図書室の魔法(下) の商品レビュー
これはこれは…これはこれは。出張先の書店で適当に手にとった文庫が、今年一番の本かも、とは。一瞬でも読みやめたくなかった。 交通事故で双子の妹と片脚の自由を失った14歳の少女が、恐怖の母の魔法を逃れ、英国寄宿女子校で生き延びようとする。彼女を支えるのは本!本!本!しかもSFとファン...
これはこれは…これはこれは。出張先の書店で適当に手にとった文庫が、今年一番の本かも、とは。一瞬でも読みやめたくなかった。 交通事故で双子の妹と片脚の自由を失った14歳の少女が、恐怖の母の魔法を逃れ、英国寄宿女子校で生き延びようとする。彼女を支えるのは本!本!本!しかもSFとファンタジー。 本への愛を分かち合える人たちと会うまでの孤独、覚えあるよ〜。懐かしい70年代SFへの豊かな言及にも胸躍る。欲を言えばジョーン・D・ヴィンジも呼んでほしかった〜。 これは、中つ国を故郷と感じ、宇宙のことを考えると心が落ち着く私のための物語だ。「本を心の底から愛したならば、本もあなたを愛してくれる。」この本に出会わせてくれた「魔法」に感謝! さ、そのまま持ち歩いていた『天冥の標 9』を読むよー!
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読み始めてしばらくは、なんでそこまで高評価なんだろうか、と思った。 読み続けて、段々と高評価の理由が分かってきた。 読み終わった時には、間違いなく名作だわ、と感動していた。 そういう作品です(自分にとって) 解説に書いてあった「魔法」についての文章。 自分は穢れてしまったなあ...
読み始めてしばらくは、なんでそこまで高評価なんだろうか、と思った。 読み続けて、段々と高評価の理由が分かってきた。 読み終わった時には、間違いなく名作だわ、と感動していた。 そういう作品です(自分にとって) 解説に書いてあった「魔法」についての文章。 自分は穢れてしまったなあ、と哀しくなった。 大人になるって、経験を重ねるって、こういうことなんだね。 でも、「魔法」はちゃんとあったんだ、と自分に言い聞かせながら読んだ。 だから、まだ完全に穢れきったわけでもない、と信じたい。 そこまでSF者じゃないので、作品名の羅列にそこまで興奮できなかった。 それがちょっと勿体なかったかな、と思う。 でも、分からなくてもまったく致命的ではないし、面白さも損なわれない。 本作の焦点は、当然ながらそこには無い。 本が好きで、物語を愛している人なら、きっと誰もが楽しめる、はず。 素敵な作品でした。 もっと歳を重ねてから、改めて読んでみたい。
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モリはウェールズの村で育った。双子だったけど、モルは事故で死んでしまった。母親から逃げ出して児童施設に入れられたが、実の父親を探しだしてくれ、今は父と父の姉たちの家に引き取られた。叔母たちは女子寄宿学校にいるべきだと言って、モリは寄宿学校に入学することになった。そしてこの日記には出来事のすべて、いや想像のすべてが書かれていくことになった。本好きなモリは、孤独を本で癒し、本を頼りに図書室の司書先生や、町の読書クラブの人たちとも行き来するようになった。少しの魔法とフェアリー、そしてSF小説が一杯出てきます。
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72:少女の成長譚としても、SFブックガイドとしても面白く読めました。本好きゆえの疎外感に「あるある!」って思った方も多いのではないでしょうか。 母エリザベスが「気のふれた魔女である」やフェアリー云々については、ファンタジーとしても読めるし、もしかすると(解説にもあったように)母...
72:少女の成長譚としても、SFブックガイドとしても面白く読めました。本好きゆえの疎外感に「あるある!」って思った方も多いのではないでしょうか。 母エリザベスが「気のふれた魔女である」やフェアリー云々については、ファンタジーとしても読めるし、もしかすると(解説にもあったように)母の虐待に端を発する比喩なのかもしれないし、あるいはモリまでも心を病んでいるのかもしれない。でも、モルとの思い出のひとつでもあったフェアリーとの交流を捨て去り、母の影響下から脱し、自らの足で一歩を踏み出したモリの「幼年期の終わり」であったのは確かなんじゃないかな。 言及されてる本が膨大で、読んでみたいけど絶版で手に入らないのが多いのが悔しい……。先日のハヤカワさんの復刊フェアに期待!
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モリは強くて、賢い。私もこんな15歳なら、よかったのだけど… 嫌な母親や叔母がいるけど、お父さんやおじいちゃんたちはいい人だし、ウィムは噂とは違っていい人だった。やっぱり噂って、すべてを信じてはいけないのね。 読み終わってから、本が好きでよかった!これからも、たくさん本を読みた...
モリは強くて、賢い。私もこんな15歳なら、よかったのだけど… 嫌な母親や叔母がいるけど、お父さんやおじいちゃんたちはいい人だし、ウィムは噂とは違っていい人だった。やっぱり噂って、すべてを信じてはいけないのね。 読み終わってから、本が好きでよかった!これからも、たくさん本を読みたい!と、改めて思った。
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これは素晴らしかった!辛い中で生き抜く15歳の勇姿に心を打たれた。本好きにはたまらないし、参考文献の多さに驚いた。ラストのクライマックスは一瞬で、かつ強烈だった。読了後はなんだか寂しくなる。この本の世界はよくできていると思った。
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面白かったんだけど、後半(下巻)に進むにつれてどんどんワクワク感が薄れ…とくに彼氏ができてからはあんまり。笑 ひねくれものなので、私は主人公の誰にも理解されなくても本がある、的な毎日が好きだったんだけど… なんか最後まるく収まってんじゃん!ってところがなんだかなぁ。?? とはいえ面白そうな本がたくさん出てくるので今後はこの登場本のリストを追っていくことにします。
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数年前に上巻を読んでいたけれどようやく下巻を読了。 良かった。読むとSFが読みたくなる本。 15歳の女の子らしく、幼さも短慮も見え隠れするし、ロマンスは甘酸っぱくて、年頃らしい馬鹿なこともするけれど、ところどころに深い洞察がちりばめられていて、そのバランスが面白い。 扉のあらすじには「本を愛し本に救われた経験を持つ多くの読者の共感を呼んだ」とあるけれど、本、というところに図書館を併記しても良いのではと思うくらい、物語中の図書館の重要度は高いような。 本と図書館を愛し、それらに救われた私が共感した箇所は、 「もしわたしが大金持ちだったら、ありったけのお金を図書館に寄付してあげるのに」 「世間でどれほど悪く言われていようと、わたしにゼラズニイを貸すと申し出てくれる男性が悪人のわけはない。」 「図書館を充実させることに比べたら、イギリス独自の核抑止力なんてどれほどの価値があろう?優先順位がどこかで狂っているのだ」 「本を心から愛したならば、本もあなたを愛してくれる。」
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想像していたような魔法による親子対決の展開にはならなかった。モリが人として生きる道を選んだのは、少なからず彼女の出会った本の影響があると思うが、図書室の魔法というタイトルがしっくりこなかった。
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やっと最後まで読み終わったけれど、特に何か大きな冒険があるわけでも、発見があるわけでもない。小説の名を借りた70年代SF礼賛の書にすぎないように感じた。
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