キルギスの誘拐結婚 の商品レビュー
キルギスではいまだに、女性を拉致・誘拐し、そのまま、花嫁にしてしまうような習慣がのこっている。そんな事例を集めた写真集。ただし、最終的にこの状況を受け入れる女性も少なくないという。 異国の文化に惹かれつつも、ドキュメンタリーの様に見入ってしまう作品。著者も述べていたが、人権侵害と...
キルギスではいまだに、女性を拉致・誘拐し、そのまま、花嫁にしてしまうような習慣がのこっている。そんな事例を集めた写真集。ただし、最終的にこの状況を受け入れる女性も少なくないという。 異国の文化に惹かれつつも、ドキュメンタリーの様に見入ってしまう作品。著者も述べていたが、人権侵害として糾弾すべきなのか、伝統の一環として静観すべきなのか、分からなくなってしまう面もある。 少しでも気になる人は、一読をお勧めする。写真集なので、直ぐに読み終わるが、登場する女性たちの心の中を想像するだけで、思いが駆け巡ってしまう。
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タイトルが強烈過ぎて、ちらっと中身を見て、こんな慣習(このように呼ぶべきではないかもしれないが)がある地域があるなんて…と、詳しく読んでみたくなり、図書館にて予約。ずいぶん待ちました。誘拐された女性のほとんどが結婚を受け入れざるを得ない事実。しかしその是非については、古くからの背...
タイトルが強烈過ぎて、ちらっと中身を見て、こんな慣習(このように呼ぶべきではないかもしれないが)がある地域があるなんて…と、詳しく読んでみたくなり、図書館にて予約。ずいぶん待ちました。誘拐された女性のほとんどが結婚を受け入れざるを得ない事実。しかしその是非については、古くからの背景を、万が一調べ尽くしたとしても到底知ることのできないわたしには意見できかねます。数々の写真に、事実とともに写っている、キルギスの自然や、織物や、人々の美しい衣装がまた、印象的な本です。男性も女性も、子どもたちも、とても凛々しいです。
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誘拐結婚が慣習として存在しているのも驚きだけど、どうやってこんな写真が撮れるくらいの関係を築けたのだろう? って写真が満載。
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誘拐結婚は人道に悖るかと思えば、誘拐結婚の結果幸せに暮らしている夫婦もいるのが不思議。 当人同士が好きでも親が反対しているというとき、駆け落ちのように誘拐結婚の形式を選ぶのは分かるが、女性にとってまったくの晴天の霹靂である誘拐で、幸せになれる人がいるのはなぜ? それって本当に幸せ...
誘拐結婚は人道に悖るかと思えば、誘拐結婚の結果幸せに暮らしている夫婦もいるのが不思議。 当人同士が好きでも親が反対しているというとき、駆け落ちのように誘拐結婚の形式を選ぶのは分かるが、女性にとってまったくの晴天の霹靂である誘拐で、幸せになれる人がいるのはなぜ? それって本当に幸せなの? 文字ではなく写真の本なので、答えは見る人が読みとるしかありません。
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仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる――中央アジアのキルギスで今も行われている「誘拐結婚」の驚くべき“慣習”を、誘拐の現場やその後の生活に密着して取材した渾身のレポート。 世界最大規模の報道写真祭ビザ・プール・リマージュで「ビ...
仲間を連れた若い男が、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理やり結婚させる――中央アジアのキルギスで今も行われている「誘拐結婚」の驚くべき“慣習”を、誘拐の現場やその後の生活に密着して取材した渾身のレポート。 世界最大規模の報道写真祭ビザ・プール・リマージュで「ビザ・ドール(金賞)」を日本人で初受賞したフォトジャーナリスト林典子さんが、2012年7月から5カ月間のキルギス滞在中、実際に誘拐現場に数回遭遇し、誘拐で結婚した約25組の夫婦や女性たち、いったんは結婚を受け入れたものの数日後に逃げ出した女性や、離婚の準備を進めている女性たちを取材。さらに2014年1月から1カ月余りの追加取材を行い、彼女たちのその後の暮らしぶりを撮影したものだという。 この慣習については聞いたことがあったけど、書評を見てますます読みたいと。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この写真集は、いろいろな偶然が重なって手に取った写真集である。 きっかけは2つある。まず1つは、ユーラシア大陸を旅している友人から、「今キルギスにいるよ〜」とメッセージをもらい、「キルギスってどんなとこだろ?」と調べたこと。そこで、キルギスという国を調べていると、「キルギス 誘拐結婚」という文字が飛び込んできて、そこでまずキルギスで誘拐結婚ということ結婚の形態があることを知った。 そこで一度忘れてしまったのだが、その一週間後、新幹線に乗っている際に、新幹線に置いてある雑誌に、このキルギスの誘拐結婚の記事が載っていた。ものすごい偶然。そしてこの写真集の存在を知ったのだった。 誘拐結婚は、キルギスではもう「慣習」になってしまっているんだと思う。誘拐結婚が「おかしい」と思う人もたくさんいるんだけど、もう慣習として根付いてしまっているから、それは無くすのが難しい状態になっているんじゃないか。 そして、この誘拐結婚は、誘拐した男の親戚の年長者の女たちが、誘拐した女を説得して結婚させるのだが、キルギスでは、年長者の意見は敬わなければならない、という文化が根付いている。また、あまりにも頑なに帰りたいと言う場合は家に返してもらえるのだが、「一度男の家に入った女は純潔ではない」と言われ、結婚のもらい手がなくなる、という文化もあるため、誘拐結婚が無くならない。 誘拐結婚は、様々なパターンがあるようだが、一目惚れで誘拐されることが多いようだ。婚約者がいたのに、誘拐され、泣く泣く結婚。他国の大学で、都会のアパートに住み、学問を学ぶ予定だったのに、誘拐され、何も無いような牧草地に連れてこられ結婚。 誘拐結婚で結婚した女性たちは、最終的には「幸せだ」と言っている人が多いそうだが、それはただの結果論である。誘拐前に描いていた夢などを泣く泣く諦めざるを得ない現実があること、また、誘拐結婚から幸せを奪われて自殺をしてしまう女性もいるだけに、やはり許し難いことである。 誘拐結婚の歴史なども書いてある。元々、キルギスでは、見合い結婚が普通で、誘拐結婚もあるにはあったが、それは愛する男女が駆け落ちする、的な意味で使われていたそうだ。ソ連に組み込まれた際から、だんだんと暴力的な誘拐結婚になったらしいのだ。なぜ暴力的になったのか、は、書いてあったのだが内容を忘れてしまった。。。 すごく詳しく書いてあり、一気にこの現実を知ることが出来た写真集、エッセイ集であった。
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本書のあとがきに林さんの苦悩がつづられています。この誘拐結婚という現象をキルギスの文化の一部として紹介するのか、それとも人権侵害の問題として紹介するのか、どうするべきかと。しかし、誘拐結婚を目の当たりにして、これは明らかな人権侵害であり、犯罪であるということを確信し、文化として紹...
本書のあとがきに林さんの苦悩がつづられています。この誘拐結婚という現象をキルギスの文化の一部として紹介するのか、それとも人権侵害の問題として紹介するのか、どうするべきかと。しかし、誘拐結婚を目の当たりにして、これは明らかな人権侵害であり、犯罪であるということを確信し、文化として紹介するのではなく、人権問題として取り上げようと決意したようです。その決断は正しかったように思えます。 本書に掲載されている写真に写る花嫁の表情は、結婚という人生で一番輝く時の表情とはかけはなれたものです。それを見ただけで、この誘拐結婚が、どれだけ女性の人権を無視した卑劣な行為なのかが伝わってきます。また、生まれてきた娘に男の子用のベビー服を着せている写真などからは、この国の男尊女卑的な考えが浮かび上がってくるようでした。
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タイトルそほまんま、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理矢理結婚させる誘拐結婚をリアルに記録した写真集。誘拐結婚、昔の話でなく、現在のキルギスで行われている。 私の勝手なイメージでは、中東~中央アジアのこのエリアではそういった男尊女卑の文化・習慣は当たり前にありそ...
タイトルそほまんま、嫌がる女性を自宅に連れていき、一族総出で説得し、無理矢理結婚させる誘拐結婚をリアルに記録した写真集。誘拐結婚、昔の話でなく、現在のキルギスで行われている。 私の勝手なイメージでは、中東~中央アジアのこのエリアではそういった男尊女卑の文化・習慣は当たり前にありそうなので、誘拐結婚という行為も特別衝撃的というわけではない。 しかし、パラパラと写真集をめくってみるうち、誘拐され抵抗を続けたのちに、やむをえず結婚に承諾した後の女性の物憂げな表情が妙に心にひっかかり、そのまま借りるにいたった。 誘拐結婚を一方的に否定していいのか、文化なのか、価値観なのか、あとがきで葛藤する作者に共感する。 写真とそこに添えられたコメントは、主観をまじえずに事実だけを伝えている。 簡単に答えはだせない。考えさせられる。 まあ、個人的には絶対ヤだけどね!! プロフィールによると作者は「ニュースにならない人々の物語」を取材しているとのこと。他の作品もぜひ見てみたい。
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迫真の写真集。誘拐する男、誘拐される女の様々な姿。取材する者としての葛藤。理不尽な事態を「キルギスの伝統だから」と受け入れる人々と、「それはそもそも伝統ではない」という反論。たかだか数十年の習慣に過ぎないことを「伝統」と思い込むことは日本にもある。 人を傷つけ苦しめる「伝統」な...
迫真の写真集。誘拐する男、誘拐される女の様々な姿。取材する者としての葛藤。理不尽な事態を「キルギスの伝統だから」と受け入れる人々と、「それはそもそも伝統ではない」という反論。たかだか数十年の習慣に過ぎないことを「伝統」と思い込むことは日本にもある。 人を傷つけ苦しめる「伝統」など、さっさと廃れてしまえば良い。
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※このレビューにはネタバレを含みます
読む前は伝統とはいえひどい話と思っていたのだけど、伝統ではないとのこと。しかも違法行為であるとのこと。 若い頃に誘拐結婚した現在幸せな老夫婦でさえ、孫や子が誘拐結婚されることを恐れているのが全てを物語っていると思う。 こんな慣習はなくなってほしい。 何事もまずは対話があるべきで乱暴な結婚は不幸。
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