敬語で旅する四人の男 の商品レビュー
タイトルに惹かれて読んでみた。 4人のつかず離れすほどいい人間関係が心地よい。 でも、話から浮かんで来るそれぞれの悩みや問題が深くて重い。彼らがそれぞれ「優しい」ため、根の深さが重くなくさらりとしていてからりとしている。
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読み終わったら何故がビン詰めのピクルスの画が頭に残った。後は、愛宕山の頂上の風景と黄色の浴槽。ストーリーに登場したアイテムがなぜかストーリー以上に視覚的に残った。なぜかはわからないが。 題名通り4人の男の旅行の話だが、親友と言うわけでもなく、かと言って旅行を一緒にするには無理があると言うほど余所余所しいと言うほどでもない絶妙の距離感。結構重いテーマの話が続くだけに、そのさじ加減が物語の敷居を下げている。じゃないと読後感悪かっただろう。語り口は軽く見せてあるが、実は計算ずくの作品。
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はて、ちらほら見かける発達障害とかADHDとか言われる人の話である。はっきりと人と違う!って言われる人と、情緒不安定の人やら、ちょっと変わっている人とか、そういう人たちの違いって、まぁある意味非常に微妙な境界線が引かれるんであって、そんなに変わらんじゃんって思ったりもする。でもこ...
はて、ちらほら見かける発達障害とかADHDとか言われる人の話である。はっきりと人と違う!って言われる人と、情緒不安定の人やら、ちょっと変わっている人とか、そういう人たちの違いって、まぁある意味非常に微妙な境界線が引かれるんであって、そんなに変わらんじゃんって思ったりもする。でもこの微妙な違いというものが人は許せないわけで、醤油をあと一滴たらすだけで全然違う!ってな感じのこうるさい料理人のように、まぁ面倒くさいんだよなぁ。それぞれ人は皆違うんだって言ってみたり、人類皆兄弟的なことを言ってみたり。そこらへんを深く考えだすと、同じ漢字を延々と描き続ける時に感じだす違和感のような微妙な感覚を抱き始めてヤバイ。 しかし男四人ってのが、女性受けするんじゃないか、などと思う。
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それぞれ問題を抱える男たちが度毎に、取り合えず問題を解決して四人が何気にお補い合う関係性が、普通に心地よかった。
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真島くんと斎木先輩の関係から芋づる式に、繁田さん、仲杉くんと誘い合わせ、四人で佐渡まで旅をすることに。 いわゆる、『世間が決める規則』通りには上手く生きて行けない人たちや、そこに優しくからんで行ける人たちの物語。 少数派を認めよう、と声高に言い立てるのでなく、日常のありふれた出来...
真島くんと斎木先輩の関係から芋づる式に、繁田さん、仲杉くんと誘い合わせ、四人で佐渡まで旅をすることに。 いわゆる、『世間が決める規則』通りには上手く生きて行けない人たちや、そこに優しくからんで行ける人たちの物語。 少数派を認めよう、と声高に言い立てるのでなく、日常のありふれた出来事の中で、時には切なく、時にはユーモアを持って描かれているのが良い。 斎木の、空気を読まない、正直で純粋な発言が、時に胸がすく。 そして、仲間を気遣う人なんだろうなと、感じる場面もあり。 『敬語で旅する四人の男』 僕・真島圭太のこと。 四人の始まり。 父と離婚して出て行った母を、佐渡に訪ねる。 一人でこっそり訪ね、すぐに帰るつもりだったのに。 『犯人はヤス』 俺・繁田のこと。 バツイチ、京都の元妻の元に子供がいる。 というか、種だけ取られ、俺は必要なかったんだ。 身勝手な元妻の実家に、子供を愛宕山に登らせろと命じられる。 『即戦クンの低空飛行』 俺・仲杉幸彦のこと。 「人なつこく愛想のいい」仲杉くんを悩ませる、職場、病的な束縛彼女、結婚・子作りを迫る実家。 鳥取砂丘で懐かしい面影を偲ぶ。 『匡(たすく)のとおり道』 僕・斎木匡の恋。 人との関係を上手く築けない斎木も、「相手を思いやる」気持ちを少しづつ学ぶ。 熱海。
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バラバラで、クセが強くて、だけど、どこにでも居そうな四人の男。それぞれの視点で、それぞれが中心になる四編の短編集。 本書は小説宝石新人賞受賞作を含み、著者はこの他に出されている作品は少ないものの、かなり高いセンスが感じられた。 四編の連作小説としての物語性、さらりと読みやすい文章...
バラバラで、クセが強くて、だけど、どこにでも居そうな四人の男。それぞれの視点で、それぞれが中心になる四編の短編集。 本書は小説宝石新人賞受賞作を含み、著者はこの他に出されている作品は少ないものの、かなり高いセンスが感じられた。 四編の連作小説としての物語性、さらりと読みやすい文章、爽やかな読後感、クスリと笑えるけど嫌味が無い可笑しさ、何より登場人物がとても良い。 仲良しでもなければ似ているわけでもない個性的な四人は、それぞれが何かしら抱えていて、けれどもそれは、実は誰にでもあるような、身近に居そうな、親しみやすさがある。 彼らと一緒に会話や旅を楽しんでいる友人の一人のような目線で物語を楽しめた。
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三十才前位の男友達?の旅する短編集。個性的なそれぞれの性格で変に繋がりが面白い。 2016.11.22
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それぞれに様々な事情を抱えた30歳前後の四人の男。近すぎず、遠すぎず、けれどピンチのときにはそっと手を差し伸べあう、そんな絶妙な距離感を保ちながら進んでいく四人の男が織り成すストーリーに爽やかな読後感が残りました。 この本が麻宮さんの処女作みたいなので、今後の作品が楽しみです。
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新聞の書評で気になって読んでみました。敬語の持つ距離感がいい。男同士ならではの、踏み込み過ぎない、でも思いやりのある関係性に憧れます。大人の発達障害についても自然に描かれていてそこも良かった。登場人物みんな、幸せになってほしいです。
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アスペルガー気質を、こんなに魅力的に、小説にするなんて。 特別枠なんて言葉は邪魔、個性として受け止められるかい。
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