ロボットは東大に入れるか の商品レビュー
レビューってのはAIにできないことを、無料で人間にやらせるうまい方法なんです。このサイトもそうだよ。
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改訂新版が出た今となっては情報はもう古いのかもしれない。しかし,基本的には偏差値50より少し下くらいのスコアを出しているようだ。ざっくり言えば,受験生の半数は東ロボくんに負けるかもしれない。 問題は,そういう東ロボくんでもできるようなレベルのことがどんどん機械に置き換わると,同...
改訂新版が出た今となっては情報はもう古いのかもしれない。しかし,基本的には偏差値50より少し下くらいのスコアを出しているようだ。ざっくり言えば,受験生の半数は東ロボくんに負けるかもしれない。 問題は,そういう東ロボくんでもできるようなレベルのことがどんどん機械に置き換わると,同じレベルかそれ未満の能力の人がどうなってしまうのかということ。 AIに仕事が奪われるところを見極めようとするプロジェクトの取り組みを高校生向けに伝えたいくつかの講演をまとめた感じ。 ***** 人間が一所懸命考えて,それで思いつくことは,高校生でも大学院生も研究者も,じつはそれほど変わらない。でも,研究者とみなさんとで決定的に違うところもある。それは,研究者はイメージを数学の言葉にする方法論を持っている,という点なんですね。(p.28) 別に,東大に入らなくてもいいんです,それは大きなテーマではありません。東大のような最難関校の定員は大学定員全体の1パーセントに過ぎないですから。本当に重要なのは,ふつうに学校に入って,仕事につく人たちの平均的な能力を,人工知能が上回ってしまうときがくるのか,ということです。そこで仕事をしている人たちは,機械には代替できないような能力で勝負しなければなりません。その能力が,高度に人間らしい能力で,しかも誰もが身に着けられるわけではないものならば,今まで以上に高収入を得られることでしょう。いっぽう,それが「イラストを判別する」というような,人間ならば誰もができるものならば,それはとても単価の安い仕事にならざるを得ません。機械が労働市場に参入してくる,とはそのようなことです。(p.103) 「ロボットは東大に入れるか」というプロジェクトを始めたとき,ある新聞に「国立情報学研究所『ドラえもん』計画」という見出しの記事が掲載されました。残念ながら,東ロボくんはどこまでいってもドラえもんにはならないでしょうけれども,みなさんにはぜひ考えてほしいことがあるんです。 それは,ドラえもんがいる世の中になったら,のび太くんは何をして働いていくんだろう,ということでなんです。ドラえもんがいたら,たしかに宿題もしてくれるし,困ったことはみんな解決してくれる。そのとき,のび太くんは何をして暮らしていくのだろう。「ロボットに働かせて遊んでいればいい」と思うかもしれないけれども,ロボットが働いて得たお金は,ロボットをつくった会社やその会社がある国だけじゃなくて,のび太くんのところにもちゃんと回ってくるのかしら。ドラえもんと一緒に,のび太くんもジャイアンも幸せになるには,どんな社会の仕組みをつくっていけばいいんだろう。 私は,そのためには,近代以降,私たちがつちかってきた,「役に立つ」「便利になる」というのとはまったく違うタイプの知恵や仕組みが必要になるような気がしてなりません。このプロジェクトを通して,みなさんも一緒にそのことについて考えてもらえるなら,とてもうれしく思います。(pp.110-111) 世の中では英語がとても重要だと言われますが,外国語の能力は,母国語の能力を超えることはありません。ですから,英語の能力を高めたいのであれば,同時に日本語の能力を高めないといけないわけです。その意味を含めて,母国語の能力はたいへん重要です。大学に入学した後,国語力が高い人は伸びますし,そうではない人は伸びません。大学で何を学ぶにしても,ぜひ,母国語の能力を高めるように心がけていただければと思います。(p.170, 佐藤)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人工知能だけでなく、高齢者、障碍者、移民、LGBT、子育て家庭などなど、すべて「どう共存するか」に尽きる問題のように思う。 暗記問題は知識を覚える問題というのは言われてみれば納得だけど、たぶん受験生だった頃にはそれを理解できていなかった。だから苦手だったんだろうな。
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話題になった『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』の作者、新井紀子先生の過去作ということで読みました。 たった5年で技術がこんなに進歩したのかと、この本と『AI vs.〜』を読み比べてみて思いました。 『ロボットは東大に入れるか』の出版時、東ロボくんの偏差値は50を下回って...
話題になった『AI vs. 教科書の読めない子どもたち』の作者、新井紀子先生の過去作ということで読みました。 たった5年で技術がこんなに進歩したのかと、この本と『AI vs.〜』を読み比べてみて思いました。 『ロボットは東大に入れるか』の出版時、東ロボくんの偏差値は50を下回っていましたが、今の東ロボくんはMARCHと呼ばれる東京の有名私大に合格できる能力を持っているそうです。 他にも将棋や言語翻訳など、様々な面で人工知能は進化し続けています。 この本は題名こそ『ロボットは東大に入れるか』となっていますが、新井先生が本当に問いたいのは、有能なロボットを前に人間はどうするか、だと思います。 「敵を知り己を知れば百戦危うからず」 新井先生は「敵を知る」ということの先陣を切り、私たちにわかりやすく説明して下さっています。 でも、「己を知る」ことが出来るのは自分自身だけです。 自分には何が出来るのか、それを見極めてロボットには出来ないことをする必要性を強く感じました。 とても勉強になる本です。 ただ、出版が2013年で現在と少しギャップがあるので、『AI vs.〜』と合わせて読むことをオススメします。
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人工知能に関する本としては、若干、古くなった印象がありますが、この本の面白さは、失われていないように思います。 自然言語の理解の難しさや、そもそも「理解する」ことの意味など、AIを通じて、人間の活動や認識について学ぶこと、気づくことは多いですね。 物理を専門とする者として...
人工知能に関する本としては、若干、古くなった印象がありますが、この本の面白さは、失われていないように思います。 自然言語の理解の難しさや、そもそも「理解する」ことの意味など、AIを通じて、人間の活動や認識について学ぶこと、気づくことは多いですね。 物理を専門とする者としては、物理の問題を解くためのアプローチが面白かったです。 我々は、問題の設定にあたり、ほとんど無意識のうちに、非常に多くのことを、当たり前としているのですね。 ちょっと反省しました。
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2018.3.17市立図書館 第1章「<東ロボくん>と人工知能の現在」は著者が各地の学校で行っている講演を模したスタイルでプロジェクトの概要やコンピュータの知性についての基本的な理解が得られる。 第2章「「東大」への大いなる一歩」は東ロボくんが受けた模試の結果を予備校の教科ごとの...
2018.3.17市立図書館 第1章「<東ロボくん>と人工知能の現在」は著者が各地の学校で行っている講演を模したスタイルでプロジェクトの概要やコンピュータの知性についての基本的な理解が得られる。 第2章「「東大」への大いなる一歩」は東ロボくんが受けた模試の結果を予備校の教科ごとの担当者が分析したり、プロジェクトチームの各教科担当者がそれぞれの教科での攻略方法や進捗状況、展望をレポートしていて、具体的に人工知能の得手不得手が理解できるし、この部分はなかなかおもしろかった。大学受験を控えた高校生なら目を通しておいて損はない。 最後の第3章「<東ロボくん>の将来/私たちの未来」は講演ででた質問への回答を中心としたまとめ。AIにできることとできないこと、できるけれどあやういこと、コンピュータに仕事を奪われないためになにを学びのばせばいいのか、機械にはできない人間らしい仕事とはなにか…といった「AIと競合する未来」を正しく恐れるための知見が満載。これは未来を生きる子どもたちにはぜひじっくり考えて理解してもらいたい部分であり、著者のスタンスは現在に至るまで一貫しているので、この部分だけでもより多くの人に読んでもらいたいと思う。 この本は2011年からはじまったプロジェクトの2014年現在の途中経過で、東ロボくんはその後、2015年に偏差値57.8をマークしたものの、AIの技術の読解力でこれ以上の成績向上は不可能と判断され、2016年末に開発が凍結された(前後してこのプロジェクトの副産物であるリーディングスキルテストの開発が本格化)。この本以降の各教科プロジェクトチームの試行錯誤のレポートも読んでみたいものだと思う。 追記)2018年5月、新曜社から<よりみちパン!セ>シリーズ復刊で、この本も増補版が刊行されるとのこと。
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「東ロボ君も使った、マークシート必勝法が書いてある」との誘い文句に、テストの点が気になるお年頃の我が子は食いつきました。 できれば社会人になる時までに、人工知能を味方につけられるような人間になっていただくのが、母の願いです。
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こういうの初めて読んだ。 最後のほうに書いてあったことで衝撃だったのが、 機械ができなくて人間にできること つまり人間らしい仕事とは 人間が学校に行かなくてもできること・・・。 上記はすべての結論ではなく一部分を取り出したものだけど、十分衝撃です。 学校=教育 だとして、...
こういうの初めて読んだ。 最後のほうに書いてあったことで衝撃だったのが、 機械ができなくて人間にできること つまり人間らしい仕事とは 人間が学校に行かなくてもできること・・・。 上記はすべての結論ではなく一部分を取り出したものだけど、十分衝撃です。 学校=教育 だとして、教育は要らない とはならないですよね。 でも、だから教育はどうすればよいの。 結局、教育分野を、国は軽く見すぎているような気がしてならない。
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AIが生活に不可欠になっている、また急激な勢いで進化しているにも関わらず、法整備を含め一向に社会政治的な議論が深まらない現状に警鐘をならしている。 例えば、法律や判例を取り込めばロボットは裁判官になれるかという問いに対して著者はこう答える 「裁判や医療診断は最終的にはコンピュー...
AIが生活に不可欠になっている、また急激な勢いで進化しているにも関わらず、法整備を含め一向に社会政治的な議論が深まらない現状に警鐘をならしている。 例えば、法律や判例を取り込めばロボットは裁判官になれるかという問いに対して著者はこう答える 「裁判や医療診断は最終的にはコンピュータには任せられない。なぜなら機械は責任が取れないから」 ただ人間は疲れたりブレたりするので、コンピュータの力を借りながら行うのが精度がよいというアメリカの事例を紹介する。 なお著者曰く 「何が一番嫌ですか?」→「嫌だと思うことを嫌だ!と言えなくなること」 (谷川俊太郎からの4つの質問に対する答え) 最高の哲学だと感じた。 ロボットは東大に入れるかというテーマはホッブズとデカルトから始まった400年来の問い。ホッブズ(1588-1679)は理性は計算できる、デカルト(1596-1650)は言語を話す機械は作れないと主張。 犬と猫の識別をどう数学で表現するか。チェスの世界王者になるのと東大に入るのとではチェスの方がはるかに狭き門であるが、すでにロボットはチェスの世界王者を打ち負かしている。さらにロボットが東大に入るより難しそうなプロジェクトが: 『ロボットは井戸端会議に入れるか?』(笑)
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB16280698
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