キルギスの誘拐結婚 の商品レビュー

林典子(著者)

2014/08/25

誘拐されて結婚なんて、冗談ではないと思った。町で出会って、一目ぼれして、仲間を集めて、男が花嫁となる相手を誘拐してしまう。それが習慣化している。禁止はされているが、民事不介入ってことで警察は動かない。しかし、いきなり将来持っていた夢などを、誘拐結婚という形で閉ざされてしまうなんていうのは、ちょっとひどいね。親の反対を押し切るために、双方了解の上での誘拐結婚というのもあったけど。そもそもは、合意の上での～があったらしいが、その合意の上でのが消えて、一方的に一目ぼれした相手を誘拐してしまうことがあるという。人権侵害となるのか、それとも、その場所の慣習と言ってしまうのか。難しいところではある

2014/08/24

本書に載せられた写真は力強く、一度見たら忘れられない。今、自分がいる場所が明らかになる。私は今、キルギス社会に生きているわけではない。「アラ・カチュー」と呼ばれる行為が慣習なのか、犯罪なのか分からない。人口５００万人余りの国が抱える歴史や問題も知らなかった。けれども、私が歩む一歩一歩にこの写真集が影響してきていることを感じている。林典子氏のフォト・ジャーナリストとしての覚悟と共に、目にすべき一冊だと思う。

2014/08/20

世界報道写真展か何かの賞に選ばれていた写真家の作品。
キルギスで行われている女性を誘拐し無理矢理説得し、結婚をしてしまう慣習を追っている。
家族でも入り込めなさそうな場面に入り込んでいる取材力。
当事者の女性の気持ちがグッと伝わってくる撮り方がうまいと思った。

2014/08/14

すまない、心あるキルギスの人よ
私はこの誘拐結婚を積極的になくそうとしないあなたの国が現時点で嫌いだ

2014/07/01

お嫁さんを誘拐する風習があるそうです。こわい。だけど誘拐されて結婚して幸せになってる方もいるとか。もちろん逆も。

2014/06/24

ショッキングな写真が、なんて書いてあるから恐る恐る見たけど、そんなことなくて安心。

「誘拐結婚」という習慣があることも知らなかった。

新郎は、泣き叫んで抵抗してやがて観念して諦めた女性に、毎日どういう気持ちで向かい合うのでしょう？
終わりよれけば全て良し？

何より、新婦は、どれだけのことを諦めたり憎んだりしたらいいんだろう。
悪しき慣例、助けてくれない家族、味方になって欲しいのに説得にまわる新郎の家族の女性。

子供が産まれるまでにそれはそれは無理をして気持ちの整理をしているのでしょうね。

誰か、キルギスの男性に、誘拐しなくていいんだよと、口説く楽しさを教えてあげてください。

2014/06/14

写真はかなりショッキングなものが多い。

あとがきで写真家として目の前で起きている”誘拐”について介入すべきか否か、人権侵害と捉えるか文化の一部ととらえるか等、葛藤があったんだろうな。
今回撮影していた林さんもキレイな女性で、自分自身100%安全とは言い切れないのに良く撮ったと思う。だけどむしろ女性だからこそ、誘拐された花嫁達の姿も写し取れたのかな。

キルギス国内でもハッキリ違法とされ、結婚後命を絶つ女性、このような結婚を支持しないキルギス人男性、また欧米でも人権侵害として問題になっている誘拐結婚。
もっと色々な人に見てもらいたいなと思う。

それにしても女性は強い。