地球の変動はどこまで宇宙で解明できるか の商品レビュー
年輪や氷から過去の地球の気象を探るという壮大な課題に挑戦している著者の意気込みが伝わる好著だ.太陽の活動も地球に重大な影響を与えていること,さらに太陽以外からの宇宙線も大きなファクターであることを例示している.地上で生活する分に特に影響はないとのことだが,宇宙活動が活発になればか...
年輪や氷から過去の地球の気象を探るという壮大な課題に挑戦している著者の意気込みが伝わる好著だ.太陽の活動も地球に重大な影響を与えていること,さらに太陽以外からの宇宙線も大きなファクターであることを例示している.地上で生活する分に特に影響はないとのことだが,宇宙活動が活発になればかなりの重要な問題となりそうだ.現在は太陽の活動が極小な状態で,傾向としては地球は冷えているようだが,温室効果ガスとの兼ね合いで温暖化傾向にある.複雑な問題だと痛感している.
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興味深く読んだ。太陽磁場が作り出すカレントシートがどのように銀河宇宙線を遮蔽するかなど、宇宙環境が地球に及ぼす影響を様々な資料から論理的に解説してくれる。80ページ付近の磁場による荷電粒子のドラフトの説明は、左右上下混乱して少しわかりにくい。
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黒点ってだから黒く見えるのね。宇宙線の強弱ってそうやって生じるのね。など、太陽の状態や地球に及ぼす様々な影響などが分かりやすく書かれている。しかし本書の表題はいただけない。
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宇宙気候学入門。著者はまだ新しいこの分野の若手研究者。太陽活動の記録と地表各地に残る様々な痕跡を繋ぎあわせて,宇宙と地球の関係に迫っていくという興味深い内容。推理小説より面白い。 地球の天候を宇宙から左右するのは何も太陽光だけじゃない。過去の気候変動の記録をひもといて,銀河放射線...
宇宙気候学入門。著者はまだ新しいこの分野の若手研究者。太陽活動の記録と地表各地に残る様々な痕跡を繋ぎあわせて,宇宙と地球の関係に迫っていくという興味深い内容。推理小説より面白い。 地球の天候を宇宙から左右するのは何も太陽光だけじゃない。過去の気候変動の記録をひもといて,銀河放射線や太陽フレアが地球環境に与えてきた影響を探っていく。鍵を握るのはやはり太陽活動で,その周期に応じて地球に届く宇宙線の量も変動,それが雲量の変化をもたらしている可能性がある。全球凍結等の過去の大イベントも,銀河系内での太陽系の位置や近傍での高エネルギー天体現象によって説明がつくかもしれない。 地球はもちろん太陽系も閉じた系でなく,常に外からの影響に晒されている。それが些細な影響でなく,実際に地球の歴史・生命の歩みを大きく変えるものだったとしたら,何だか凄いスケールの話だ。
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