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名画で読み解く ロマノフ家12の物語 の商品レビュー

4.3

46件のお客様レビュー

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2022/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かった。先日読んだ「残酷な王と悲しみの王妃2」に重なる部分もあり、興味深かった。 知っている絵がイリヤ・レーピンくらいしかないのが残念。でも彼の「イワン雷帝と息子」や「公女ソフィア」は圧巻だし、エピソードも凄いので忘れられない絵だ。ロマノフは他のブルボンやハプスブルク、イギリスと違って、よく言えばドラマティック悪く言えばどぎついエピソードが多い。父の息子殺しや偽物の皇位継承者、娼婦上がりの女帝など、一代記が何人も書けそう。 その中でもピョートル大帝とエカテリーナ1世、エカテリーナ2世は波瀾万丈で面白い。ヨーロッパの王家のように高貴になってしまってからのほうが、ロマノフ王家自体は弱くなったのではないかと思える。

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2022/08/27

血で血を洗うとはこのことだろうか。 底知れぬ暗色の混沌、なにより力が不可欠な統治、そして茫漠と非情。ヨーロッパとは何か異質の歴史を感じた。 エカテリーナ二世がいくら傑出した人物だとしても、ロシアの血を持たない彼女が女帝になれたのはなぜ? と疑問に思っていましたが、皇女ソフィアや...

血で血を洗うとはこのことだろうか。 底知れぬ暗色の混沌、なにより力が不可欠な統治、そして茫漠と非情。ヨーロッパとは何か異質の歴史を感じた。 エカテリーナ二世がいくら傑出した人物だとしても、ロシアの血を持たない彼女が女帝になれたのはなぜ? と疑問に思っていましたが、皇女ソフィアやエカテリーナ一世そしてエリザヴェータと少しずつ外国人女性がツァーリとなる下地の積み重ねがよく分かった。

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2022/01/08

ロマノフ家もまた、個性的な人々の多いこと。 ピョートル大帝、エカテリーナ二世、ニコライ二世……。 とにかくロシアは、昔から気に入らない人や犯罪者をシベリア送りにしてたんだなあと思ってしまった。 ニコライ二世の一家殺害、そしてそれを隠蔽する…というのがロシアっぽい。

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2021/11/20

ロシアの遍歴、ロマノフ家の苦悩 ヨーロッパには◯◯家という政治と財力に物言わせ国の行く末さえ変えてしまう歴史に名を刻む家が多い。 ロシアもそんなヨーロッパの家と関わり交わりながら 戦い現在に近いものになって行く。 名家との婚姻は日本人が考えるより遥かに大変なものだっただろう。 ...

ロシアの遍歴、ロマノフ家の苦悩 ヨーロッパには◯◯家という政治と財力に物言わせ国の行く末さえ変えてしまう歴史に名を刻む家が多い。 ロシアもそんなヨーロッパの家と関わり交わりながら 戦い現在に近いものになって行く。 名家との婚姻は日本人が考えるより遥かに大変なものだっただろう。 歴史の背景には革命や伝染病もあり、ロマノフ家も翻弄されて行く。 特に目を引くのは、ロシアと言う極寒の地にありながらナポレオンとの度重なる戦い。 アレクサンドルはロシアを救うために自尊心を捨てたとあり涙腺が緩んでしまった。 ロシアでは最高権力者が突然失脚し、夜明けに乱暴にドアを叩く音に怯えたという。 罷免や財産没収に留まらず苛烈な拷問、シベリア送り、四肢切断などの公開処刑が妻子一族までを巻き込んでと言うのは、本当に恐ロシアと言わせる所以なのだろうと思う。 かつては親日と言われた大津事件にも触れており、ロシアの乾いた空気と魅力的な国土も感じられる大変読みやすいボリュームの良書。

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2021/11/17

ロマノフ朝の誕生から終幕まで、簡単に描かれていただけではなく、名画の解説も書かれていたので、物語を読んでいるように思えて、非常に興味深かった。 ミュージカル『アナスタシア』をきっかけに、ロマノフ朝に興味を持ったが、ニコライ2世だけではなく、エカテリーナ2世たち皇帝も深く知りたいと...

ロマノフ朝の誕生から終幕まで、簡単に描かれていただけではなく、名画の解説も書かれていたので、物語を読んでいるように思えて、非常に興味深かった。 ミュージカル『アナスタシア』をきっかけに、ロマノフ朝に興味を持ったが、ニコライ2世だけではなく、エカテリーナ2世たち皇帝も深く知りたいと思った。

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2021/10/28

オペラの「ボリス・ゴドゥノフ」や、ドストエフスキーの作品が妙に気になる。 やたらに苦悩したり、残虐だったり、ロシア人の人間性に興味を覚えるせいかも知れない。 王家というのは肖像画を沢山残していて、それが図版で沢山挿入されている。 切れ味の良い文章と共に脳内にリアルなドラマが展開し...

オペラの「ボリス・ゴドゥノフ」や、ドストエフスキーの作品が妙に気になる。 やたらに苦悩したり、残虐だったり、ロシア人の人間性に興味を覚えるせいかも知れない。 王家というのは肖像画を沢山残していて、それが図版で沢山挿入されている。 切れ味の良い文章と共に脳内にリアルなドラマが展開し、ついつい一気読みしてしまう。 ロシアの農奴は悲惨だったが、上流階級もなかなか大変。ある朝荒々しく戸を叩く音と共に、地位も財産も命も奪い取られるのだ。 聖愚者というのがボリス・ゴドゥノフに出て来るが、単なる障害を持った人というわけではないらしい。農奴の生活に耐え切れなくなった人々が全てを放棄してなる場合もあるとか。彼らは好きな事を言う権利があり、ボリスもその聖愚者に、皇太子殺しを指摘されて怯えるのだ。 ロシアは冬寒いし、その寒さを利用した戦法を持っていたり、何かというとシベリア送りになる所も独特。

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2021/10/25

海外ドラマのThe Greatを観ているので選んでみました。エカチェリーナ大帝 = Catherine the Greatのthe Greatです。 関係ないですが、世界史を習った時イワン雷帝の雷ってなんだと思ってたら、Ivan the Terribleで、怖い人だったってこと...

海外ドラマのThe Greatを観ているので選んでみました。エカチェリーナ大帝 = Catherine the Greatのthe Greatです。 関係ないですが、世界史を習った時イワン雷帝の雷ってなんだと思ってたら、Ivan the Terribleで、怖い人だったってことなんですね。雷 = 怖いと結びつかないのが現代人の感覚なのかもしれないです。 ドラマはピョートル大帝とエカチェリーナ大帝のエピソードが混ざってるってわかりました。唯一現代人の感覚を持ってる主人公を心から応援したくなる話です。エル・ファニングが可愛すぎるのもあるけれど。 18世紀は女帝の時代だったようで、なぜロシアで女帝が許されたのかわかって読んでよかったです。愛と憎しみというより、とにかく憎しみに満ちた歴史で恐ろしい。王朝の最後に暗殺が横行する、その時とにかく怯えるばかりでなぜ民衆からそんなに憎まれるのか考えようとしない、考えるきっかけすらないのだから、滅ぶべきして滅んだのかなあと。例えばイタリアだったら自国の歴史を学ぶのはきっととても楽しいでしょうね。中野京子さんの絵の見方はとても好きです。でも歴史観はあまりかな。大人だから主観的に見ればいいし、さらっとしてるのはとてもいいけれど、私はそうは考えないかなというのも多いかな。 とにかくやたらシベリアに送られるのでシベリアの人口どうなってるんだと思って地図をみたら、シベリアって広いんですね!という頭の悪い感想でした。

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2021/10/16

比較的有名なイワン雷帝ですら16世紀という ロシアの後発具合。 近辺にはアジア系騎馬民族がいたから 南下もしずらい。 遅れて来たからの蛮力、好き。 女帝達のなりふりかまわずヨーロッパの真似を しつつ実利を得ていく所がたくましい。 ニコライ2世は転換期に気がつかなかったのか な...

比較的有名なイワン雷帝ですら16世紀という ロシアの後発具合。 近辺にはアジア系騎馬民族がいたから 南下もしずらい。 遅れて来たからの蛮力、好き。 女帝達のなりふりかまわずヨーロッパの真似を しつつ実利を得ていく所がたくましい。 ニコライ2世は転換期に気がつかなかったのか なんとなーくわかっていて逃避したのか 海外に逃げなかったから前者かな。 床暖もFF式ストーブも無いシベリアなんて 送られたらすぐ死ねる。   マリア・ヒョードロヴナ(母上)の肖像画が美しい。 次点で、マリア・アレクサンドロヴナ 真珠素敵‼︎最高‼︎

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2021/10/03

絵画そのものを楽しみつつ、描き込まれている事物の意味、その絵がどのような意図で描かれたか。絵画を通して、ヨーロッパ王朝の栄枯盛衰を知れるシリーズ。エカテリーナ2世のゾフィーであった時代の肖像画、意外なほど背が低い女帝時代の肖像画が特に印象的です。

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2021/06/17

新聞の新刊案内か何かの宣伝を見て興味を持って図書館で借りて読んでみた。 一つの国の王室の大まかな流れから、ああ世界史のあんな感じのあのへんみたいなことが思い起こされ、結構面白かった。ロマノフ家にはなかなか暗く陰湿なイメージがついてしまった気もするが。絵画を鑑賞するのも、やはり知識...

新聞の新刊案内か何かの宣伝を見て興味を持って図書館で借りて読んでみた。 一つの国の王室の大まかな流れから、ああ世界史のあんな感じのあのへんみたいなことが思い起こされ、結構面白かった。ロマノフ家にはなかなか暗く陰湿なイメージがついてしまった気もするが。絵画を鑑賞するのも、やはり知識や背景を知っていると段違いで楽しめると思う。ブルボン王朝、ハプスブルク家も、ちょっと読んでみたいな。

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