ロボットは東大に入れるか の商品レビュー
・どんなコンピュータも、自然数として入力を扱い、また例の3つのこと、つまり、①有限の知識、②特定の条件の下における特定の手続き、③同様に繰り返す、ということ以外は何1つできないということなのです。 ・人が推理reasonするとき、かれがするのは、諸部分のたし算によって総額を概念...
・どんなコンピュータも、自然数として入力を扱い、また例の3つのこと、つまり、①有限の知識、②特定の条件の下における特定の手続き、③同様に繰り返す、ということ以外は何1つできないということなのです。 ・人が推理reasonするとき、かれがするのは、諸部分のたし算によって総額を概念し、あるいはひとつの額から他の額を引き算して残額を概念することに、ほかならない。 ―リヴァイアサン トマス・ホッブス ・ところで、まだここまでの話で出してきていない数学の言葉が残っています。何だか分かりますか? それは、確率と統計なんです。 ・「モーツァルトの最後の、そして多分もっとも力強い交響曲は、この惑星と同じ名前を持つ」 こんな風に、「ジェパディ!」の問題には特徴があって、「This 何々」を尋ねます。「この惑星は?」「この肉のブランド名は?」「この町の名前は?」「このロックミュージシャンは?」といった具合です。 ということは、出題されるのは「何」「どこ」「誰」「いつ」の4種類だけなのです。「なぜ」と「どうやって」を聞くことはありません。 そして、求められる答えは、ほぼ間違いなく固有名詞なのです。 もし、あなたがこの問題の答えを知らなかったとして、しかもコンピュータを自由に使えるとしたら、どうやって解きますか? そう!きっとインターネットで検索して答えるに違いありませんね。 どんなキーワードで検索するでしょう。さすがに「It's」や「Perhaps」で検索する人はいないでしょう。「モーツァルト」「ラスト」「シンフォニー」で検索するでしょうね。 では、試しにやってみましょうか。「モーツァルト」「ラスト」「シンフォニー」で入力。 すると、真っ先にウィキペディアの項目、「交響曲第41番」が表示されました。 その中のこれらの後のすぐそばに出てきて、しかも「PLANET(惑星)」のカテゴリーに入る固有名詞はJupiterだけです。ということは、答えがジュピターである可能性が非常に高いですね。ワトソンもそのように判断しようとするんです。
Posted by
ウルフラム、アルファ →数式の計算をかなり細かいところまでやってくれる。 チューリング曰く、計算というのは、 ・有限の知識 ・特定の条件下での特定の手続き ・同様に繰り返す ロボットは統計学と0101で作られている。 統計学だからだいたいあってるようみにえる、しかし、根拠...
ウルフラム、アルファ →数式の計算をかなり細かいところまでやってくれる。 チューリング曰く、計算というのは、 ・有限の知識 ・特定の条件下での特定の手続き ・同様に繰り返す ロボットは統計学と0101で作られている。 統計学だからだいたいあってるようみにえる、しかし、根拠はない。 大間違いをしたときにだけ分かる。 エラーハンドリングが苦手。 人はそこにサポートに入るのでは。
Posted by
夢のある面白いプロジェクトであると同時に実は深刻な現実について考えさせられるプロジェクトでもあるなと改めて実感。私の仕事はロボットにいつかとって代わられてしまいませんか?と考えこんでしまった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
①東ロボの試験結果は? ・センター試験7科目の偏差値45→不合格(2013) ②私たちの未来は? ・米国での株取引の7割はAI、日本は2割 ・店舗のある店は厳しい ・科学技術の革新でガス灯の点灯夫、煙突清掃夫が消えた ・AIの発達で今までと同じに考えていいのかが問われる ③気づき ・スパコン京は、1京回の計算/s ・1997年、チェスの世界王者がIBMのコンピューターに敗れる(すべての手を最後まで検証していない、統計学を用いている) ・2013年、将棋の三浦8段に対してもコンピューターが勝利(トップとは勝負していない) ・コンピューターは①有限の知識、②特定の条件下での特定の手続き、③繰り返す 以外はできない ・スパムを排除するため、画像に書かれた文字列を入力させ、人間かどうかを判定している ・アマゾンは、営業、在庫管理をAIが行っている
Posted by
人間が得意なこと、機械が得意なことを、東大入試を通して探り、高め、世に問おうという面白い試み。 ・機械ができるのは、「有限の知識」から、「特定条件下における特定の手続き」を「同様に繰り返す」こと。 ・コンピュータは意味を理解せずに統計から近似しようとしている。人工知能として動くと...
人間が得意なこと、機械が得意なことを、東大入試を通して探り、高め、世に問おうという面白い試み。 ・機械ができるのは、「有限の知識」から、「特定条件下における特定の手続き」を「同様に繰り返す」こと。 ・コンピュータは意味を理解せずに統計から近似しようとしている。人工知能として動くと、どこまでが論理に基づいていて、どこからが統計なのかよくわからない。同じ統計にしても、確率の理論に基づいてきちんと導かれたものかもよくわからない。ひどい間違えをしてようやく気付く。クリティカルな話題(裁判等)への使用には責任を持てない。
Posted by
全てが理解できたわけではないけれど、なかなかおもしろい本だった。 著者は、文系学部からの理学博士とは興味深い。 人間にしか出来なことも多いけれど、たしかに人間のしごとで機械に奪われていくものは多そうである。 1つのことを極めることも重要だけれども、収入源はいくつかあったほうがいい...
全てが理解できたわけではないけれど、なかなかおもしろい本だった。 著者は、文系学部からの理学博士とは興味深い。 人間にしか出来なことも多いけれど、たしかに人間のしごとで機械に奪われていくものは多そうである。 1つのことを極めることも重要だけれども、収入源はいくつかあったほうがいいのだろうなと思った。
Posted by
専門家が自分の研究に押し潰されてしまって総悲観論になってるのが悲しい。ロボットが仕事を奪う、のではなく、現状に即していないとしても、仕事から解放されるという楽観論で研究してほしい。
Posted by
”言葉の意味を理解するのは難しいので、ロボットはキーワードを照合して統計的に近似させることしかできない”のだそうだ 言葉が”わかっているかのように”ふるまっているということ
Posted by
学生や子供が読む事も想定した平易な内容になっているが、未来の働き方やロボットとの付き合い方などについて示唆に富んだ内容であった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
装丁の軽さからは予想を裏切られる良書。 AIがどのようにものを理解しているのか、という話も面白かったが、職業についての考察が秀逸。 「機械との競争」でも語られているが、はたしてAIが進歩した時、人間にはどのような仕事が残されているのだろうか たとえば、AIには意味を理解することが難しい。猫とは何か、を理解することは無理なので、目の形や毛の色などで統計的に理解する。 写真はカメラを通して世界を観測した結果であるが、イラストは人間の脳を通して世界を観測したものなので、そこには観測者の考えが入っているため、機械ではなかなか認識できない。 AIがいくら発展しても人間にしかできない分野は残るはず。だったら比較優位のある職業に移ればよい、というのが経済学の標準的な理論ではあるが、これは移動のためのコストが0であるという仮定のもとでの話。実際は職業訓練や技能の習得にはコストがかかるし、かつてのように緩やかな時代であればそういったコストも吸収されていたが、現代社会はその革新スピードがあまりに速いので、ほとんどの人は速やかに移動できず、トラブルに見舞われることになる。
Posted by