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なぜローカル経済から日本は甦るのか の商品レビュー

4.1

78件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

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2024/04/16

経営の専門家として多方面に渡って現在も活躍中の冨山和彦が、日本経済を立て直すにあたり、グローバル経済とローカル経済に分けて考えないと、国の政策から何まで見誤りますよいう警告を2014年の時点で発した本。

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2022/09/04
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※このレビューにはネタバレを含みます

なぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書)2014/6/13 G経済圏とL経済圏それぞれで別の戦力を用意せよ 2015年4月15日記述 産業再生機構元トップの冨山和彦氏の著作。 本書では企業、産業がかつてに比べG(グローバル型)、L(ローカル型)とはっきりと分かれていてそれぞれに効果のある対策は異なるということを示している。 これまでも感覚的に思っていたことではあるけど、国際競争に耐えずさらされているメーカーとJR、バス会社などを同列に扱うことにそもそも無理があるのだ。 (国の産業政策だけではなく個人にとっても同様。MBAを取得や高レベルの英語力が日本人全員に必要かどうか等・・・) G型企業のこれから、ガバナンスがどうあるべきかは本書に加えてビックチャンスという著作に冨山氏がまとめているので参考にされたい。 L型については本書がよくまとまっている。 雇用にしてもGDPにしてもおよそ7割をしめているというのは意外だった。 L型では密度の経済性が効く。 L型経済圏に対して単純な規制緩和ではかえってブラック企業などが増えてしまう。 スマートレギュレーション(賢い規制)が必要である。 サービス業などは国境を越えることは出来ない。(バス、鉄道、観光・・) サービス業の最低賃金を上げ生産性の低い会社の退出を促す。 地域金融機関、保証協会のあり方の見直し。 特に信用保証協会からの代位弁済が毎年一兆円を超えている。 これを見直し生産性の低い企業へ緩やかな退出を促す。 個人保証でも贅沢品を除いた財産は取り上げず路用に迷わないように変える。 税制や補助金も生産性の高い会社に傾斜的に配分するべき。 失業対策も対企業ではなく直接個人に対して。 人手不足対策を真剣に行う(放置すれば人がいなくて過労死する場合も・・) 非高度人材の外国人を移民としていきなり受け入れると 劇的なショック反応が起こる可能性がある。 日本国内で少子化対策、生産性向上、女性と高齢者の更なる活用を徹底的に行う。 いきなり外国人労働者を入れることは最低賃金の引き下げとほぼ同じ効果を持つ。

Posted byブクログ

2021/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これからの日本のいく末可能性について考えるべく読書。gとlの社会は構造が違うという話。改めて興味深い メモ ・製造業、it業はグローバルの経済特性。規模の経済・ネットワークの経済性が効きやすく、国際競争に巻き込まれやすい。 ・ローカル経済圏はコトの価値。分散的な経済構造、密度の経済が働くことが多い。 ・新陳代謝の不足 ・グローバル優良企業はトリプルテン(利益率・ROE・成長率) ・Gの世界の戦略 高株価・新陳代謝・成長産業・労働市場 ・銀行も通信もローカル産業。グローバルかどうかをみるには寡占度合い。  トップ10位でほとんどをしめていたらグローバルの産業 ・再生における問題の本質はBSでなくPL ・ローカル経済は緩やかな退出と寡占化を ・ローカルの場合、ベストプラクティスアプローチが有効。同一地域でなければ、競合とならない ・緩やかな退出を促進するためには資本市場や製品市場でなく、労働市場から。最低賃金をあげる。

Posted byブクログ

2021/02/25

抜群だった。正直『シン・ニホン』よりも、いま読まれるべきはこちらではないかと思う。机上の仮説ではなく実戦の中で得た洞察なので、迫力が違う。 トレーダブルなグローバル経済の世界の極北にはPh.D.持ちCEOたちの世界観があり、熾烈な資本獲得競争が続く。なんちゃってガバナンスの「日...

抜群だった。正直『シン・ニホン』よりも、いま読まれるべきはこちらではないかと思う。机上の仮説ではなく実戦の中で得た洞察なので、迫力が違う。 トレーダブルなグローバル経済の世界の極北にはPh.D.持ちCEOたちの世界観があり、熾烈な資本獲得競争が続く。なんちゃってガバナンスの「日本基準では一流企業」の文句を聞いている暇はなく、グローバル基準のオリンピック選手育成環境を整備する必要がある。 アントレーダブルなローカル経済の世界においては、規模の経済は幻想であり、元々PLさえ安定させられればディフェンスは強い。それに加えて労働人口不足という環境変化が重なり、ROEよりも労働生産性、資本市場よりも労働市場によるガバナンスがゲームのルールとなっている。この世界における本当の課題は、新しい企業を生むことよりも弱い企業・集落を整理・集約することにある。 注意すべきは、良くも悪くも現場視点であるからこそ、時間軸を飛ばした大胆な構想にはなっていないこと。20年30年先を考えると、地方の高齢者まで漏れなくAmazonやUberを使いこなし、GがLを侵食していくシナリオもありえるのではないかと思う。

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2020/04/03

朝日新聞のインタビューを読み注目していた。みちのく交通の話などとようやく符号。人口減社会の中で、生産性を上げないといけないというストーリーには大変納得。林業の将来もこれで解けそうである。

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2020/03/21

2020.03.21 予め、グローバルでオリンピックチャンピオンを目指す企業(Gの経済)とローカルでの勝利を目指すサービス業を中心にした企業(Lの経済)を分けて考えるという切り口はとてもおもしろく、同意すると同時に感心した。Lの経済における生産性の向上という考え方はとてもよく理...

2020.03.21 予め、グローバルでオリンピックチャンピオンを目指す企業(Gの経済)とローカルでの勝利を目指すサービス業を中心にした企業(Lの経済)を分けて考えるという切り口はとてもおもしろく、同意すると同時に感心した。Lの経済における生産性の向上という考え方はとてもよく理解できる。どう進めるかを考えないと。

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2020/01/15

★2つの世界の切り分けに納得★目にする地方経済の現状と、国やメディアが騒ぎ立てる経済のグローバル化といった話の距離にずっと違和感を覚えていた。世界の距離が近づき日本の生産年齢人口が減っていけばこれまでと同じ処方箋では対処できない。世界を2つに分けて考えるべきだという指摘はすごく腑...

★2つの世界の切り分けに納得★目にする地方経済の現状と、国やメディアが騒ぎ立てる経済のグローバル化といった話の距離にずっと違和感を覚えていた。世界の距離が近づき日本の生産年齢人口が減っていけばこれまでと同じ処方箋では対処できない。世界を2つに分けて考えるべきだという指摘はすごく腑に落ちた。 「モノ」を中心に立地を問わず世界の(ニッチな分野でも)チャンピオンにならなければ生き残れないGの世界と、その場でしか成り立たたず人手のかかる「コト」のLの世界。かつての日本を支えていた加工組立の中小企業は、世界との距離が近づく中でGの世界でしか生き残れない。Lの世界は地方だけでなく流通・サービスにも当てはまり、いい意味でそこに地方のヤンキーが生き延びる余地もある。どちらがよいではなく、異なる世界が併存する。

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2019/12/27

ローカルビジネスに興味があるのであれば、こういう本をちゃんと読まなきゃいけなかったよなと後悔。ただ、過去を悔やんでもしょうがないので、これからちゃんと勉強しよう。 日本全体が人口減少している中で、これまでと同様に地方の産業政策が「工業団地造成&企業誘致」では立ち行かなくなるだろう...

ローカルビジネスに興味があるのであれば、こういう本をちゃんと読まなきゃいけなかったよなと後悔。ただ、過去を悔やんでもしょうがないので、これからちゃんと勉強しよう。 日本全体が人口減少している中で、これまでと同様に地方の産業政策が「工業団地造成&企業誘致」では立ち行かなくなるだろうというか、すでに立ち行かなくなっていると実感しており、じゃあどうするかというと「質の高い産業だ」とロボット産業などの誘致になっているのだが、果たしてそれでいいのだろうかと思っていた。そういう意味では、この本で語られている、ローカルビジネスは密度の経済性が働いており、グローバルトップを目指す必要はなく、生産性の向上を図るための企業集約を図るべし、というのは腑に落ちた。ただ、それを行政政策に結び付けるのはなかなか難しい。転廃業の促進はできるかもしれないが、金融機関のデッドガバンス強化や、再編促進型の倒産法の導入といった解決策は、国や民間と協力しながらでなければ進められない。が、そういう視点を持つことが重要なんだろう。

Posted byブクログ

2019/07/28

「地方消滅」のおさらい的に。人材と同様、グローバルの標準的なルール(オリンピック)で戦う会社と、ローカル経済で戦う会社のルールはおのずと異なるので、きちんと峻別して運用しましょう、という本。納得です。

Posted byブクログ

2019/07/08

ローカルとグローバルの話が中心。労働生産人口、少子化、雇用問題、移民政策、サービス業の人出不足等、範囲が広くなってしまう内容。

Posted byブクログ