薔薇を拒む の商品レビュー
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だれにも邪魔されず、静かに本をめくる時間。好奇や同情の視線を向ける人に怯えることもなく、静かに庭の木々を手入れし、夜は心地よい疲れの中、たったひとりのベッドで眠る。それはぼくがはじめて手に入れた砂金のような幸福だった。施設の中で大勢の子供たちと一緒にもみくちゃになっていたときが、不幸せだったというつもりはない。十分な食事と眠る場所を与えられ、学校にも行かせてもらっていた。だが、この屋敷にきてぼくは知ってしまった。人は食事や寝る場所があれば生きていけるわっけではないのだ。そして、ぼくには水や空気と同じくらい静けさとひとりの時間が必要だった。
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なんというか…なんだか不思議な話だった… 身寄りがなく施設育ちの博人は施設に所長から「3年間住み込みで働けばその後の生活費と大学のお金は出してくれる人がいる」という話に乗り、山奥の陸の孤島の別荘へ向かった。屋敷には雇い主の妻と娘の小夜、それから数人の使用人がおり、博人は同い...
なんというか…なんだか不思議な話だった… 身寄りがなく施設育ちの博人は施設に所長から「3年間住み込みで働けばその後の生活費と大学のお金は出してくれる人がいる」という話に乗り、山奥の陸の孤島の別荘へ向かった。屋敷には雇い主の妻と娘の小夜、それから数人の使用人がおり、博人は同い年の樋野と一緒に仕事に励んだ。 しかし、そんな穏やかな日々にある事件が舞い込む。そして、それと同時に博人と樋野と小夜の関係も少しずつ変化が起こってきて… なんとも言えない。完全に弱者な博人と樋野。人にはあまり大きな声で言えない秘密がある2人は、完全に弱者だしそれを弄ぶ権利はないはずだよね。まぁ、あの家族が少し歪んでいるってことなのかな? しかし、博人もまた同じような人種だったのかなぁ。最後、ちょっと読めた気もしたけどゾッとした。誰も幸せになれないってこういうことかーとも思ったわ。 2020.1.22 読了
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作者の作品は読みやすいし、ストーリーにも深みがあります。思慮深い主人公目線で多く語ってくれるので感情移入しやすく、読みながら色々と考えさせられます。 復讐に多くのお金を掛けリスクを背負う価値を見出すほどの光林氏の卑屈な感情が理解出来ないかな。また、小夜が以前の人同様に樋野に惚れた...
作者の作品は読みやすいし、ストーリーにも深みがあります。思慮深い主人公目線で多く語ってくれるので感情移入しやすく、読みながら色々と考えさせられます。 復讐に多くのお金を掛けリスクを背負う価値を見出すほどの光林氏の卑屈な感情が理解出来ないかな。また、小夜が以前の人同様に樋野に惚れた振りをしているほうがなんとなくしっくりくると思いながらも、より印象深い結末のためには仕方ないか。小夜が樋野に惚れるためのもう動機が欲しかったと思う。
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事情があって施設で育った博人は、同じような境遇で育った樋野と共に山奥の洋館で働き始める。 他に居場所があるわけでもない二人は、少しずつだが洋館での暮らしに馴染んでいく。 意外にも博人は、ゆったりと自分だけの時間を過ごすことが出来る生活を楽しんでいた。 少しでも長く、この洋館での暮...
事情があって施設で育った博人は、同じような境遇で育った樋野と共に山奥の洋館で働き始める。 他に居場所があるわけでもない二人は、少しずつだが洋館での暮らしに馴染んでいく。 意外にも博人は、ゆったりと自分だけの時間を過ごすことが出来る生活を楽しんでいた。 少しでも長く、この洋館での暮らしを続けたいと願うほどに。 やがて博人と樋野は洋館に住む令嬢・小夜に恋をする。 それぞれ心に傷を持つ博人と樋野。 大切だからこそ近づくことをためらってしまう博人。 大切だからこそ壊してしまいたいという破壊衝動をかかえている樋野。 同じように傷を隠したまま生きてきた小夜には、二人はどんなふうに映っていたのだろうか。 彼らが洋館に雇われた理由もすべて知ったうえで、彼らを受け入れていた彼女は哀れだ。 けれど、結局のところそれも自己満足でしかない。 館に住む人それぞれが本当の気持ちを隠し、表面上を取り繕っていたために少しずつ歪んでいく世界。 人は誰でも身勝手な部分を持っている。 だが、それをあからさまにしないのは第三者の目があるからだ。 ストッパーとなるべき存在がいないとき、人の欲望はどす黒いものへと変化していくのかもしれない。 博人は結局幸せになったのだろう。 それが真の幸せと呼べるものかどうかは別として。
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視点人物の性格設定が好きだった。 一人で静かに過ごせる環境は素敵ですよね。 ゴシックロマンは良いなあ。 ラスト、ほんとは想いは通じてるんじゃないかな?と予想。
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両親を亡くし、施設で暮らす17歳の博人。 人里離れた洋館で住み込みで3年間働けば大学の学費と生活費を負担してくれるという仕事に惹かれ、同い年の樋野とともに屋敷で博人は働き始める。 屋敷の娘・小夜に博人は恋心を抱き、穏やかな生活を送るが、殺人事件が起こる。 なぜ暗い過去を持つ少年二人が集められたのか、屋敷の人々が持つ秘密は何なのか、物語が進むごとに少しずつ明かされていきます。 非日常の世界に漂う不穏な空気はとってもスリリングで、ページをめくる手が止まりません。 ミステリーとしてはちょっとありがち。 謎の論理的帰着に納得するというよりも、物語の退廃的な雰囲気にときめきながら読むという方向で楽しみました。 むしろ理詰めの思考はいらないかも。 それは物語の優美な雰囲気を遠ざけてしまうかもしれません。
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これはなかなか衝撃的 最近あんまりどんでん返しされず なんとなく予想できちゃうのが多かったけど うおぉぉそうきたかぁぁああ って感じだった 愛って醜い
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人間関係や状況の設定はドキドキするようなものなのに、キャラクターの描写があまりなされていなかったり、ミステリーそのものがえらくアッサリとしていて実は大した謎がなかったり…。もったいない。
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隔離された館に住む一家。 美しい娘の世話役で訪れた2人の美少年。 3人の関係性が完成した途端、事件が起きて…。 このシチュエーションに惹かれて手に取りました。 最後の最後に事件後の3人のその後も描かれていたけど、予想できる展開ではあったからそこまでの衝撃はなく。 それぞれの幸...
隔離された館に住む一家。 美しい娘の世話役で訪れた2人の美少年。 3人の関係性が完成した途端、事件が起きて…。 このシチュエーションに惹かれて手に取りました。 最後の最後に事件後の3人のその後も描かれていたけど、予想できる展開ではあったからそこまでの衝撃はなく。 それぞれの幸せの形があるということが感じられました。
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2015/10/22 さいごー そんな偽りの幸せでずっと生きていけるのかね。 途中ミステリーらしいミステリーいいやん。と思ってたけど、そこはそれほど重視されてなかった模様。 犯人もふーん。やったし。 終始温度がなく冷え冷えとして、私の好きなタイプではなかった。 この氷が溶けるところが見たかったのに。 犬の桃子がひたすらかわいそうで辛い。
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