いなくなれ、群青 の商品レビュー
突き抜けた憧れを守ろうとする主人公と、どこまでも純粋で真っ直ぐなヒロイン。階段島という魔法で作られた世界で、そのどちらもの想いは輝いていて、哀しくて切ない。 欲しくてどうしても持てなかったもの、一瞬手に入れたと思っても失われたもの、振り返るとあの頃持っていたのに、どうしても取りに...
突き抜けた憧れを守ろうとする主人公と、どこまでも純粋で真っ直ぐなヒロイン。階段島という魔法で作られた世界で、そのどちらもの想いは輝いていて、哀しくて切ない。 欲しくてどうしても持てなかったもの、一瞬手に入れたと思っても失われたもの、振り返るとあの頃持っていたのに、どうしても取りに戻れないものを、この小説は思い出させる。 そういう小説は少ないし、そういう本に出会えた私は幸運だと思う。
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映画の映像がきれいで、かつ、結末が不可解で謎めいていたので、気になっていた原作です。 河野裕氏の作品はこちらが初読み。 冒頭2ページ目にして村上春樹の文章に影響を受けた感じはしたけれど、そうだとしても美しさ、せつなさ、時にユーモアをはらんだ独特の表現は、思わず付箋を貼って抜粋し...
映画の映像がきれいで、かつ、結末が不可解で謎めいていたので、気になっていた原作です。 河野裕氏の作品はこちらが初読み。 冒頭2ページ目にして村上春樹の文章に影響を受けた感じはしたけれど、そうだとしても美しさ、せつなさ、時にユーモアをはらんだ独特の表現は、思わず付箋を貼って抜粋したくなるほど魅力的。 階段島という、捨てられた人が集められた島。誰に、何に、捨てられたのか? そして、再会した少女とのあいだに、何があったのか? 真相がわかると、ますますせつない。 突きつめて考えるとややこしくなる設定なので、わかりにくい箇所もあるけれど、全体的には読みやすかったです。 ラストはハッピーエンドというか、エンドレスエンドというか。個人的には、そこはせつないままで終わってほしかった想いもありました。でもシリーズ化しているようなので、ああいうラストがしっくりくるのかもしれない。
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綴られる情景や登場人物の言葉が綺麗で、どちらかといえば小説というより全体的に詩を読んでいるような感じがした。 ストーリー展開は難しくて、私には追いにくかった。でも、詩ってその全容を理解することを読者に求めているわけではないし、その中にあるわかりにくさも一つの魅力だと思っているので...
綴られる情景や登場人物の言葉が綺麗で、どちらかといえば小説というより全体的に詩を読んでいるような感じがした。 ストーリー展開は難しくて、私には追いにくかった。でも、詩ってその全容を理解することを読者に求めているわけではないし、その中にあるわかりにくさも一つの魅力だと思っているので、この小説もそれはそれでいいのかなと。真辺は身近にいたら絶対めんどくさいタイプだけど()、遠くから見ている分には群青色のような、伸びやかな青い美しさがある気がします。(まさにピストルスター!)
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中古で買ったら、映画化されたこの作品の小パンフレット的なものが入っていた。 「この小説は、漱石への挑戦状だ」という言葉が書いてあったが、読み終わってから本当にそれが理解できた。
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人が本質的に変わる瞬間を言語化したかのような作品。6巻まであるがこの本だけでも綺麗に物語が終わるので十分に楽しめる。
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自分の理想?であったような人を自分の理想のままそれ以外を見たくなくて隠してしまうというか固定してしまうというのに共感した 難しい
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
失くしたものと失くした理由の全てが分かったときのやるせなさ。最後に七草と真辺のそれぞれが選んだ道に見える、互いの人格。心を穿つ、本当にそんな本だった。
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自分の嫌いなところも、忘れたい過去も、捨てることはできないし、無くなることもない。時折、向き合って、度々、目を逸らし、折り合って、日々暮らしていくしかないんだわ。多分。
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ピア・サポーターズBさんのおすすめ本です。 「主人公の「七草」たちが暮らしているのは魔女が支配している「階段島」と呼ばれる島で、その住人には「捨てられた人たち」という共通点があります。この島に来た人たちはどうしてこの島に来たのかわからず、この島から出るにはその人が失くしたものを見...
ピア・サポーターズBさんのおすすめ本です。 「主人公の「七草」たちが暮らしているのは魔女が支配している「階段島」と呼ばれる島で、その住人には「捨てられた人たち」という共通点があります。この島に来た人たちはどうしてこの島に来たのかわからず、この島から出るにはその人が失くしたものを見つけなければならないのですが、不自由ない生活でこの島から出ようとする人はいません。しかし、ある日七草が「真辺由宇」と再会してから一変し、この島の真相を突きとめていきます。この島に集められた意味とは?「階段島」とは「魔女」とは」?物語が進むにつれて彼らの抱えている問題に共感してつらくなったり、だんだんと明らかになっていく真相が面白く読む手が止まらなくなる作品です。是非一度手に取ってみてください。」 最新の所在はOPACを確認してください。 TEA-OPACへのリンクはこちら↓ https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00545404
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