烏に単は似合わない の商品レビュー

阿部智里(著者)

2023/12/24

序盤は政争と女のドロドロに巻き込まれる無知で無邪気なお姫様の物語。浜木綿のサバサバとした女傑っぽさが一線を画しているものの、各家の、女房の、様々な立場ごとの思いや計算が錯綜する。[more]そして終盤の逆転劇というかカタストロフィというか、浜木綿の「一発殴らせて」が痛快。

2024/01/23

騙された、小説。
普段あまりミステリを読まないからか、「作者に騙され、裏切られる」ことをあまり経験したことがない。ので、作者に、物語に騙される…ことに慣れていない。だから、正直ショックだった。え、そんな！と。
どこかで、十二国記好きにオススメ！と書かれていたような気がして読み始め、すすめていくうちに真夜中、ページを捲るのももどかしく読み終えた感想は…「どうして…こんなにワクワク読んだのに…」と、勝手に(ほんとうに、勝手に！)ショックをうけたわたくし。その後、ちょっとしょんぼりしながら寝。後から思えば作者のトリックにまんまとひっかけられ、何杯も食わされたわけですが。
翌日、ブクログで皆さんの感想を読んでいて…ああ自分はなんて、己の望む世界、求める物語を読んで(そう解釈して)いたのだ…ということになんというか愕然とした。独りよがりな読書をしていたんだと。(それはそれでよいのですが)(開き直り)新感覚、と書いていらっしゃる方がいて、ああなんて、なんて軽やかな感覚をお持ちなのか…己の思い通りにならない物語を、自分を裏切ったものがたりと解釈するなんて、なんて自分はあさはかだったのかと。
まだ私ののうみそではいろいろと足らないので、星はつけておりません。

2023/11/27

中盤から加速度的に面白くなっていく、ファンタジー系ミステリ、なのかな？
世界観も登場人物も魅力的だし、なにより物語の各所にばら撒かれた違和感が結末に収束して弾けるワクワクを楽しめてよかった。

以下、登場人物単位の所感
増赭の薄…かっこいい。最高。いっぱい好き。
浜木綿…かわいいね。
白珠…あたたかく過ごしてほしい。幸せにおなり。
あせび…いい女！

2023/11/26

まあ勿論この異世界観に則ったものになるけど、それでも前半の恋愛ものが苦痛な私には苦行でしかなかったのが後半の後半になると急に泥臭くなってきて楽しめた。
そして今この次作を読んでるけど、これを読んでたからこそそれは最初から楽しめてる。

2023/11/26

読み進めて行くうちに急に風向きが変わり、え？ん？んん？？と思いつつもページを捲る手が止まらず……。怒涛の展開に押し流され、気がついたら読了していた。
読み始めの予想とは全く違うところに着地したが、新感覚で面白かったと思う。まだ少し自分の中で消化しきれていないが、落ち着いたら次の『烏は主を選ばない』も読んでみたい。

2023/11/21

綺麗に見た目と景色描写に良い意味で騙された。
ドロドロし過ぎて、後味が悪い。。

面白いと言えば面白いけど、続きに手を出すか悩む。

2023/11/21

ただの和風ファンタジー小説だと思って読んでいたら推理小説であったので驚いた。最後は予想だにしていなかったことが分かり、桜の化身の様な愛らしいあせびの行動は、悪気がないにしても自己中心さも度が過ぎていて少し怖いと感じた。

2023/10/20

ここから始まる物語で平安を思わせる描写と内容が良かった。読みながら日本の美を感じる。内容も重厚で何よりキャラ立ちが良い。継続作品となるのも頷ける。

2023/10/19

女性の世界って怖い。最初セリフだらけで読み進めるのに苦労したが、まさか若宮殿が名探偵とは思いもしなかった。
シリーズ通して読んでみたいと思えた

2023/10/05

とにかく魅力的な4人のお姫様の物語で、特に主人公のあけびと、秋殿のお姫様が大好き。

あけびちゃんはもう、かわいいの一言として、秋殿のお姫様は、好感が持てるというか、所謂私の好みのノブリスオブリージュ的な、貴族意識と高貴さと、その上で視野の広さをある程度持ってる、素敵な女性。

あんまり何かを語れないけど、最後まで飽きずに美しくて不思議な世界に触れられた。