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ボラード病 の商品レビュー

3.8

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

    12

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2024/02/08

怖ー・・ 時代背景も分からず「?」と思いながら読み続け、最後「こわー」の感想。 主人公の母親は毒親なのかと思っていたが、どうやら誰にもバレないように主人公を守ろうとしていたのかな。 重くて暗ーい気持ちになれる作品。

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2021/10/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

原発の被災地の話…なのかな? ちょっと読むのがしんどかった。 お母さんがほんのり毒親なのもしんどい。 ただ、小学生の心理描写が生々しくて引き込まれ、一気に読んでしまった。

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2020/03/08

胸がザワザワとする本。 震災後の日本を皮肉ってる?結びつきは絆のことかな… 後味が悪いような、考えさせられるようか… とにかく何とも言えない本

Posted byブクログ

2020/01/02

ゾッとしました。ものすごく怖かったです。読んでいる途中は、今年1番の本だとも思いました。トーンだけで世界をつくり上げてしまう吉村さんの才能に愕きました。このトーン、他にはないです。とにかく凄い本です。 ひたひた、じわじわ、色がなくて、雨の冷たさが印象に残ります。不気味に笑ったお面...

ゾッとしました。ものすごく怖かったです。読んでいる途中は、今年1番の本だとも思いました。トーンだけで世界をつくり上げてしまう吉村さんの才能に愕きました。このトーン、他にはないです。とにかく凄い本です。 ひたひた、じわじわ、色がなくて、雨の冷たさが印象に残ります。不気味に笑ったお面とか同じ顔の軍の隊列とか、そんな感じ。 私が装丁を描くなら、くすんだブルーグレーの雨と赤いランドセルかなぁ。閑散とした誰もいない街というのもいいかも。キュビズム的な描き方とか、いくつかのモチーフをコラージュして捻れ歪ませたりするのもいい。 逃げ場がなく包囲されていく恐怖。意にそぐわない者は排除され、戦時中のような強制される思想の一本化。隠蔽して無かったことにする間違った世界は今の日本であり、SNSなどですぐに炎上し個々の意見が尊重されない現代社会にこの本は警鐘を鳴らしている。政府や阿呆な現代人に怒っている。私はそう感じました。 最後に書かれた飼いウサギのうーちゃんについてのひと言「本当はうーちゃんには前肢がなかった」という告白が、全てを物語っていると思いました。自分の見えているものは本当に皆と同じに見えているのか。目に見えているはずの現実さえも脳によって改竄される可能性もある。

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2019/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の2ページとそこに至るまでの助走、という印象です。 星野源さんの『夢の外へ』に「自分だけ見えるものと大勢で見る世界とどちらが嘘か選べばいい 君はどちらをゆく 僕は真ん中をゆく」という歌詞がありますが、この作品の主人公はどちらをゆくかで揺れている状態だと思いました。 松尾スズキさんの『宗教が往く』にある、自分はちゃんと喋っているつもりなのに相手にはワーワー喚いてるようにしか聞こえないという怖さにも通じると思いました。 自分の認識というのはどれほど思いつめたところで自分という範囲内に留まっていて、外には届いていない怖さという感じでしょうか。

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2019/02/24

ボラード=岸壁に設置して船を繋留したりする目的で設置される、地面から突き出した杭。よく漁港で見るあれ。片足をあげてかっこよく見せるあれだ。 すっかりタイトルを忘れた頃、ようやくこのタイトルの意味に触れられる。海塚の町では異端の恭子親子。しかしある時、恭子は目覚める。そしてそれは...

ボラード=岸壁に設置して船を繋留したりする目的で設置される、地面から突き出した杭。よく漁港で見るあれ。片足をあげてかっこよく見せるあれだ。 すっかりタイトルを忘れた頃、ようやくこのタイトルの意味に触れられる。海塚の町では異端の恭子親子。しかしある時、恭子は目覚める。そしてそれはまた裏切れられる。どちらが正しいのかは読者の判断によるところだろう。 ディストピア小説といえば私の中では村田沙耶香さん。そしてこの主人公の雰囲気は西加奈子さん風味。この作品はいつもの吉村萬壱先生らしからぬ気がした。あまり狂気を感じない。 原発事故の後の人々の無力感や間違った対応。そしてファシズムの意味が良く分かる内容になっていた。

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2019/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

序盤から中盤と終盤のほとんどが回想録的な文章で、当時の印象を簡潔に書き連ねるような書き方なので訳が分からず読むのがしんどかったです。1人の同級女子が死んでしまう辺りから何かが隠されているような不安感がにじみ始め、「海塚」を連呼する歌で奇妙な人たちが醸し出す不穏な空気が充満し始める。たんに少女と母親の苦しい生活が主題ではない事が徐々に見え始めてくるとともに「福島第一原発事故」が脳内に浮かび上がってくる。放射能で汚染された町での復興という名の偽善であったり、同級生や先生など身近な人物が次々と姿を消すようになくなったり…現実とは違うけれど、放射能で汚染された町、それでもその街から出て生きてはいけないからと町の復興を願いながらも安全や安心から程遠い状態に見て見ぬふりを続ける住人…そんな暗い印象しか湧き上がってこなかった。 ディストピア小説なんだなって分かって来てからも物語自体に面白みを感じることはありませんでした。何も予備知識なしで読むよりは少しでいいから知ったうえで読み始める方が楽しめる類の物語じゃないでしょうか… 暗い/重い/ツライ/の三拍子そろっていてしんどいです。

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2018/01/26

胸を槍で突き刺されるような感覚。 日本政府の震災対応やNSA監視の実態なんかにもろに通じる。 私は真っ先に殺される。

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2018/01/03

途中までなにを書いてるのか分かりづらい。 が、だんだんと(ある程度)理解できてくると、なるほどなぁと思った。 学校や会社で周囲に感じる違和感。 同調圧力にひたりと一体化して見える他者は、本当に一体化しているのだろうか。 気持ち悪いと感じる自分は、そう思っていつつも、周囲に合わ...

途中までなにを書いてるのか分かりづらい。 が、だんだんと(ある程度)理解できてくると、なるほどなぁと思った。 学校や会社で周囲に感じる違和感。 同調圧力にひたりと一体化して見える他者は、本当に一体化しているのだろうか。 気持ち悪いと感じる自分は、そう思っていつつも、周囲に合わせて見せられる大人より不器用なだけで、特別な感じ方をしているわけではないのだろうか。 でも、ではなぜ一体化して見せる人がいるのか。誰が得して、なぜそんな気持ち悪いことをしているのか。。 やはり分からない。

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2017/12/18

助走が長くそのまま静かに離着陸する。妙にバタバタしていない作りがかえって描こうとしているものを浮かびあがらせているような気がする。東日本大震の復興などに漂う違和感。復興そのものではなく、それにまつわる違和感。それをうまく捉えているのではないかなと思う。助走が長いと思うかもだけど読...

助走が長くそのまま静かに離着陸する。妙にバタバタしていない作りがかえって描こうとしているものを浮かびあがらせているような気がする。東日本大震の復興などに漂う違和感。復興そのものではなく、それにまつわる違和感。それをうまく捉えているのではないかなと思う。助走が長いと思うかもだけど読み通す意義はあると思う。

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