図書室の魔法(下) の商品レビュー
時代は1979年~1980年で、舞台はイギリス。SF小説が大好きな15歳の少女の、寄宿学校での出来事や、父親や叔母たちとの休暇の様子を日記形式で語る話。ストーリー自体は日常が語られるだけで特に大きな展開もなく少々退屈気味であるが、読書の楽しさや、新しい作品を手にしたワクワク感など...
時代は1979年~1980年で、舞台はイギリス。SF小説が大好きな15歳の少女の、寄宿学校での出来事や、父親や叔母たちとの休暇の様子を日記形式で語る話。ストーリー自体は日常が語られるだけで特に大きな展開もなく少々退屈気味であるが、読書の楽しさや、新しい作品を手にしたワクワク感などがとてもよく伝わってきてほほえましい。図書館や書店に惹かれる気持ちは共感できてにやにやしてしまった。
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本を読むという行為は他人の思考をなぞるという行為であり、それに対して共感や反発を自身に尋ねる行為であるとおもう。 対書物に反して対人間にはそのような二元的な反応はあまり意味がない。ひとは、書かれたものとは違い、変わってゆくから、変わってゆけるから、だ。 解説にもあるように、主人公...
本を読むという行為は他人の思考をなぞるという行為であり、それに対して共感や反発を自身に尋ねる行為であるとおもう。 対書物に反して対人間にはそのような二元的な反応はあまり意味がない。ひとは、書かれたものとは違い、変わってゆくから、変わってゆけるから、だ。 解説にもあるように、主人公(語り手)は、所謂「信頼出来ない語り手」として読むことも出来る。つまりは、フィクションの上に更にフィクションを重ねたメタミステリ的に読むのが妥当なのかなと。 けれども、本を読むことで、その豊かさに触れ、自分は自分として生きるのだというものがたりが、ここにはある。フィクションも現実も超える。本を愛したなら、いつか、わたしも、あなたも、なんらかの形で、本に愛されるだろう。きっと。
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