レンブラントの帽子 の商品レビュー
やはりタイトルになっている「レンブラントの帽子』が一番心に残った。何の前知識も必要とせず、誰の心にも響く作品だと思う。たぶん30年後も必要とされる作品。文学や小説の存在意義が少し分かった気がする。ほんの少しだけ…。
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島田潤一郎氏による一人出版社「夏葉社」による復刊。ユダヤ系アメリカ人マラマッドの短編集でる本書は、人間の内なる感情、特に相手の気持ちを切ないまでに想像しては、期待や落胆、焦燥感や不安を感じる、生きる事の辛さみたいなものが詰まった作品集だった。
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1975年に集英社より刊行された『レンブラントの帽子』から代表的な作品を抜粋し、夏葉社が復刊した本。「レンブラントの帽子」「引き出しの中の人間」「わが子に、殺される」を収録しています。表題作の「レンブラントの帽子」は、短い短編ながら、心の行き違いを上手に表現している作品でした。他...
1975年に集英社より刊行された『レンブラントの帽子』から代表的な作品を抜粋し、夏葉社が復刊した本。「レンブラントの帽子」「引き出しの中の人間」「わが子に、殺される」を収録しています。表題作の「レンブラントの帽子」は、短い短編ながら、心の行き違いを上手に表現している作品でした。他の2編も、先が気になってどんどん先を読みたくなる、素敵な作品でした。(2011.12.29)
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一人出版社、夏葉社さんの本。 こんなお話もあるんだ、と教えてくれました。 こうした出版を出してくれることはとてもうれしいです。
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これが、すばらしい、という評価とかは よくわかんないけど、 とにかく、他の人、こんな小さなことで くよくよ悩んで、気にして生きてるんだってことに 感動をおぼえる。 そしてそれが、本になる! そんなこといったらわたしなんて 年がら年中こんなことで 悩んでばっかだけ...
これが、すばらしい、という評価とかは よくわかんないけど、 とにかく、他の人、こんな小さなことで くよくよ悩んで、気にして生きてるんだってことに 感動をおぼえる。 そしてそれが、本になる! そんなこといったらわたしなんて 年がら年中こんなことで 悩んでばっかだけど。 だけど、それを丁寧に丁寧に写実すれば こんな素晴らしい作品になるのだなあ、と。
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(2010.10.04読了)(2010.09.29借入) 絵が好きなので、「レンブラントの帽子」と言う題名に惹かれて借りてみました。 三つの作品が収められています。「レンブラントの帽子」と「わが子に、殺される」は、短篇ですが、「引出しの中の人間」は、100頁ほどありますので、中編...
(2010.10.04読了)(2010.09.29借入) 絵が好きなので、「レンブラントの帽子」と言う題名に惹かれて借りてみました。 三つの作品が収められています。「レンブラントの帽子」と「わが子に、殺される」は、短篇ですが、「引出しの中の人間」は、100頁ほどありますので、中編です。 著者のマラマッドは、ロシアからアメリカに移住してきたユダヤ人を両親として生まれたアメリカ人と言うことです。 「引出しの中の人間」は、アメリカのジャーナリストが、ロシアに旅行に行き、ロシアのユダヤ人作家に頼まれごとをされて、どうすべきか、さんざん迷う話ですので、自分の身の上を投影した話なのでしょう。 「レンブラントの帽子」も対人関係の悩みを扱っており、「わが子に、殺される」も就職しようとしない息子に悩む父親の話ですので、どの話も、対人関係の葛藤を扱っているということになります。 結構ハラハラドキドキの感じが、楽しめる小説と言えるのではないでしょうか。 全体でも150頁ほどですので、読みやすいと思います。分厚い本を読んだ後の息抜きなどにお勧めです。 ●「レンブラントの帽子」 美術学校の教師の話です。 登場人物は、彫刻家のルービンと美術史担当のアーキンです。 アーキンがルービンのかぶっている帽子を「レンブラントの帽子そっくり」と評した後、ルービンがアーキンをにらみつけて立ち去った。 その後、ルービンは、アーキンを避けるようになった。アーキンは、何が悪かったんだろうと、思い悩むことになります。 あれこれ思い悩んだ後、レンブラントの自画像を画集で見て、ルービンのかぶっていた帽子は、レンブラントのかぶっている帽子とは違うことに気がつきました。 アーキンは、ルービンに謝り、二人は和解します。 ●「引出しの中の人間」 主人公は、ハワード・ハーヴィッツという、アメリカのジャーナリストです。休暇を取ってロシアを訪れました。 モスクワで、タクシーに乗ったら、タクシーの運転手のフェリックス・レヴィタンスキーは、作家で、アルバイトでタクシー運転手をやっているとのことだった。 レヴィタンスキーは、ロシアでは、自分の作品は出版できないので、ロシアから持ち出して、ロンドンかイタリアかアメリカで出版してくれないかと言うのです。 試しに、何篇か読んでみてくれと渡されます。 ロシアから持ち出すときに見つかったら大変なことになりますので、簡単に引き受けるわけにはいかないので、あれこれと迷うことになります。 題名は、書いた作品を発表することができないので、書いた作品は、引出しにしまっておくしかないということから、来ています。発表できなくても、書かずにはおれない人間がいるのです。 物語の最後の方は、レヴィタンスキーの作品の内容が次々と書かれて終わってしまうので、ちょっと不満です。結局持ち出せたのかどうかわからないのです。 著者 バーナード・マラマッド(Bernard Malamud) 1914年4月26日、ニューヨークのブルックリンに生まれる ニューヨーク市立大学卒業 コロンビア大学大学院修士号取得 1952年、長篇『ナチュラル』(The Natural)で作家デビュー 1957年、「アシスタント」 1958年、「魔法の樽」 1967年、「修理屋」 1984年、野球小説『ナチュラル』が映画化 1986年3月16日、死亡 (2010年10月5日・記)
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