイラストと裏表紙のあらすじからなんとなく『赤毛のアン』や『長くつ下のピッピ』のような恵まれない環境の中でも強くたくましく健やかに成長していくストーリーを想像していたら…‼︎ これ児童文学?自伝⁈ 文章はわかりやすくすぐに読めてしまうのだけど、この話を今の子供たちが読んだらどう感じるのだろう。 とにかく最初から最後まで母親からの虐待虐待虐待… 父親も兄や姉も母親の前では誰もにんじんを庇ってくれない。辛い 辛すぎる それでもにんじんは母親を嫌いになりきれない… この本をどう受け止めたらいいのか、悩むなぁ〜

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2024/02/16

表紙に挿絵に可愛いイラストだな〜なんて手に取ったけど胸痛っ!途中でリタイアです。 にんじん、子どもだけど大人な考え方が心強い

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2023/05/21

激甘の父親の本を読んだ後は、激辛の母親… 読むの辛かった…けど、にんじんが本当に健気で冷静で思慮深くて。今すぐ助け出しに行きたくなるけど、ちょくちょくと入る隠喩やにんじん自体の考え方が素敵すぎて。 そして一編あたりが短いのも助かる…見てられないよ。 じわじわと自立、成長する人参の...

激甘の父親の本を読んだ後は、激辛の母親… 読むの辛かった…けど、にんじんが本当に健気で冷静で思慮深くて。今すぐ助け出しに行きたくなるけど、ちょくちょくと入る隠喩やにんじん自体の考え方が素敵すぎて。 そして一編あたりが短いのも助かる…見てられないよ。 じわじわと自立、成長する人参のほんの一部分を垣間見れました

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