二都物語 の商品レビュー
フランス革命前後の様子が、臨場感たっぷりに描かれています。『二都物語』の二都とはロンドンとパリのことで、この物語の舞台です。 ダーネイ(フランス人)とカートン(イギリス人)という2人の青年に愛されたルーシー(フランス人)が主要登場人物。この3人の関係が主たる読みどころ。 無罪...
フランス革命前後の様子が、臨場感たっぷりに描かれています。『二都物語』の二都とはロンドンとパリのことで、この物語の舞台です。 ダーネイ(フランス人)とカートン(イギリス人)という2人の青年に愛されたルーシー(フランス人)が主要登場人物。この3人の関係が主たる読みどころ。 無罪の罪でとらわれていたルーシーの父(医師)や、脇役のフランス過激派民衆代表、ドファルジュ夫婦やルーシーの父の友人、ローリーの部下で墓暴きを副業としているクランチャーといった人物も印象に残ります。 後半、急転直下の展開で引き込まれました。革命の残酷極まりない描写に釘付け。前半から後半に向けての登場人物相互の絡みがおもしろいです。よく考えられていると思いました。ダーネイとカートンはそっくりさんなのですが、似ているところがラストの展開で大いに影響してきます。カートンの犠牲的愛、悲しすぎです。ストーリーから離れて、フランス革命のことをもっと知りたいと思いました。物語の世界を堪能した後、世界史も学びたくなった、私にとって一石二鳥の小説でした。世界史を勉強し直して再読したい本です。(2026.4.2読了) ☆4.5(☆5かなと思ったのですが、前半のストーリーに、なんとなく入り込めなかったので)
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フランス革命期のパリとロンドンを舞台にしたディケンズの小説。 恋愛、家族の絆、人間的葛藤、自己犠牲を描いている。
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新潮の新訳版で再読。これまで旧版を愛読してきたけれど、新版で読んでもドラマティックな展開、強い感動が胸に残るラストのインパクトは変わらない。人が人のために為しうることは少なく、けれど愛が為しうることは偉大で尊い。フランス革命前後の英仏を舞台にした圧巻の物語。 シドニー・カートンと...
新潮の新訳版で再読。これまで旧版を愛読してきたけれど、新版で読んでもドラマティックな展開、強い感動が胸に残るラストのインパクトは変わらない。人が人のために為しうることは少なく、けれど愛が為しうることは偉大で尊い。フランス革命前後の英仏を舞台にした圧巻の物語。 シドニー・カートンというキャラクターは、これまで読んだ小説の中でも一二を争う強烈な印象を私に残した人物。彼がなぜあんなに虚無的な生き方をしているのか作中では詳しく説明されないけれど、あのラストは彼が自分自身を救う(あるいは許す)ためにも必要な選択だったのだろうと思うととても切ない。また折りに触れ読み返したい。
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むかしむかしにNHKのラジオドラマで聞いて「いつか読みたい」と思ったその「いつか」がようやく来たw(40年ぐらいたった?)あの頃面白くて熱中して聞いたのはこんな苦しい話だったの!? シドニー・カートンてばかっこよすぎ。 それ以上に描写の細かさ・美しさが素晴らしい! 訳者あとがきでディケンズとル・カレのことに触れていたのはとても興味深い。ル・カレよりこれの方が訳は読みやすかったよ。 ※ラジオドラマは放送ごとに主演者の名前を言っていたから、石川ひとみと森本レオが出ていたことは覚えている。森本レオの名前はその時覚えたけど、顔を見たのは何十年もたってからだったなぁ。それと『星へ行く船』と同じ「カフェテラスのふたり」枠だと思っていたが調べたら同じ日の「アドベンチャーロード」枠だった。一晩でいくつもラジオドラマをやってたとは!
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私の最も好きな物語、今後更新されるとしても3番以内に君臨し続けること請け負いの作品である。 ミステリー小説の原点とも言われる『月長石』を書いたウィルキー・コリンズと実は仲が良かったというのは、後からロンドン旅行でチャールズ・ディケンズ博物館(ディケンズの生家)を訪れた際に知ったのだが、ディケンズもまたミステリーの伏線を張るのが得意なようだ。 本作はミステリーの要素(伏線の要素)、つまり、マネット医師がバスティーユ牢獄に囚われていて記憶が朦朧としているという設定、ダーネイがフランスから亡命してきた元貴族であるという設定、カートンとダーネイが異国人であるにも関わらず瓜二つであるという設定、カートンがルーシーに振られながらも一生の献身を誓う設定、どれもが最後の美しく悲しい結末に必要不可欠な要素だった。 舞台設定が1789年よりちょっと手前から始まっているのがまた良い。というのも、物語の途中になって1789年(フランス革命)に差しかかることで物語の流れを簡単に変える起爆剤にできる。 マネット医師は健全な市民でありながら王党派(国・貴族)の敵として被害を受けたが、フランス革命後は健全な元貴族ダーネイがマネット医師と立場逆転となる構造も美しい。 自分の娘の夫となったダーネイを救おうと尽力したのに、かつての自分が獄中で書いた手記がダーネイの処刑を決定づけるという残酷な展開もとんでもない。 カートンと同じ状況で、カートンと同じ行動を起こす人間が果たして存在するだろうか。 自分の愛した女性が、すでに人妻になっており、一生自分のものにならないことはわかってる。自分は死んでしまうからみんなが自分に感謝し、悲しんでくれるシーンは見ることができない。そもそも自分は全く関係のない罪でギロチン処刑されるという事実に耐えられるだろうか?どれだけ愛した女性でも、命と引き換えにそれを証明できる人間がいるだろうか? カートンがダメ人間であるという描写が多いがゆえに、最後のカートンのこの美徳が輝く。 今でも覚えているが、初めて『二都物語』を読んでいた私は終盤の終盤まで結末を予想できず、カートンがダーネイと衣服交換するあたりでようやく事態を理解し、混乱と感動が許容量をオーバーし、涙が溢れた。 そして今回、再読した私は結末を知っているが故に、カートンの一挙手一投足が愛おしく思え、カートンがパリにやってきたあたりからもう泣きそうだった。結末を知っていても涙を抑えられなかった。
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舞台はロンドンとパリ、すなわち二つの都市の出来事を交互に描いた作品だが、本作のパリはフランス革命が起きた時代で、チャールズ・ダーネイ、シドニー・カートン、そしてルーシーの三人を主軸にしたロマン小説。革命により、フランスの人々は血みどろの争いをして、敵対する者に容赦ない仕打ちをした...
舞台はロンドンとパリ、すなわち二つの都市の出来事を交互に描いた作品だが、本作のパリはフランス革命が起きた時代で、チャールズ・ダーネイ、シドニー・カートン、そしてルーシーの三人を主軸にしたロマン小説。革命により、フランスの人々は血みどろの争いをして、敵対する者に容赦ない仕打ちをした。このように、本作は子どもではなく、大人を主人公した比較的暗い雰囲気の話である。
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フランス革命中のロンドンとパリ、二つの都市を舞台にした作品。ディケンズの後期作品らしい暗さや凄惨さが印象的だった。 ディケンズの作品は自伝的要素が強い前期作品よりも、社会的要素が強い後期作品の方が好きだけど、『荒涼館』や『大いなる遺産』の方がエンタメ性が強いかも…という印象。ただ...
フランス革命中のロンドンとパリ、二つの都市を舞台にした作品。ディケンズの後期作品らしい暗さや凄惨さが印象的だった。 ディケンズの作品は自伝的要素が強い前期作品よりも、社会的要素が強い後期作品の方が好きだけど、『荒涼館』や『大いなる遺産』の方がエンタメ性が強いかも…という印象。ただ、人物描写や記憶に残る特徴的な人物像はさすがディケンズと思った。特にルーシーの召使いでパワフルなミス・プロスが好き。あとカートンが良いやつすぎて泣ける。好きな人も諦めて、代わりに処刑台に立つなんて実際にできる人いないのでは…?
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ミュージカル版を観に行けなかったので、原作でも読んでみようと。ミュージカル版と比べられないのが悔しい!かなり分量あり、古典の名作ということでハードルは高かったかな…。ざーっと流して読んだからかもしれないけど、そこまでダーネイとカートンの関係が色濃く描かれてなかったような…?
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ディケンズ は『クリスマス・キャロル』を除いて長篇が多くて敬遠していましたが、愛憎入り乱れた物語は、よく練られたストーリー展開と伏線回収など、とても引き込まれる内容でした。また、挿絵も物語の雰囲気を感じられて良かったです。 本作は、夏目漱石『二百十日』など、たまに他の小説などに...
ディケンズ は『クリスマス・キャロル』を除いて長篇が多くて敬遠していましたが、愛憎入り乱れた物語は、よく練られたストーリー展開と伏線回収など、とても引き込まれる内容でした。また、挿絵も物語の雰囲気を感じられて良かったです。 本作は、夏目漱石『二百十日』など、たまに他の小説などに引用されていて気になっていました。ただ、背景にフランス革命がある関係で、勝手に多くの残酷なシーンを想像。それは、読後に杞憂だったとほっとしてますが、悲劇には変わりないですけどね。フランス革命関連としては、怖い絵シリーズなどの新書が有名な中野京子の小説『ヴァレンヌ逃亡』のように、手に汗握る歴史小説も好きですが、このようなエンタメ感がありつつ緊張感のある時代小説もいいなと思いました。 あらすじ: 「あれは最良の時代であり、最悪の時代だった。」フランス革命に至るまでの世相について、端的に表した冒頭から始まります。 物語は、バスティーユ監獄に収監されていたフランス人のアレクサンドル・マネット医師とその娘ルーシー、フランス貴族出身ながらイギリスに亡命したチャールズ・ダーネイと、彼が亡命時にスパイ容疑にかけられた裁判から救ったシドニー・カートンの四人を中心に進みます。ルーシーをめぐり、廃人同様になっていたマネット医師との再会と再生、ダーネイとの結婚、その影で身を引くことを選んだカートン。一方、パリの居酒屋では、革命の狼煙を上げるべく不穏な動きが台頭。 ついに革命は起こり、その余波は、貴族でもないダーネイの元使用人に及ぶにいたり、ダーネイは彼の窮地を救うため再びパリに渡りますが……。 と、ここからハラハラする展開になっていきますが、その前にダーネイはいつルーシーに告ったのだろう?と、記憶にないので読み飛ばしたのかと思いつつ、ラストで回想シーンとかあるはずと読み進めました。結果、そのようなシーンは無かったし、半分ほど戻って読み直したりした時間がなんだかなぁと。ちょっとモヤモヤしましたが、著者なりの考えを少し勘ぐってしまいました。 ルーシーとカートンの会話の方は、特にP265の9行目から12行目を読むと、ルーシーからはカートンも“あり“なことがわかりますが、それでは物語にならないので、この展開しかないのかな。カートンにとって救いなのは、P588の8行目の娘のルーシーの発言……これには感情を揺さぶられてグッときましたね。読後は、自己犠牲の物語としては、SFで内容は全く異なるジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』の読後感に似たやるせないものを感じつつ、これも名作だなと思いました。 訳者はあとがきでディケンズ の訳業の難しさを語っており、序盤こそ窺い知ることができますが、全体的にはとても読みやすく感じたので、訳者の訳業に感謝ですね。例えば、銀行家のローリー氏が使い走りのクランチャー氏に対し、目の届かないときに何をしているかを問われた会話の場面。申し開きをするクランチャー氏の困惑した様子が目に浮かぶようで上手いなと思いました。 ところで、最近の若い女性の間で編み物が流行っているみたいですが、彼女らは作中の女性たちのように、はたして断頭台の近くで落ち着いて編み物をしていられるだろうか?と、ふと怖いことを思ったりもしたのでした。
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革命前後のフランス、イギリスを舞台にした物語。 長編で読み応えがあり、ページをめくる手が止まらない。 本好きの人におすすめ。
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