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薔薇を拒む の商品レビュー

3.4

32件のお客様レビュー

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2024/02/21

事件の真相を究明する部分よりも、主人公の青年の心情に焦点が当てられている。ラストの状況が一番のミステリで、全体を通してなぜこうなったかを丁寧に書いているような印象。

Posted byブクログ

2023/08/13

施設で育った博人は進学への援助を申し出た資産家の持つ家に住み込みで働くことに。そこには血の繋がらない美しい母子と使用人たちが。隔絶された湖畔の美しい家に絡みつく愛憎と復讐の糸。 深窓の令嬢をキーに主人公たちの過去の傷や心の闇が少しずつ紐解かれる緊張感あふれる近藤さんのミステリ、...

施設で育った博人は進学への援助を申し出た資産家の持つ家に住み込みで働くことに。そこには血の繋がらない美しい母子と使用人たちが。隔絶された湖畔の美しい家に絡みつく愛憎と復讐の糸。 深窓の令嬢をキーに主人公たちの過去の傷や心の闇が少しずつ紐解かれる緊張感あふれる近藤さんのミステリ、今回もその複雑な感情の絡みと主人公がすっきり救われない切ないお話を楽しませていただきました。ただ、本作では割と早めに犯人に目星がついたり、オチがどこかで読んだような感じだったりと王道のミステリ感がありました。もう少し心の迷宮に誘って欲しかったというところでちょっと残念でした。 いつもそうなのですけど、近藤さんの作品の背後には冷た〜い日本の社会が横たわっていて、差別やジェンダーの問題が物語にふわりと浮き上がってきたりします。今回も一度社会から弾かれてしまうと戻れない、再チャレンジの難しい日本の社会やそこで突き落とされる孤独、社会的な死みたいなものを思わされました。一方で出てくる湖畔の家の晩秋の風景を思い浮かべながら、こんなところで馬を世話しながら本に埋もれて暮らしたい、と思ってしまいました。あと、犬がかわいそう。

Posted byブクログ

2023/04/14

交通の弁が悪い別荘地に身寄りの無いイケメンの若者2人が呼ばれた。そこには可愛い女の子と母親と男性家庭教師、執事、料理人庭師などが居て、絶対に何かが起こるであろうというシチュエーション。そこで起こった殺人事件。最後には、イケメン若者が手に入れたものは…中々面白かった。

Posted byブクログ

2023/03/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読んでいて苦しくなる作品 主人公の良い子だけど打算的で傷つきたくない心情が事細かに伝わってくる でもあの流れで結局小夜は薫のこと本気で好きだったってこと??そこだけが疑問…

Posted byブクログ

2022/11/25

「シェフは名探偵」というドラマが好きで、原作者からこの本に出会いました。 もう一度読むかと言われるとそうでもないですが、映像化されても面白いだろうなと思いました。 内容的には、そうかな〜とある程度予想がつくのですが、最後まで読むとじんわり胃が重たくなります。 読了後、一度本を閉...

「シェフは名探偵」というドラマが好きで、原作者からこの本に出会いました。 もう一度読むかと言われるとそうでもないですが、映像化されても面白いだろうなと思いました。 内容的には、そうかな〜とある程度予想がつくのですが、最後まで読むとじんわり胃が重たくなります。 読了後、一度本を閉じて深呼吸しました。 登場人物の過去や想いが、山荘の風景と共に綺麗に描かれています。少しずつ見えてくる様と描写のマッチングは好きです。 今度はドラマの原作である、短編集3冊を読みたいと思います。

Posted byブクログ

2022/05/08

ゴシックミステリ。謎解きより舞台を楽しみました。 山奥のお屋敷に住む血の繋がらない母娘、家庭教師や庭師の男性、お手伝いの女性たち、そこへ暗い過去を持つ美少年ふたりが雇われる…何か起こらない方が不思議。 少年ふたり、鈴原と薫(切り取り方だけどエヴァ…?)の罪の持ち方はちょっと違うし...

ゴシックミステリ。謎解きより舞台を楽しみました。 山奥のお屋敷に住む血の繋がらない母娘、家庭教師や庭師の男性、お手伝いの女性たち、そこへ暗い過去を持つ美少年ふたりが雇われる…何か起こらない方が不思議。 少年ふたり、鈴原と薫(切り取り方だけどエヴァ…?)の罪の持ち方はちょっと違うし薫くん自体は問題ないな…鈴原くんのおかげで止められるし。 鈴原くんは諦念なふりして1番強かで良いです。諦めてたのが全部手に入るとなると、抑圧してたぶんだけ反動が物凄いのかも。頭の回転は速いし。村上刑事も鈴原くんにしといて良かったね、と思いました。他の選択肢無いだろけど。 誰も幸せにならない結末なのも凄い。鈴原くんは薫くんとして生きていくんでしょうね。薫くんなのは小夜の前だけで、他の人の前では鈴原くんのままなのだろうか?という疑問は残りました。 謎解きは、田中って明らかに偽名やろ…小夜の自殺したお姉さん・夕日の元恋人?怪しい、と思ってたのでそうだろうね、と。それでもお屋敷の最期のあれこれは集中しました。桃子居なくなってコウさん刺されてから急展開。 桃子可愛い。グレートデーンに桃子…グレートデーンって厳ついめっちゃ大きい犬なはず。体高1mあったりする犬。あれ放し飼いされたら怖いよ!!おとなしいとはいえ見た目ではドーベルマン並に威嚇になる。スミレもポニーなら下手したらあまり大きさ変わらんくない?? 映像化しても映えそうこれも。湖もある山奥のお屋敷に若い母親、美少女、美少年、グレートデーン。良き。 タイトル、最後まで読むと物凄いな。

Posted byブクログ

2022/04/15

美しい光景がたくさん描写されて、綺麗な風景を思い描くけど、 空はいつもどんより曇っていて、視界は薄暗い。 そんなイメージの残るお話。 話がどんどん展開していくような物語ではなく、 終始ゆっくり進んでいくけれど、 先が読めず、続きが気になって一気に読んでしまった。 近藤史恵さん...

美しい光景がたくさん描写されて、綺麗な風景を思い描くけど、 空はいつもどんより曇っていて、視界は薄暗い。 そんなイメージの残るお話。 話がどんどん展開していくような物語ではなく、 終始ゆっくり進んでいくけれど、 先が読めず、続きが気になって一気に読んでしまった。 近藤史恵さんの文章、好きだなあ。

Posted byブクログ

2022/01/16

交通事故で孤児になった主人公と父親の犯罪で孤児になったもう一人の17歳の少年が陸の孤島のお屋敷に雇われる。 3年間をそこで暮らせば大学4年間の学費と生活費を無条件に負担してくれるという。そんなお屋敷で事件が起きる。 あり得ないような設定、荒唐無稽なストーリーだがぐいぐい引き込まれ...

交通事故で孤児になった主人公と父親の犯罪で孤児になったもう一人の17歳の少年が陸の孤島のお屋敷に雇われる。 3年間をそこで暮らせば大学4年間の学費と生活費を無条件に負担してくれるという。そんなお屋敷で事件が起きる。 あり得ないような設定、荒唐無稽なストーリーだがぐいぐい引き込まれて読んでしまうのは作者の力量なんだろうな~。 Amazonより 陸の孤島で起きた殺人をめぐり、屋敷に関わる者たちが疑心に陥る。悪意すら美しく描かれる新感覚ミステリー。著者講談社文庫初登場!

Posted byブクログ

2021/05/27

薔薇を拒む 近藤史恵さん。 最後まで、 どうなるのか?わからず、 読み進められた。 おもしろかった。

Posted byブクログ

2021/05/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

だれにも邪魔されず、静かに本をめくる時間。好奇や同情の視線を向ける人に怯えることもなく、静かに庭の木々を手入れし、夜は心地よい疲れの中、たったひとりのベッドで眠る。それはぼくがはじめて手に入れた砂金のような幸福だった。施設の中で大勢の子供たちと一緒にもみくちゃになっていたときが、不幸せだったというつもりはない。十分な食事と眠る場所を与えられ、学校にも行かせてもらっていた。だが、この屋敷にきてぼくは知ってしまった。人は食事や寝る場所があれば生きていけるわっけではないのだ。そして、ぼくには水や空気と同じくらい静けさとひとりの時間が必要だった。

Posted byブクログ