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ボラード病 の商品レビュー

3.8

57件のお客様レビュー

  1. 5つ

    13

  2. 4つ

    17

  3. 3つ

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2015/10/10

なんかあんまりよくわかんなかった。 最後の方でもっと分かりやすくいろんなことが紐解かれたりするかと思ってたのですが、私にはもう少し分かりやすく書いていただかないと。 もう一回読むといいのかもね。

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2015/04/29

2015/4/29 「この世界は捏造だ」 避難先から地元へ戻ってきた貧乏な小学生、恭子。学校で教えられる、一番大切なものは結び合い。 ほんと苦しい。これは日本の近未来の話なんだと気付いてからは怖くて怖くてたまらなかった。 原発事故、軽視されすぎているよね。

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2015/03/26

帯からしておどろおどろしい。 「密かにはびこるファシズム、打ち砕かれるヒューマニズム」 福島らしき場所を舞台とした、ディストピア小説だ。この小説が描くファシズムにはヒトラーのような指導者は出てこない。身構えて読み始めると意外にも長閑だ。しかし、読み進めると違和感が忍び寄ってくる...

帯からしておどろおどろしい。 「密かにはびこるファシズム、打ち砕かれるヒューマニズム」 福島らしき場所を舞台とした、ディストピア小説だ。この小説が描くファシズムにはヒトラーのような指導者は出てこない。身構えて読み始めると意外にも長閑だ。しかし、読み進めると違和感が忍び寄ってくる。 震災後の「絆」というキーワードの乱発に違和感を感じたものだが、この小説の街では絆が強制された閉鎖的な世界となっている。その絆に反した行動をするものは秘密警察のような輩に排除される。 この小説にはなぜこのような世界に至ったのかは書かれていない。どうしてこの気味の悪い街が醸成されたのか、それぞれに想像してみることは重要ではないか。 僕なりに想像するに、こんな感じだろうか。日本中で絆や復興を高らかに掲げたものの、時を経て風化し置き去りにされた地域。そこに極右的なリーダーが現れ、住民に団結を強い、背くものは排除する。 世界各地で起きている疎外からくるファシズムに対して、日本はそうはならない、多くの人がそう思っている。でもこの小説を読むと、意外に遠くないような気もしてくる。

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2015/03/19

 ジョージ・オーウェルの「一九八四年」の世界を連想せざるを得なかった。「一九八四年」の日本近未来版、作中ではもちろん特定はしていないが(特定してしまったら大変なことだ)、放射能汚染に起因する福島の帰還困難区域の近未来を舞台にして描いていると想像した。  やはり全体主義は気味が悪い...

 ジョージ・オーウェルの「一九八四年」の世界を連想せざるを得なかった。「一九八四年」の日本近未来版、作中ではもちろん特定はしていないが(特定してしまったら大変なことだ)、放射能汚染に起因する福島の帰還困難区域の近未来を舞台にして描いていると想像した。  やはり全体主義は気味が悪い。しかしながら、それに染まってしまえば(作中の表現では、海塚にドウチョウしてしまえば)、楽な部分もあるのかもしれない。自由を享受し続けることは苦痛を伴うものでもあるから。仮に自分が作中の海塚のような世界に放り込まれたら、「ボラード病になれる」だろうか?いや、普通に海塚讃歌を歌っているだろう。自分はそんなに強い人間ではないから。どうにもならないことを気にしても仕方ないし、世の中なるようにしかならないのだ。  読了後、このレビューを書くにあたって少し読み返してみて、この「ディストピア小説」の意図が少し分かった気がした。あまり具体的に書くと作者が炎上しかねないので、含みを持たせた書きぶりになるのだろう。恭子は、海塚の人たちが正常であることを確認できるように残されている「ボラード」であるということか。今となっては、強制収容所に隔離されてしまったのだろうか。何とも哀しい結末である。  ディストピア・・・逆ユートピア.暗黒社会.ユートピア(理想社会)と正反対の社会.ディストピアは全体主義国家などをイメージして用いられることが多い.  ボラード・・・係留柱.船をつないでおくため、波止場や桟橋などに設けた杭.

Posted byブクログ

2015/03/02

帯が気になったので購入。ハリガネムシが嫌いなので、不安を覚えつつ。 「ドウチョウ」できないものの不安さ、苦しさご十二分に表現されている。 落ちは唐突な印象があった。

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2015/02/19

参照: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A4%A7%E9%9C%87%E7%81%BD#.E6.96.87.E5.AD.A6

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2015/02/07

11人が参加した読書会にて1人しか気がつかなかった重大な仕掛けがあるのだが、これを読んだ人の何人がこのことに気がつくだろう? 

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2015/01/20

いとうせいこうの書評を読んで図書館で借りてきた。 彼が昨年末「今年の3冊」に挙げているくらいだから、よほどの力のある小説なんだろうと思う。 アホな私はいとう氏の解説無くして本書の内容は理解できなかったのだが(今も本当には理解できてないが)、とにかく気持ち悪くて仕方ない。 臭いの...

いとうせいこうの書評を読んで図書館で借りてきた。 彼が昨年末「今年の3冊」に挙げているくらいだから、よほどの力のある小説なんだろうと思う。 アホな私はいとう氏の解説無くして本書の内容は理解できなかったのだが(今も本当には理解できてないが)、とにかく気持ち悪くて仕方ない。 臭いの描写や人物の薄気味悪さはもちろんのこと、 作品世界に蔓延する暗黙の了解ごとみたいなものが、抜け出せない泥沼のようにまとわりついて、とにかく生理的に気持ち悪い。 そして個人的には、母親の融通の利かない内職のやり方が自分に似ていてうんざりする(笑)

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2015/01/04

震災後の閉塞感と、「絆」のような言葉(ここでは「結び合い」)に隠された薄気味悪さが巧みに描かれている。きちんとして礼儀正しく、助け合い、裏で蠢く悪事には気付かないふりをしてやりすごす、気づいて声をあげる者は抹殺する日本人の姿。 この本が素晴らしいのは、そういった解釈だけでは収まり...

震災後の閉塞感と、「絆」のような言葉(ここでは「結び合い」)に隠された薄気味悪さが巧みに描かれている。きちんとして礼儀正しく、助け合い、裏で蠢く悪事には気付かないふりをしてやりすごす、気づいて声をあげる者は抹殺する日本人の姿。 この本が素晴らしいのは、そういった解釈だけでは収まりきれないところがあるから。震災がなかったとしても、ここに書かれたようなことは起こり得る。いや、既に何度も起こっていたし、これからも起こる。 それを心に刻み込むことが、唯一それを避ける方法であることを教えてくれる。

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2014/12/18

この何とも言えない不気味などんよりとした世界にもう少し浸っていたいと思いながら読了。 ディストピア小説か、3.11を描いた寓話か。 いや、そんなことはどうでもいい。 この、恭子と母に見えている世界と「ドウチョウ」できるかどうか、なのだろう。 いやいや違うな。彼女たちが住んでいる海...

この何とも言えない不気味などんよりとした世界にもう少し浸っていたいと思いながら読了。 ディストピア小説か、3.11を描いた寓話か。 いや、そんなことはどうでもいい。 この、恭子と母に見えている世界と「ドウチョウ」できるかどうか、なのだろう。 いやいや違うな。彼女たちが住んでいる海塚という街の絆を受けいれるかどうか、なのか。 何かがおかしい。何かがゆがんでいる。狂っているのは恭子たちか、住人たちか、それともこの国のどこかに住む私たちか。

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